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2019.07.12

どうして歳をとると痩せにくいのか?知っておきたい代謝の話

KenCoM編集部

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若い頃は食べても太らなかったのに、40歳を過ぎたあたりからなんだかお腹がたるんできたような。
それ、代謝が低下しているせいかもしれません。
身体を動かすのに必要なエネルギーが年々下がっていくって知ってましたか?
この記事で基本をしっかり学びましょう。

年を重ねるごとに身体の中は変わっていく

加齢で下がる基礎代謝

本人の意識では、若い頃とそんなに変わっていない感覚があるかもしれませんが、実は身体の中ではジワリジワリと変化が起きています。
具体的には脂肪がつきやすい身体になっているのです。これは心臓を動かしたり、体温を維持したりなど、生きていくために絶対に必要なエネルギーである「基礎代謝量」が低下してくるため。
基礎代謝は1日の消費エネルギーの7割以上も占めているため、これが低下すると、摂取したエネルギーを使い切らずに溜め込むことになるのです。

出典:厚生労働省,「日本人の食事摂取基準 2015年度版」を抜粋・改編

出典:厚生労働省,「日本人の食事摂取基準 2015年度版」を抜粋・改編

これは男女問わず、誰しもに起こること。20代の基礎代謝量に比べて、50代になった頃には10%以上も低下すると言われています。
若い頃から食べる量が変わっていないなら、その10%分が身体に蓄えられてしまう可能性があるわけです。

減った基礎代謝をどう考えるかが大事

基礎代謝量が減っても体重や体型を維持したい場合、どうしたらいいのでしょう。
大きく分けて、食と運動の2つの方法が考えられます。
これはどちらかをやれば良いと言う話ではなく、両方とも取り入れるのがベストです。

食べる質を変える

ますは食について。単純に考えれば、年々減っていく基礎代謝量に合わせて摂取エネルギーを減らせば余ることはありません。
ただし、何も考えずに食べる総量を減らしてしまうと、代謝に大きく関わる筋肉まで減らしてしまうことにつながったり、栄養素不足から体調を崩してしまう場合があります。

結果、さらに代謝が落ちたり、栄養価の高いものを食べることでリバウンドにつながる悪循環にはまってしまうのです。
これを防ぐためには、低カロリー、高タンパク質の食材を選び、ビタミン・ミネラルなどの必須栄養素をしっかりと摂ることが大事になります。
例えば、和食で言えば一汁三菜。洋食でもサラダを必ずつけて、その分パンやご飯を気持ち減らすだけでも変わってきます。
常にバランスの良さを考えて食べるようにしてみましょう。

運動で基礎代謝をあげる

もう一つの方法が、基礎代謝が減った分を取り返すために、筋肉量を増やしたり運動量を増やす方法です。
年齢によって落ちる基礎代謝量の多くは、内臓機能などの低下のほか、筋肉量の低下が原因であると言われています。

※体重70kgで体脂肪率が約 20%の男性を想定。

出典:糸川嘉則ほか 編,「栄養学総論 改定第3版」南江堂, 141-164, 2006.を抜粋・改編

※体重70kgで体脂肪率が約 20%の男性を想定。 出典:糸川嘉則ほか 編,「栄養学総論 改定第3版」南江堂, 141-164, 2006.を抜粋・改編

実際、何もしていないと年をとるごとに筋肉量は減ってくるもの。
そこで取り入れたいのが、自体重を用いた軽い筋力トレーニングと有酸素運動です。
今までの筋肉量を維持し続けるという意味では、自分の体重を使った筋力トレーニングでも十分な筋肉をつけることができます。
また、軽い有酸素運動を取り入れることで、増えた分のエネルギーを消費も可能です。

ポイントはあまり無理をしないこと。1日10分でいいので、運動をプラスしてみてください。
それだけでもまずは十分です。

楽しく続けることが基礎代謝アップのコツ

こう書くとなかなか難しいと思う方も多いかと思います。そこで心がけて欲しいのが楽しむこと。
痩せるためにしていると考えるのではなく、食事の内容選びや運動を、ゲームや遊び感覚で始めてみるのがいいでしょう。

さらに習慣化も大事なポイント。定期的に行って、生活の一部にできるようにしましょう。

参考文献

厚生労働省,「日本人の食事摂取基準 2015年度版」第一出版, 2015

糸川嘉則ほか 編,「栄養学総論 改定第3版」南江堂, 141-164, 2006.

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