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2019.08.09

夏の不快な痒みは「汗疹」かも!?原因と対処を学んで快適な夏に!

kencom編集部

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夏になって急に気温が高くなると吹き出てくるのが汗です。汗は身体を冷やすためには欠かせない人体の機能の一つですが、時に思わぬ痒みを招くことも。
いわゆる「汗疹(あせも)」と言われるこの皮疹、夏になると出てくるとは知っているものの、詳しく理解している人はほとんどいないのではないでしょうか。
夏に起きる汗疹の基本から治療について、kencomの監修医である石原藤樹先生に伺いました。

なぜ痒くなるのか?汗疹のメカニズム

汗疹とはどんな疾患?

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夏になるとできやすい汗疹ですが、この原因は汗腺・汗管の詰まりによって起きる疾患です。
高温多湿である夏場は体温が上昇しやすく、その分汗も出やすい環境といえるでしょう。この出た汗をそのまま放っておくと、汚れやほこりが汗の出口である汗孔に詰まりふさがってしまいます。
結果、出るはずだった汗が汗腺・汗管に残ってしまい、汗に含まれるミネラルなどが周辺の組織を刺激して炎症を起こすのです。

汗疹は、どちらかというと子供がかかる病気のように思われていますが、これは肌の表面積の違いによるものです。
人間には約230万の汗腺があるとされており、この数は大人も子供も変わりません。
身体の小さな子供は大人に比べて肌に対する汗腺の密度が高いため、汗疹が発生しやすいわけです。

首回りや脇、膝裏など乾きにくい場所で起きやすい

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汗疹ができやすい原因として考えられるのは、夏場の高温多湿の環境で仕事や運動が続いた時のほか、発熱性の病気などでの大量発汗時、通気性の悪い衣服を着用時など、汗がたまり、乾きにくい環境が作られた時が多いです。

同様の理由から、汗疹ができやすいのも汗が乾きにくい場所になります。
例えば髪の毛に覆われている頭や首周り、脇の下や膝裏・肘内側などはできやすいでしょう。女性の場合、乳房の下にもできやすいと言われています。
これらの部位は、汗が乾きにくいだけでなく、皮膚が擦れ合って刺激を受けやすい場所でもあるためと考えられます。

汗疹と侮ると「とびひ」になることも

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軽く見られがちな汗疹ですが、痒みが酷いとひっかいて皮膚を傷つけてしまい、細菌感染を起こす場合もあります。
これは「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」、別名「とびひ」と言われる病気です。
傷ついた皮膚にブドウ球菌や溶血性連鎖球菌などがつくと起こる病気で、患部を触った手で他の部分を触ることで、さらに広がってしまう可能性があります。
こうなると、抗菌薬などを使用して治療をしなければならなくなります。

また、アトピー体質の方や乾燥肌など皮膚に何らかの問題がある場合は、少しでも汗をかくと汗疹になりやすい傾向があり、それに伴いアトピーの方もやや重症化する可能性があるようです。
痒みが強い場合には、早めに対処したほうがいいでしょう。

汗との付き合い方を考えて、汗疹を予防・治療しよう

汗への早めの対処が汗疹の治療・予防に

汗疹は汗をかきすぎることで起きやすい病気です。そのため、最も簡単な治療方法は汗へのしっかりしたケアになります。
汗へのケアをしっかり行えば、予防にもつながります。
具体的には、下のようなことをしてみましょう。

①冷房を活用して汗をかき続けない環境を作る

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まずは自分自身でコントロールできる部屋の温度から始めてみましょう。
例えば部屋では冷房や扇風機を使うなどして、高温多湿の環境を避けるようにしてください。1日中汗をかき続ける環境にいると、それだけ汗腺が詰まりやすくなる可能性は上がります。
少なくとも、室温が外気と同じレベルまで上がるようなことはないように、しっかりとエアコンを活用しましょう。

②汗をかいたら拭き取るかシャワーを

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汗をかいたまま放置すると、皮膚の表面に汗に含まれるミネラルがたまったり、ほこりなどの汚れがついたままになりがちです。そうすると、汗の通り道もふさがりやすく、汗疹ができやすい環境となります。
汗をかいたら、可能な限りシャワーを浴びるなどして洗い流すようにしましょう。
職場などで難しい場合は拭き取るだけでも効果的です。
例えば少し濡らしたタオルで拭う、市販の制汗シートなどで拭き取るだけでも十分です。

その際に注意したいのが、ゴシゴシとこすらないこと。肌に強い刺激を与えると炎症は起こりやすくなります。

③汗で濡れた衣類は着替える

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上記と同様、汗をそのまま放置すると汗疹の原因になります。これは衣類についたままでも同じです。
そこで、清潔な衣類に小まめに着替えるのも有効です。全て着替えるのは難しい方は下着やインナーシャツを替えるところから始めてみましょう。
清潔で乾いた衣類に変わると、サッパリもするので、気持ちよく過ごせますよ。

④市販のかゆみ止めを使うなら保湿を

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時々、かゆいからと市販のかゆみ止めを塗って対応しようとする方がいますが、あまりお勧めできません。
特に虫刺され系のかゆみ止めにはメントールなど肌を刺激する成分が含まれているため、余計悪化するケースもあります。

それならば、シャワー後などに保湿剤を塗って肌の乾燥を防ぎましょう。肌は潤った状態のほうがベストコンディションに近いもの。肌へのバリア効果も高まるので、その分汗疹にもかかりにくくなります。
べたつくのが嫌な方は、ベビーパウダーを使うと潤いが逃げにくくなりますし、サラサラな状態になります。

どうしてもかゆい場合は病院受診を

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汗疹は上記4つの方法をしっかり行っていれば1週間程度で落ち着いてきます。
それでも悪化している場合には、体質に合っていないか、他の皮膚炎の可能性もあります。
そんな時には遠慮なく病院を頼りましょう。

かゆみがとれない場合はステロイド系の塗り薬を出して、抑えるケースもあります。
とにかく自己診断せずに、病院を頼るようにしましょう。

原因を知って汗疹を賢く防ごう

汗疹は原因がしっかり分かっているだけに、セルフケアによって予防も対処も可能です。
まずはしっかり対策し、それでも難しい場合は億劫がらずに病院に頼りましょう。
案外拍子抜けするほど簡単に解決することもあります。

自分に何が起こっているのかをしっかり把握して、賢くケアするようにしましょう。

石原藤樹(いしはら・ふじき)先生

1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。2015年8月六号通り診療所を退職し、北品川藤クリニックを開設、院長に就任。著書に「誰も教えてくれなかったくすりの始め方・やめ方-ガイドラインと文献と臨床知に学ぶ-」(総合医学社)などがある。
・略歴
東京医科大学地域医療指導教授/日本プライマリ・ケア連合学会会員/医師会認定産業医/医師会認定スポーツ医/日本糖尿病協会療養指導医/認知症サポート医
・発表論文
-Differential metabolic requirement for initiation and augmentation of insulin release by glucose: a study with rat pancreatic islets. Journal of Endocrinology(1994)143, 497-503
-Role of Adrenal Androgens in the Development of Arteriosclerosis as Judged by Pulse Wave Velocity and Calcification of the Aorta. Cardiology(1992)80,332-338
-Role of Dehydroepiandrosterone and Dehydroepiandrosterone Sulfate for the Maintenance of Axillary Hair in Women. Horm. Metab.Res.(1993)25,34-36

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