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2019.06.12

相手との距離をスッと縮める人の"絶妙な言動"|ノートPCを真正面に置かないほうがいい理由

東洋経済オンライン

会議や打ち合わせの際、ノートパソコンはどのように置いていますか? ちょっとしたことで相手との距離がぐっと縮まるテクニックを紹介(写真:Kazpon/PIXTA)

参照元:https://toyokeizai.net/articles/-/284816?utm_source=deschl&utm_medium=http&utm_campaign=link_back&utm_content=article

会議や打ち合わせの際、ノートパソコンはどのように置いていますか? ちょっとしたことで相手との距離がぐっと縮まるテクニックを紹介(写真:Kazpon/PIXTA)

相手との距離を縮めたいと思っているのに、縮まらない――。そう感じたことがある人は少なくないのではないでしょうか。

いったい、どうしたらいいのか。長崎大学でスピーチやコミュニケーションについて教えており、『大人の伝え方ノート 一言で「人間関係」はガラッと変わる!』の著者である矢野香さんに、いつの間にか相手と信頼関係を築けるテクニックを紹介してもらいました。

こんにちは、矢野香です。NHKでキャスターを務めたのち、現在は大学教員として心理学、主に人から評価される話し方や、人の印象がどう決まるのか、などコミュニケーションについて研究しています。

良好な人間関係を築く「暗示」効果とは

ビジネスパーソンであれば「マナー研修」を受けたことがある方もいらっしゃるかもしれません。敬語はこう、姿勢はこうで、名刺交換はこんなふうにやって、と事細かく教えられ、苦手意識をもったという話も聞きます。

確かにそうしたマナーは覚えておくに越したことはありません。しかし、今教えてもらっているマナーは、本当にあなたの人間関係に望む結果をもたらしたでしょうか?

本当に大事なのは、実は「マナー以上の伝え方」なのです。

例えば、少しマナーが崩れていても、「なんか感じのいい人だな」「また会いたいな」と思わせる人もいれば、しっかりとマナーを守っていても、もうこれっきりという人もいます。敬語に気をつけながらお願いしているのに、なかなか受け入れてもらえない人もいれば、間違った敬語を使っているのに、簡単に相手のOKをもらう人もいます。

この差は何でしょう?

そこには、心理学でいう「暗示」が影響しています。心理学では、言葉や表情が相手の無意識に「暗示」として伝わり、その後の人間関係に影響を与えることがわかっています。

「なんか感じのいい人だな」と思わせる人、人間関係がうまくいっている人は、「暗示」をうまく使っています。

ここでは、とくに初対面の相手にも使える「暗示」の方法をご紹介します。

ノートパソコンは、斜めに使え

マナーの面から「手はひざの上に置くべき」と考えている方もいるかもしれません。しかし、相手に不信感を持たれないためには、「手は机の上」です。

「ひざの上」もしくは「机の下」など、相手から見えない場所に手があると、相手はあなたがそこで何をしているのかわかりません。大げさに言うと、銃社会であれば、武器を隠している可能性もあるわけです。

正解は、「手は机の上」に置くこと。それだけで「自分は隠し事をしていない」「積極的な姿勢」を暗に伝えることができます。それだけ早く相手と関係を深めることができるでしょう。

信頼感を抱かせるモノの使い方

相手との距離を縮めたいときにやってはいけないのは、自分と相手の間にモノを置くことです。

注意が必要なのは、ノートパソコン。今IT系の会社などでは当たり前にある場面かもしれませんが、ノートパソコンを相手と自分の間に置いて話を進めるケースです。この場合、相手と自分との間をノートパソコンで遮断してしまっています。これでは、相手との距離が縮まりにくくなります。

さらに、ノートパソコンの画面は相手から見えませんから不信感を抱かれてしまいやすいのです。思い当たることはないでしょうか。

ノートパソコンを使ってはいけないということではもちろんありません。そんなときは正面ではなく自分の少し斜め前に置いて、相手との間に何もない空間を確保します。相手からも画面が見えるような形で、パソコンを操作するとよいでしょう。

ノートは広げてとると、相手との関係が縮まる

信頼感をさらに高めたいなら、ノートを机の上に広げてメモをとりましょう。相手に見えるようにしてノートをとるのには、2つの利点があります。

① 何を書いているのかが見えると、相手が安心する

② パーソナルスペース(人の心理的なテリトリー)を広げる

ここでは②についてお伝えします。心理学では「パーソナルスペース」とは、「他人に近づかれると不快に感じる空間のこと」を指します。そして、パーソナルスペースは、あなたがモノを持ったときには、持っているモノの先がパーソナルスペースの境界地点となります。

心理学にはより近く、より多く繰り返し会った人に好感を持つという「単純接触効果」という法則があります。

「より近く」とはいえ、ビジネスではそれほど近くで話すことはないでしょう。机を挟んで向かい合う形が多いでしょう。

そんななかで「より近く」相手に近づくための道具がノートなのです。自分の身体とつながったモノ、例えば手に持ったノートを相手へ近づければ、より近くに接近したことになります。相手のパーソナルスペースへ入っていくことで、相手との心理的・身体的距離を縮めることができるのです。

とくに相手が異性の場合は、実際に距離を縮めづらいことが多いものです。ノートなどの物であれば、違和感なくパーソナルスペースに入れます。

信頼感を高め、よい印象を与える行動

なお、パーソナルスペースは、年齢や性別など人それぞれ違います。また同じ人でも環境によって変化していくものです。相手との距離を縮めたいなら、意識して相手の反応を見ておくとよいでしょう。

相手のパーソナルスペースに入りすぎているときは、必ず反応があります。ピクッとする、腕を組む、引いた姿勢になるなどです。何も反応がないのであれば、「もっと近づいていい」というサインです。

会う前から期待感を高める人が、アポイントのメールに添えること

相手との距離感を縮めたい場合には、姿勢を見せることも重要です。


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例えば仕事の面会であれば、事前に目を通したほうがよい資料などを確認すると、相手にあなたの真摯な姿勢や熱意が伝わります。

また、単に「当日はよろしくお願いいたします」と伝えるだけでなく、「目を通しておいたほうがよい資料があれば教えてください」「何か準備すべきことがあれば、ご連絡ください」など。これだけで、会う前から「しっかりした人だな」という印象にもなるでしょう。

事前に「ポジティブな引っかかり」をつくれば、相手にもあなたとの約束を大事なものとして受け止めてもらえるでしょう。

なお、忙しい営業担当者の方は、外からのメールを打つことがあればぜひ、

「移動中のため取り急ぎ失礼します」

「移動中のため取り急ぎお返事まで」

といった一言を添えましょう。

このようなちょっとしたことで、相手に丁寧な印象をもってもらうことができ、信頼感も高まります。ぜひ試してみてください。

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矢野 香:国立大学法人長崎大学准教授。スピーチコンサルタント

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