メニュー

2019.08.07

30歳以上は一度は検査を! 肝がん原因1位のC型肝炎とは

kencom公式ライター:森下千佳

記事画像

記事画像

ーC型肝炎は、かつて輸血をした人が感染する病気ー
そんな風に思っていませんか? でも、もしあなたが30歳以上なら、実は知らないうちに感染している可能性が十分にあります。

注射器の使い回しが正式に禁止されたのは1988年。つまり、それ以前に生まれた多くの方にとっては他人事ではない病気です。放置すれば、肝がんに進むこともある怖いC型肝炎ウイルス。
病気の症状や最新治療法などを、肝臓の専門家・島田昌彦先生(銀座しまだ内科クリニック理事長)に伺いました。

島田昌彦(しまだ・まさひこ)先生

記事画像

医学博士。銀座しまだ内科クリニック(東京都中央区)院長。
金沢医科大学卒業後、東京女子医科大学消化器内科にて非アルコール性脂肪肝炎を研究。その後金沢医科大学准講師、東京女子医大八千代医療センター消化器内科などを経て現職。日本肝臓学会 専門医・指導医。

過去の病気ではない!今こそ知っておきたいC型肝炎

肝がんの最大の原因 C型肝炎とは?

出典:日本肝癌研究会.第19回全国原発性肝癌追跡調査報告(2006〜2007),2014を一部編集・改編

出典:日本肝癌研究会.第19回全国原発性肝癌追跡調査報告(2006〜2007),2014を一部編集・改編

C型肝炎は、読んで字のごとくC型肝炎ウイルスに感染することで起こる病気です。日本でC型肝炎ウイルスに感染している人は多く、100万人〜200万人と言われています。ただ、ウイルスに感染しても気がつかない人がほとんどで、医療機関を受診している方はおよそ37万人にすぎません。

しかし、慢性肝炎からさらに肝硬変、肝がんへと進行することもあるので、放っておくと非常に危険です。肝がんの60%以上は、今でもC型肝炎ウイルスが原因です。

着実に肝臓を蝕む 怖いC型肝炎ウイルス

記事画像

恐ろしいことにC型肝炎ウイルスは一度感染すると約70%が治癒することなく、一生涯にわたって体内に感染しつづけ、正常な肝臓をむしばみ、20~30年をかけて着実に急性肝炎→慢性肝炎→肝硬変へと悪化させ、また高い確率で肝がんを発生させます。
もしC型肝炎ウイルスに感染した場合には早期に治療を受け、C型肝炎ウイルスを体内から排除しなければいけません。

自覚症状がないC型肝炎

記事画像

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれていて、C型肝炎に感染しても自覚症状がないことが多く見逃されがちです。では、これまで感染はどうやって発見されているのでしょうか?

多くの経緯は、偶然の血液検査です。たまたま受診した医療機関や健康診断で受けた血液検査によって、肝機能障害を発見され、その後の精密検査で診断されることがほとんどです。

だるい、疲れやすい・・・実はC型肝炎が原因かも?

記事画像

自覚症状がないとお話ししましたが、C型肝炎を治療した患者さんからはよく「食事が美味しくなった」「元気になった」「疲れにくくなった」などの感想を伺います。慢性化するので気がつきにくいですが、C型肝炎は、だるさや、慢性疲労、食欲不振などの体の不調につながっているので、そういった症状を感じる時は、一度検査を受けることをお勧めします。

記事画像

感染経路は様々

C型肝炎ウイルスは血液を介して感染します。普通の日常生活をしている中ではほとんど感染することはありません。しかし、かつては注射器の使い回しなどの医療機器による感染、輸血、出産時の母子感染などで感染が広がったと考えられています。

現在は、注射器、輸血、母子感染ともに対策が行われているためほとんど心配する必要はありませんが、注射器の使い回しは1988年1月に厚生省(当時)が正式に禁止の通知を出すまで行われていた可能性があります。そのため、30歳以上の日本人およそ9000万人は注射器の使い回しによる感染が否定できません。また、C型肝炎ウイルスはB型肝炎ウイルスより感染力は弱く、性交渉や体液で感染することはほとんどありません。

最近では、ピアスの道具やカミソリの共用などによる感染も見られるため、一生に1回は検査することをお勧めします。

記事画像

リスクがあるなら即検査、治療へ!

リスクチェックをしてみると、当てはまったと言う方が殆どではないでしょうか?
知らないうちに感染し、知らないうちに重症化する恐ろしいC型肝炎。しかし、早期に発見すれば、飲み薬だけで99%以上が完治できます。
次の記事では、C型肝炎最新治療法と、お手軽な検査方法をお伝えします。

■今や薬で完治!?C型肝炎の詳しい治療法はこちらから

著者プロフィール

■森下千佳(もりした・ちか)
お茶の水女子大学理学部卒。2000年に東海テレビ放送に入社し、主に報道記者として事件、事故を取材制作。女性ならではの目線で取材先の言葉や見過ごされがちな出来事を引き出す事を得意とする。2009年に家族の転勤で、ニューヨークに渡り4年間移住。当時日本ではなかなか手に入らなかったオーガニックのベビー商品、コスメなどを日本に届けるベンチャー起業を立ち上げに関わる。2013年帰国し翌年に女児を出産。2016年より子宮頸がん検診の啓発活動と健康教育を手掛ける一般社団法人の理事を務める。2019年よりフリーのエディターとして、主に女性と子供の健康、子育てに関する取材、発信している。