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2019.07.25

全生活を習慣にするとこんな感じに!【習慣の心理学#25】

KenCoM公式:心理学ジャーナリスト・佐々木正悟

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実際に多くのことを習慣化するとどうなるのか。なかなか気になるワードですが、それを実践しているのが、本連載の著者である心理学ジャーナリストの佐々木正悟さんです。
今回はちょっと趣向を変えて、佐々木さんの習慣タスクを公開してもらいました。
かなり特殊に感じるかもしれませんが、エッセンスを学ぶつもりで一緒に見ていきましょう!

全てを習慣化するとこうなる実例:佐々木さんの場合

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細かい事柄も全て習慣化する

こちらは私の朝のほんの一部のリストですが、ここに5:10の起床に始まって、だいたい6:30頃にシャワーを浴びるまでの「習慣」があります。
この中には読者さんにとって習慣と呼べるようなものもあれば、そうはとても思えないようなものもあるでしょう。でも私にとってはすべてが「習慣」なのです。
たとえば「歯磨き」などについて「そんなの簡単にできるじゃないか」と思われるかもしれませんが、習慣が簡単にできてはいけないという法はありません。
それに、なぜか人によっては「歯磨きの習慣ができない」場合もあります。
なにが簡単で、なにが習慣化しにくいかは、とても個人差があって、一概には言えないのです。

私の中で5:10に起きるというようなのは、じつに簡単な習慣です。早起きが難しいという人にしてみれば、これをどうやって習慣化するのかと思われるでしょう。
逆に私にしてみると、意外に難しいのが「庭の手入れ」です。ついサボりたくなります。特に雨の日などは。しかし、これが確実にやれるのは、散歩とシャワーを浴びる間のタイミングででやるからです。
このあともずっと「習慣リスト」が続きます。1つ1つの行動は、そのすべてが習慣です。食事をすることもそうですし、散歩するのもそうです。

習慣化には意外と順番が大事

そして、このリストを見ながら、上から習慣を実行していくこともまた習慣です。この点は、何度強調してもしたりないくらいです。歯を磨いてから散歩に行くのと、散歩に行ってから歯を磨くのとでは、違う習慣になってしまうのです。

順番は、デリケートな問題を含みます。下手な動き方をしてしまうと、時間が足りなくなったり、体を痛めたり、家族の人から文句を言われたり、ろくなことになりません。時間が足りなくなると、急いで失敗したり、小さな怪我をしたりして、その気持ちをまぎらわせるためにSNSに走ったりする。
そうして習慣のいくつかを実行できずに終わり、一日の流れの中でやれるはずの習慣をすべて実践するという「習慣」が崩壊してしまいます。

こういう流れがあってこそ、いま書いているこの原稿を書くというこれまた「習慣」をきちんと実行することができるわけです。
私は何ら特別なところのある人間ではないし、それほど実行が難しいことはできなくなりがちです。
「歯磨きなど簡単」だというのであれば、それは習慣化されているからです。その調子で、なにもかもを簡単にしてしまうことが、何かを継続して実行する上で、いちばんいい方法なのです。

実は一番簡単なのは、全てを習慣化すること

一番簡単なのは、すべてを習慣化することです。
ついでに、習慣化すること自体も習慣化してしまうことです。

そのようにすれば、ちょっと難しそうなことであっても、難しくはなくなります。

著者プロフィール

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■佐々木正悟(ささき・しょうご)
心理学ジャーナリスト。「ライフハック」の第一人者。専門は認知心理学。1997年獨協大学を卒業後、ドコモサービスに入社。2001年米アヴィラ大学心理学科に留学。04年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。05年帰国以来、「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求し続けている。
著書にベストセラーとなった『ビジネスハックス』『スピードハックス』などのハックシリーズ(日本実業出版)のほか、『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(中経出版)、『やめられなくなる、小さな習慣』(ソーテック社)などがある。

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