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2019.06.24

「恐妻家」が「愛妻家」に変身するための方法|「怖い、うるさい、わからない」から逃げない

東洋経済オンライン

夫婦生活を円満にしていくために、妻の本音をきちんと理解して行動しましょう(写真:xiangta/PIXTA)

参照元:https://toyokeizai.net/articles/-/286975?utm_source=deschl&utm_medium=http&utm_campaign=link_back&utm_content=article

夫婦生活を円満にしていくために、妻の本音をきちんと理解して行動しましょう(写真:xiangta/PIXTA)

「事実婚」「別居婚」「週末婚」と、結婚のカタチが多様化してきている昨今、“夫婦のカタチ”も変化してきているのが実情です。「亭主関白」という言葉や概念は、今では死語になりつつあり、幸せな結婚生活のためには、むしろ「恐妻家」や「かかあ天下」のほうがうまくいくという時代の流れになってきています。

近年、「恐妻家」と名乗るタレントや芸人が、バラエティ番組などで妻の恐妻ぶりを暴露したり、ネタにしたりして人気を集めています。恐妻家とは、妻に頭が上がらない夫や、妻を恐れている夫を指す言葉です。しかし、彼らが妻の恐妻ぶりや悪妻ぶりをいくら暴露しても、なぜか楽しそうで微笑ましく感じるという人も少なくないのではないでしょうか。その影響もあり、恐妻家のイメージは「文句を言いつつも妻を愛してやまない」という、実は「愛妻家」という印象が高まっているように感じます。

そこで今回は、このたび『心が折れそうな夫のためのモラハラ妻解決BOOK』を上梓した高草木陽光氏が、自称「恐妻家」だという2名に、恐妻家としての心得や本音を聞いた。

言い方がキツイ妻、完璧主義の妻

「結婚16年目に突入しました。今はお互いに成長したのかケンカは減りましたが、ここまでくるのにいろいろありましたよ。妻は高校の時の同級生なので、お互いに何でも知っている気になっていましたが、それが間違いだったと気付いたんです」。そう語るのは、医療機器メーカー勤務の木村健太さん(42歳・仮名)。

「僕は、結婚して5年です。妻は2つ年下なんですが、僕より威張っています(笑)。昨年息子が生まれてからは、今まで以上に強くなって、毎日妻から育児と家事についての厳しい指導を受けています」。そう言いつつ幸せを隠しきれない熊田圭さん(仮名)は、不動産会社勤務の35歳。

――奥様の恐妻ぶりを教えてください。

木村:うちの妻は、とにかく言葉が乱暴なんです。まるで男同士で話をしているみたいな感じです。私も妻も地方出身なので、もともと言葉遣いは上品ではありませんでしたが、もう少しソフトな話し方や言い方ができないものかと、いつも妻の言葉遣いにはカチンときていましたね。

それから、掃除なんか昔から大雑把なわりに、私がトイレの電気を消し忘れたときや、便座を下げ忘れたときなどは、その都度指摘されて責められます。逆に私が妻に注意すると、もっともらしい言い訳をして逃げられます。

――言葉が乱暴とのことですが、例えばどんなふうに言われるのですか?

木村:「仕事を言い訳にするんじゃねーよ」「アンタだけが忙しいと思ったら大間違いだ」とか「肉ばっかり食ってるからデブなんだよ」とか……。

――確かにキツイですね(笑)。もう少し違った言い回しで言ってもらえたら、木村さんも素直に受け止めることができそうですよね。

木村:そうなんです。ただ、言っていることは正論も多いので、言い方を工夫してもらえたら、私もイライラしなくて済むのにと思いますね。

熊田:うちの奥さんは、完璧主義なんです。とにかく、自分が“こう”と思ったことはやらないと気が済まないタイプだし、行動も早いので、僕みたいにのんびりしている人を見るとイライラするみたいです。

「何度も言わせないで」とか「頼まれたらすぐに動いて」とか、いつも注意されています。

――でも、家事や育児を積極的に頑張っているので、奥様も助かっているのではないですか?

熊田:自分では頑張っているつもりなんですが、毎日ダメ出しばかりです。帰宅したらすぐに子どもをお風呂に入れて、その後の寝かしつけも僕がするのですが、いつも夕飯も食べずに子どもと一緒に寝てしまうんです。

そうすると、せっかく妻が作ってくれた食事が冷めてしまい、また妻をガッカリさせてしまうのです。

先日は、「1日中、誰とも話をすることもなく、子どもと2人きりでいる私の気持ち、あなたにわかる?」と言われました。

――それに対してどのように応えたのですか?

熊田:「わかるよ」と応えても「じゃあ、何がわかるのか言ってみて」と言われそうだし、「わからない」と応えたら、もっと怒られそうだと思ったので「ゴメン」と一言だけ言いました。

でも、「貴方は、いつもゴメンの一言で済ませようとする」と言われてしまい、今でもどうしたらいいのかわかりません。

木村:わかる! そういうこと、うちもあります。妻にとって何が“正解”かわからないので、夫の立場としては本当に困るんですよね。

――そういうとき、女性も自分のなかで必ずしも正解が用意されているわけではないんです。ただただ共感してほしいという気持ちのほうが強いかも。

木村・熊田:そうなんですね……。

「夫婦の危機」は、こうして乗り越えた

――ところで、今までに「夫婦の危機」と感じる出来事はありましたか?

木村:子どもが小さかった頃は何度もありました。保育園に通う子どもが熱を出したときなど、迎えに行くのはいつも妻だったので「仕事に集中できないし、信用もなくなる」とキレられたときがあって……当たり前のように「じゃあ、仕事辞めるなり、変えるなりすれば?」って言ってしまったんです。

そのときは2週間くらい口をきいてもらえなくて「離婚しようか?」と言われてしまいました。

熊田:僕は昨年ありました。子どもが生まれてから初めてうちの両親が自宅に来たときです。

妻は前日から、うちの父が好きな日本酒を準備したり料理の下ごしらえをしたりしていました。僕は、「何も気を遣う必要はないから」と言って、当日も慌ただしくしている妻に「いいから早く座りなよ」と気遣ったつもりで言ったんです。そしたら急に機嫌が悪くなって、両親が帰ってからものすごい剣幕で怒られました。

でも、どうして怒っているのか僕にはピンとこなくて……。

翌日、実家に帰ってしまい、1週間以上戻ってきませんでした。

――どうやってその危機を乗り越えたのですか?

木村:離婚はしたくなかったので、妻が言った言葉の裏にある気持ちを冷静に考えました。

「仕事に集中できないし、信用もなくなる」と言うことは、言い換えれば「仕事に集中したい、信用を失いたくない」という気持ちです。謝罪をしてから、その願いを叶えるための改善策を提案し、一緒に話し合いました。

そして、私ができるときは子どものお迎えも行くようにし、帰宅後も妻のサポートを心がけるようにしました。

おかげで現在も連携プレーが定着しているので、大きなケンカはなくなりました。

熊田:僕は、考えても妻の気持ちがわからなかったので、ストレートに聞きました。もっと妻の気持ちを理解したいと思ったからです。

妻は、「いい妻」「頑張っている妻」をアピールして、うちの両親を安心させたかったみたいなんです。でも、それを僕が遮っているように感じたようです。僕としては、いつもどおりの妻で十分なんですが、そんなふうに考えていたなんて健気だなと思うと同時に、わかりにくいな〜とも感じました。

「恐妻家」が「愛妻家」になるまで

――恐妻家として心がけていることはありますか?

木村:うちの妻は言葉も荒いし、我も強いので、そのときの言い方や態度にこちらが巻き込まれてしまうと簡単にケンカになります。

巻き込まれないために、妻の“本質”を思い出すようにしています。言葉や態度はキツイけれど、根は優しくて根性もあるし、何事にも一生懸命だから私にキツくなるのかな……と思うと言い返したり反発したりする気持ちもなくなります。むりやり女性らしい言葉遣いを求めて妻が変わったとしても、それは“妻らしさ”を奪ってしまうことになりますしね。


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熊田:僕が心がけていることは単純ですが、話を聴くということです。何気ない話をしたり聞いたりしていると、自分では考えもしなかった面白い価値観に出会えたり、妻の意外な一面を知ったりできるので、夫や父親としてだけでなく、人間的にも成長できると感じます。

それと、木村さんが言うように「妻は、こういう性格だから」と、もっと広い目で本質を見て理解を深めることで、“強い妻”との共存がスムーズになると思います。

恐妻家が「愛妻家」と言われる所以は、「怖い」「うるさい」「わからない」「面倒くさい」を放置せず、真正面から向き合うことを怠らない姿勢にあるのかもしれません。

夫婦のどちらかが我慢している状態は、いずれ何らかの問題として表面化します。鉄は熱いうちに打ちましょう。

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高草木 陽光:夫婦問題カウンセラー、HaRuカウンセリングオフィス代表

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