2019.08.29
意外に大事!?季節に合わせた習慣化の戦略【習慣の心理学#30】
毎年のことですが、さすがにこの時期はとても暑くなります。この記事を書いているのは8月6日火曜日。室内の気温が29度。屋外は36度だそうです。
こういう季節に、毎日外を10km走るというような習慣を始めようというのは、さすがに無謀というものでしょう。普段から走っているならともかく、これから始めるような習慣ではないと常識的に思えます。
つまり、季節に応じて始めるにふさわしい習慣というものがあるはずなのです。
ここまでは、誰もが考える常識的な話です。そこで実際に何を選ぶかということを考えてみましょう。
季節にあったものを習慣化するとはかどりやすい
夏にお勧めなのは屋内での習慣化
今最も考えやすい夏の習慣について考えてみましょう。
人によって様々あると思いますが、私はこの季節、かなり早朝に起きて、読書をします。これは夏の習慣として、私がいちばん気に入っています。
まず、知っている人は知っているのですが、夏の朝は非常に「お得感」があります。なぜなら、かなり早くても非常に明るいからです。
朝の5時の明るさは、季節によってかなりの違いがありますが、夏頃であれば冬場の午前9時頃と同じくらいの明るさになります。
朝9時だとしたら、自分だけの空間でゆっくり読書できるというのはかなり贅沢でしょう。たまっているウェブ記事を読んだりするのもいいですね。
本来多くの人は満員電車の中か、オフィスで仕事をしている時間だと思います。
また、真夏の朝ならクーラーがなくてもやり過ごせます。まだそこまで暑苦しくなる前だからです。
昼間は手のかからないことを習慣化する
朝方の読書は快適ですが、一方で昼になると何もかもが辛い時間になります。
特にパソコンを使ってネットサーフィンすると、外気だけでなく、パソコンの排気熱によって部屋がすぐ暑くなるものです。
夏というのはいろんな意味で、行動を制限されがちになります。
そんな時にオススメなのが翌朝読むものを整理していく作業です。それもできるだけ手間がかからないように、スマホだけでできるようなものがいいでしょう。
例えば、ウェブ記事を簡単にクリップできるアプリ(筆者のオススメはInstapaperやEvernoteなど)に手軽にためていくのがいいでしょう。
ここがしっかり習慣化できていると、翌朝記事を読むのが楽しみになっていきます。
運動にも夏らしい工夫を
読書や記事クリップよりも運動を習慣化したい方もいらっしゃると思いますが、運動らしい運動は避けたほうがいいかもしれません。読書くらいなら過ごしやすい朝ですが、運動をするとなると話は別です。30分も外を歩くだけで、ほとんどの人が汗だくになるでしょう。
それでも運動をしたいなら、泳ぐことを取り入れてみるといいかもしれません。
最近のスマートウォッチは水泳にも対応しているものが多いです。驚くほど心拍数が普段と変わるのを目の当たりにできて面白いですよ。
また、カロリー消費も自動で計算してくれるので、目で見た効果にうれしくなると思います。真夏のジョギングに比べれば、真夏のプールは楽なものです。でもジョギングほどではないにせよ、運動量は短時間でけっこう期待できます。
多くの人があまり指摘しませんが、スマートウオッチの登場以来、なんといっても記録しやすくなったのが水泳です。プールでの記録というのは、専属コーチでもいないと、めったにつける気がしません。かといってプールサイドにスマホを置きっぱなしにしておいたりすると、置き引きが心配です。
その点腕時計はいいものです。
ただ、公共施設などではスマートウォッチをつけたままプールに入ることを禁止しているケースもありますので、よくチェックしてから持ち込むようにしましょう。
季節に合わせて今習慣化したいものをアレンジしてみよう
今回は季節に合わせて夏に習慣化しやすい読書や水泳を取り上げてみました。
これと同様に、秋には秋、冬には冬にあった習慣があります。ぜひ、季節を考えつつ自分が習慣化したいものを考えてみてください。
ちょっとした工夫を取り入れるだけで、簡単に身につく場合もあります。ぜひ試してみてください。
著者プロフィール
■佐々木正悟(ささき・しょうご)
心理学ジャーナリスト。「ライフハック」の第一人者。専門は認知心理学。1997年獨協大学を卒業後、ドコモサービスに入社。2001年米アヴィラ大学心理学科に留学。04年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。05年帰国以来、「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求し続けている。
著書にベストセラーとなった『ビジネスハックス』『スピードハックス』などのハックシリーズ(日本実業出版)のほか、『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(中経出版)、『やめられなくなる、小さな習慣』(ソーテック社)などがある。