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2019.06.20

習慣の成果が感じられない?そんな時はさらに条件を足してみよう!【習慣の心理学#20】

KenCoM公式:心理学ジャーナリスト・佐々木正悟

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何かを習慣化したいと思った時に、わりと挫折しやすい理由に「なんだか成果が見えない」というのがあると思います。
実際、自分がやっていることが目に見えて進捗していないと、意欲は落ちやすいものです。
ただし、取り返す方法はしっかりと存在しています。今回はそれについてご紹介していきましょう。

成果が見えない時にはあえて新しい習慣をかけ合わせる

人は習慣の「成果」を忘れてしまいがち

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以前ここの連載でもご紹介しましたし、私の本の中でもよく述べられていることですが、習慣には少なくとも2つの捉え方があります。
具体的には
1.習慣によって結果を出したい
2.習慣それ自体を目的にしたい
になります。
毎日散歩をするという習慣も、1のように、それによって健康を手に入れたいというケースもあれば、2のようにそもそも散歩自体が楽しいという場合もあるわけです。
1の場合は割と成果がはっきりしていますから比較的続けやすいでしょう。一方で「成果を手に入れるための習慣」つまり2の場合には、そもそも「成果」をはっきりさせ、それを記録しておくくらいは必要となります。
そうでないと、成果が出ているのかどうかがわからなくなりますし、そもそも何の成果を目指した習慣なのかがすぐにわからなくなります。散歩で言えば、「ダイエットのために1日1回散歩をする」など、成果として何を求めているのかを明確にする必要があります。
そんなことないだろうとお思いかもしれませんが、事実です。人は忘れやすい生き物なのです。

習慣化の成果は痩せること?走ること?

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他の例でも考えてみましょう。「痩せるために毎日ジョギングする」という場合は、少なくとも始める前の体重と、なぜ痩せるために「ジョギング」を選択して、他の、たとえば筋力トレーニングなどを選択しなかったかを書いておくことが大事です。

そうしないと、毎日走っていてもなかなか痩せないことにそのうち不安を覚えてくるでしょう。そうこうするうちに真夏になったりすれば、「こんな中を走るくらいなら、食事制限で痩せるようにしよう」というように変わってしまうのです。
ある意味それはそれでかまわないわけですが、これは

・本当は痩せたいのか
・本当は走りたいのか

が自分でわからなくなってしまった結果と言えるでしょう。わからなくなっていくウチに、うやむやになって挫折する。そういうふうにして習慣化は挫折するモノなのです。

挫折しそうな習慣に新たな成果を加えよう!

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というわけでやっぱり「記録が大事」みたいな話になりましたが、今回はもう一つ追加しておきたい話があります。それは元々の習慣に、新しく成果を目指す行為を追加するとうまくいくということです。

当たり前といえば当たり前ですが、その効果の大きさは意外とバカにできません。
私は、時間がない中で読書したいと思っていたので、朝早く起きたら、一番最初に1ページでいいから本を読む、ということを習慣化しています。目指す「成果」はもちろん一定量の本を読むことです。
しかし、起き抜けにどんなに頑張って本を読んでみても、実際の読書量はまったく変わりませんでした。これはちょっと残念でした。
起き抜けに本を読むのですから、読書の習慣はつくはずだったのです。現に最初のうちはうまくいっていました。ところが朝はけっこう忙しく、ウォーキングをしたり、朝食の準備をしたりするのにかまけているうちに、本を読めなくなっていったのです。

そこで、たんに起き抜けに読書をするのではなく、『朝読書は絶対にKindleで行う』と変更しました。すると、一気に読書量が増えたのです。

少しの変化で成果が大きくもたらされることも

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新たにKindleを使うという習慣を朝読書に加えただけなのに、なぜこのような変化が生まれたのでしょうか。
一番のポイントは、Kindleでの読書が朝の忙しい時間にマッチしていたというところでしょう。実際、このデバイスはとても軽いので、起き抜けの元気のないときでも簡単に持っていられるという利点があります。しかも、しおりを挟んだり、開いておいたりしなくても「続きから」読めるので、ボーッとした寝起きの状態でもすぐに読書に集中することができたわけです。

これは、どうってことのない話のようですがそうではありません。
実際私はこれで、トルストイの『戦争と平和』や、『サピエンス全史』など、分厚くてなかなか手がつけられなかった本をkindleで立て続けに読破できました。
実際に本を使っての読書なら、寝起きにはヘビーすぎて挫折していたかもしれません。

これらができたのは、Kindleを使って読むという習慣をプラスした結果と言えるでしょう。

すぐに正解にたどり着かなくても、焦らずに続けてみよう

習慣化はこのように、ひとつの習慣だけの効果がはっきりしない場合でも、ちゃんと役に立っているということがよくあります。ですので、いろいろと掛け合わせてみましょう。方程式のように、すぐに正解にたどり着けはしないかもしれません。
しかし、効果の上がる掛け合わせを見つけ出すことができると、つらい習慣にとてもポジティブな面を見いだすことにつながります。

報酬が大きければ、人はかなり大変なことでも続けられるモノです。

■『習慣の心理学』の他記事はこちら

著者プロフィール

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■ささき・しょうご
心理学ジャーナリスト。「ライフハック」の第一人者。専門は認知心理学。1997年獨協大学を卒業後、ドコモサービスに入社。2001年米アヴィラ大学心理学科に留学。04年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。05年帰国以来、「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求し続けている。
著書にベストセラーとなった『ビジネスハックス』『スピードハックス』などのハックシリーズ(日本実業出版)のほか、『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(中経出版)、『やめられなくなる、小さな習慣』(ソーテック社)などがある。

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