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2019.06.25

伊東純也が説く「速く走れるたった3つのコツ」|家の中でできる超簡単な練習メニューを紹介

東洋経済オンライン

プロサッカー選手の伊東純也氏が、足が速くなる方法を教えます(写真:YsPhoto/PIXTA)

参照元:https://toyokeizai.net/articles/-/287618?utm_source=deschl&utm_medium=http&utm_campaign=link_back&utm_content=article

プロサッカー選手の伊東純也氏が、足が速くなる方法を教えます(写真:YsPhoto/PIXTA)

「足が速くなりたい」――。子どもの頃こんなふうに思ったり、自分の子どもに言われたりしたことはありませんか? どうしたら速く走れるようになるのでしょうか。サッカー選手・伊東純也氏の著書『子どもの足がどんどん速くなる』を一部抜粋し再構成のうえお届けします。

「足が遅いから、体育がどうも苦手」「いつもビリで、みんなに笑われる」と、足が遅いことに悩みを抱えているお子さんは少なくありません。

たかがかけっこ、されどかけっこ。足が遅いことだけで自信を失い、運動が苦手になってしまう。それが人間関係などにも影響してしまうお子さんもいるようです。とてももったいないことです。

しかし、足が遅いことですべてに自信がなくなってしまうということは、足さえ速くなればすべてに自信が出てくるということ。「自分は生まれつき足が遅いんだ……」と思い込んでいるお子さんは多いですが、そんなことはありません。実はいくつかの簡単なポイントを押さえれば、足は速くなるのです。

欠点だらけの僕が速く走れる理由

僕自身は幼い頃から、足の速さはいつもトップクラスでした。所属したサッカーチームでも、今と同じように右サイドを全力で駆け抜け、敵を置き去りにしていました。とはいえ、誰かに走り方を教わった経験はありません。フォームは我流。自分で見ても、決してスマートではありません。

これは、体が硬いからかもしれません。前屈しても指先がちょっと地面に触れるくらいなのです。体の硬さに加えて、もう1つ苦手なのが野菜です。今はそれなりに克服しましたが、子どもの頃は野菜が一切食べられず、母を困らせていました。

欠点だらけの僕の足が速いのは、なぜだろう――。自分のプレー映像を見ながら考えていたとき、ある点に気づきました。

・ももを高く上げていない

・腕を90度に曲げて振っていない

・フォームなんて気にしたことがない

陸上の定説をご存じの方なら、「何をバカなことを」と言うかもしれません。でも、僕は実際に速く走れているのです。ここからは、伊東純也流の「速く走るコツ」を3つに分けて順を追って説明したいと思います。

1. ももは「高く上げる」のではなく「ひざを前に出す」が正解

一生懸命走っているけど、全然スピードが出ない。そんなお子さんは、ももを高く上げて走ることを強く意識している傾向があるようです。

確かに「かけっこではもも上げが大事」と言われます。しかし実は、そんなにももを高く上げる必要はありません。ももを上げすぎると上体が反り返ってしまい、むしろスピードが出なくなってしまうことがあるのです。

正しいももの高さは、「ももを上げる」のではなく「ひざを前に出す」イメージで、足の形が“く”の字になるくらいが適切。こうすると上体が反り返ることなく、体が前へ前へと進んでいきます。

この正しいももの高さを身につけるメニューが、「30秒片足立ち」です。

片足立ちになり、上げた足で“く”の字をつくり、腕は走っているときの形にして、30秒静止する。とても簡単。これを左右両足3セットやるだけで、正しいももの高さが身につくのです。

正しい腕振り

2. 腕振りは肩甲骨を意識して「ひじパンチ」

ももの次は、正しい腕振りについて見ていきましょう。運動会では「しっかり腕を振って走りなさい」などとアドバイスしてしまうお父さん、お母さんが多いようです。

しかし、そのことを意識するあまり、ひじから先を左右に振ったり、太鼓をたたくように腕を上下に動かしたりしているのを見ることが多いです。一生懸命、腕を振っても、これではスピードは出ません。

この課題は、意識をちょっと変えるだけで解決します。「腕を振る」のではなく、肩甲骨を意識して「ひじでうしろにパンチする」。これで十分です。肩甲骨を意識することで、肩から腕が振れるようになり、推進力が増していきます。

この正しい腕振りが身につくメニューが、「ひじパンチ」です。お子さんのうしろに立って、15秒間、すばやく手のひらにひじを打ちつけるように腕振りをさせてください。これを3セットやりましょう。

この練習は、もちろん1人でも可能。勉強の合間やテレビを見ている最中など、いつでもどこでもできますよね。

3. スタートは前に倒れていく勢いで

ももと腕の動かし方を学んだ次は、スタートについて。速く走るためにはスタートが肝心です。スタートをうまく切れるかどうかで、結果はかなり左右されます。

このスタートの感覚を身につけるメニューが「おやじドーン」。まず子どもの前に立ちます。お子さんは前に立っている人に向かってスーっと頭から倒れていって、その勢いで足を出し、相手を押していきます。

このメニューをやることで、正しい前傾姿勢から「ドン!」と飛び出していく感覚が身につけられます。

これで速く走るために必要なポイントがマスターできました。「たったこれだけ?」と思われるかもしれませんが、これで十分です。足の遅い子ほど、短期間で効果が出るでしょう。

しかもどれも家の中でできるメニューなので、夜遅くても、雨が降っていても大丈夫。日常生活の中で、気軽にやってみてください。

「やればできる」経験を積む

僕はこれまで、サッカーがうまくなりたい、負けたくないという気持ちだけで、がむしゃらに走ってきました。それでも1つだけ、確信をもって伝えられることがあります。

それは「速く走れると、絶対にいいことがある」ということです。なによりも足の速さを最大限に生かしたプレーで、日本代表まで駆け上がり、海外でプレーする機会も得られた僕のキャリアが、そのことを物語っています。


『子どもの足がどんどん速くなる』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

満員のスタジアムで大歓声を浴びながら、大好きなサッカーができる。ゴールを決めて、サポーターやチームメイトのみんなと喜びを分かち合う。それはすべて、足が速いおかげなのです。

足が速くなると、夢への扉が開かれます。それはスポーツに限ったことではありません。「苦手だったかけっこが速くなった」「これまでよりも速く走れた」。

かけっこを通じて壁を乗り越え、「やればできる」を体験したお子さんは、スポーツにも、勉強にも、人間関係にも、積極的に取り組むことができるようになるかもしれません。

ぜひ休日や帰宅後のちょっとした時間に一緒に練習して、「やればできる」経験をお子さんにさせてあげてください。

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伊東 純也:プロサッカー選手

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