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2019.07.23

夏本番に向けバテない身体はハーブでつくろう【フィトテラピーの基本 vol.7】

KenCoM公式:メディカル フィトテラピスト・南上夕佳

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病気と健康との間で、ちょっとした不調を抱えていて健康ではない状態をさす「未病」。そんな未病な状態から、少しでも快適に過ごせるようにしようというのが本連載「フィトセラピーの基本」になります。
年々なんだか暑くなる日が早くなっている気がする昨今、バテるのも早くなっている人が多いそうです。
気怠い感じが続くと、だんだんと仕事や私生活でのやる気も失われてきますよね。
今回は、セルフで夏バテ対策する方法を、南上さんに伺います。

夏バテは自律神経を整えることで落ち着いてくる

全身の疲労感、食欲がない、眠りが浅いなど夏バテの症状はさまざま。
すべて暑いのが原因だと思っていませんか?
実は身体には、健やかに過ごすために自律神経が調整役として働いていて、この自律神経の乱れからも夏バテの不調が起こると言われています。

自分の意思とは関係なく、自律して身体の機能をコントロールする自律神経は、交感神経と副交感神経の2つに分けられます。
交感神経は主に身体を活発に動かすときに働き、副交感神経は身体を休めるときに働きます。
これらが互いにバランスを取りながら、身体を調整しているのです。このバランスが崩れるとだるさ、眠れない、疲れがとれない、頭痛、動機や息切れ、めまい、のぼせ、立ちくらみ、下痢や便秘、冷えなどの状態に現れることがあります。また情緒不安定、イライラや不安感、うつなど心の状態を不安定にすることもあるのです。

気温差が自律神経に影響を与えることも

この自律神経の乱れを引き起こすものは、ストレスや不規則な生活などと言われていますが室内と外との温度差も自律神経の乱れを引き起こす刺激の1つ。

夏場はできるだけ室内の冷房で身体を冷やしすぎないように、室温や羽織りものなどで調整するようにするだけでも自律神経のケアになります。
また、深呼吸や香りによってもバランスを調整できるのでうまく活用しましょう。

気持ちもほぐれるマッサージも活用しましょう

深呼吸とあわせて簡単なストレッチを行うことで自律神経に働きかけるのもよいでしょう。その際にアロマを利用して、香りから自律神経にアプローチするとさらに効果的です。
やり方は簡単なので、ぜひ試してみてください。

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やり方

①ベルガモット、イランイラン、オレンジ、ラベンダーの精油をホホバ油などのキャリアオイルに希釈してオイルを作ります。(10mlのキャリアオイルにそれぞれ1滴づつ合計4滴)
②そのオイルを胸元に塗ります。
③大きく息を吸い込み手を上にのばし、息をゆっくり吐きながらからだを傾けて体側を伸ばします。
④腕をうしろに組んで胸を広げて、顔をななめ45度にあげて深呼吸を繰り返します。

身体の温度をできるだけ一定に保つホットドリンク活用法

冷たい飲み物や食べ物のとり過ぎも身体を冷やす一因になります。できれば常温か温かい飲み物がおすすめです。
その中でもフィトテラピーでは、血管を拡張したり血流を促す作用のある赤ぶどう葉やイチョウ葉のハーブティーがこの時期おすすめとしています。身体の内側からポカポカするので、冷房によるお腹や手足の冷えにも効果的です。
おおさじ1杯を200~250ccのお湯で抽出したハーブティーを1日2~3回に分けて飲むのがおすすめ。

特に赤ぶどう葉はポリフェノールが豊富で、酸化対策として夏の紫外線の多い時期に積極的に取り入れたいですね。またシナモンも血行促進の作用があり、飲み物やおやつにふりかけるだけなので、手軽でおすすめです。

身体の疲れをとる食材で内から元気に

食事内容に気をつけるのも夏バテ対策になります。例えば筋肉や神経の疲れを和らげる栄養素と言われているのがビタミンB1です。
ビタミンB1はアリシンという成分と組み合わさることで、相乗効果があがるので献立の中に組み合わせて取り入れましょう。

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またクエン酸も疲労回復にはかかせない栄養素として良くしられています。
こまめに飲む水分にレモンやグレープフルーツを絞ってみたり、
1日一つ梅干などを採るのもいいですね。

・クエン酸を含む食べ物
レモン、グレープフルーツ、オレンジ、梅干しなど

日々のケアで楽しく暑い夏を乗り切りましょう!

毎日のストレッチや、飲み物などで手軽にできる夏バテ対策はいかがでしたか?
クーラーが欠かせないからこそ、少しづつのケアをして夏を快適に過ごしましょう。

※フィトテラピーやアロマテラピーは医療行為ではありません。疾病を治す目的でのご利用はお控えください。

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著者プロフィール

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南上夕佳(なんじょう ゆか)
AMPP マスターフィトテラピスト、ルボア フィトテラピースクール副代表
体調を崩したことをきっかけに、中目黒にある本場フランスのフィトテラピーが学べるルボア フィトテラピースクールの門を叩く。現在は、スクールでレッスンを担当しながら数々の企業とコラボレーションし、セミナーやカウンセリングを行う。フィトテラピー発想のコスメブランド“アンティームオーガニック”ではブランドインストラクターも務める。著書に「自然ぐすり生活」(ワニブックス)。