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2019.07.11

忙しい時ほど、新しい習慣を身につけやすい【習慣の心理学#23】

KenCoM公式:心理学ジャーナリスト・佐々木正悟

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何かを習慣化したい時、誰しも思うのが「もっと時間があればなあ」ということです。
特に英語や資格の勉強などをしたいと思っている人ほどその傾向は強いかもしれません。ですが、実は時間がない方がこれらを習慣化するには良かったりします。
その方法を今回はご紹介しましょう。

「時間がない!」を力に変える方法とは?

時間がある方が、習慣化は難しい

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習慣化するにあたって、気をつけたいことはたくさんありますが、意外と見落とされがちなのが

時間が豊富にあると、むしろ習慣化は難しくなる

という事実です。
ひどく逆説的なのですが、こういう話はたくさんあります。
理由ははっきりとふたつあります。

(1) 時間がたくさんあるとハードルを上げてしまう
(2) 時間がたくさんあるとなにをするかで迷う

それぞれ見ていきましょう。

(1)時間があるとハードルを上げてしまう

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これは、時間がない人の習慣化が成功しやすい理由の、ちょうど裏側の理由です。

時間がない、とてつもなく忙しい。でも英語の勉強をしよう。
そういう人の場合、それこそ1日5分の英会話とかで、現実主義に徹するしかありません。実際忙しいのですから、あれやこれやとはできないのです。また、できなくても達成感はあります。
考えてみてください。

5分の英会話をした後、会社に行って、一日中猛烈に働き、その後も家事や育児に追われるなどという人であれば、「5分しかできなかった」と考える余裕がないのです。
逆に、5分の勉強をした後、二度寝して、それからゆっくり食事して、とできる人の場合には、5分の勉強がものすごく些末なことのように考えてしまいそうです。

でもどちらも5分の勉強です。つまり、人はどうしても、何の価値でも相対的に見てしまうのです。

(2) 時間がたくさんあるとなにをするかで迷う

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このようなことも、よく起こりがちです。
1日中時間があるのなら、英語の勉強の他にも、部屋の掃除もしたいし、新しいアプリも試したい。そういうことになります。ひとつのことだけを選ぶべき、はっきりした理由が見つけられないのです。

私自身、比較的忙しい時期ですと、連載の原稿も、書籍の原稿も書いた上で、テニスに行ったりできるという不思議な感覚を持っていました。

これが、今日は珍しく2時間くらい余裕があるという日になると、書籍の原稿も連載原稿も書いた上に、簡単にブログぐらい書けそうに思えますが、意外と連載の原稿すら仕上げられず、一日が終わるのです。

これはけっこう驚くべきことです。
よく言われるとおり、時間があるということがすべてではないわけです。

忙しい時こそ、ちょっとしたことを習慣化するチャンス

(1)と(2)の対策としては、そもそも忙しい人であればうまくいくということになるのです。
これは忙しい中で、習慣化にも励みたいという人にしてみれば、朗報ではないかと思います。

反対に、暇な人だとすればどうしたら習慣化できるのか。
私が思うに、時間をなくしていけばいいのです。人と会う予定をどんどん入れたり、ちょっとした頼まれごとをどんどん引き受けていって、習慣化したいことにたくさんの時間を割くことが、そもそもできない状態に身を置けばいいのです。

そうやって時間を無くしたら、バーティカルの手帳などを使って、いかに自分が忙しく時間がないかを自分自身で確認し、思い知らせるのです。
そうすれば、無理な習慣化に手を出さないので、自然とハードルを下げるでしょうし、それでもなお、朝活や、ジョギングや、英語の勉強ができたら、大きな達成感を実感できるでしょう。

忙しいなら、新しい習慣を始めてみよう!

これらの話を学べば、時間がないことを言い訳にするのはもったいないと感じるかもしれません。
何しろ、時間がない方がほんの少しの努力で習慣化しやすいのですから。

ぜひ忙しい方こそ、最初の一歩を踏み出してみてください。

■もっと習慣化する方法が知りたい方はこちらからどうぞ!

著者プロフィール

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■佐々木正悟(ささき・しょうご)
心理学ジャーナリスト。「ライフハック」の第一人者。専門は認知心理学。1997年獨協大学を卒業後、ドコモサービスに入社。2001年米アヴィラ大学心理学科に留学。04年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。05年帰国以来、「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求し続けている。
著書にベストセラーとなった『ビジネスハックス』『スピードハックス』などのハックシリーズ(日本実業出版)のほか、『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(中経出版)、『やめられなくなる、小さな習慣』(ソーテック社)などがある。

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