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2019.05.21

せっかく歩くなら気をつけたい、運動強度の話

kencom編集部

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歩活期間中の今、この機会に、ダイエットを始めてみようという方も多いかもしれません。また、昨今よく言われている、仕事の効率アップや思考力上昇などの「歩く効果」を期待している方もいらっしゃるでしょう。
今回は、それらを考える上で押さえておきたい、運動強度の話をご紹介します。

主観だけでも十分!運動強度はこう測ろう

「歩きの効果」を得るためにはある程度の強度が必要

最近の米メリーランド大学の研究(※1)では、わずか30分の有酸素運動によって記憶力が高まったという結果が明らかになっています。
この研究によると、脳の活性化には中強度の運動を行うことがカギであるとされていますから、その基準を満たすような歩き方を行えば、体感できるかどうかは置いておいて、ある程度効果を享受できるはずです。
一般的に有酸素トレーニングは全身持久力の指標である最大酸素摂取量(VO2MAX)で測定されます。これでいうと中強度のトレーニングは70%程度です。
また、ダイエットに比較的有効と言われている有酸素運度の強度は、中強度であるVO2MAXの60〜70%と言われています。頭にも、身体にもいい運動をしたいなら、まずはVO2MAXの60〜70%程度の運動を心がけるのが良さそうです。

では、このVO2MAXを測るにはどんな方法があるのでしょうか?

正確に測るには施設での測定が有効

最も簡単で正確な方法は、専門機関で測定してもらうことです。
横浜市などのスポーツ医科学センターや東京体育館といった公立の施設では、VO2MAXを測定してくれるサービスが存在しています。
(※東京体育館は東京オリンピックに向けた準備のため、2021年1月まで利用できません)
これらの施設では、酸素マスクをした状態でトレッドミルやフィットネスサイクルなどを使用し、一定期間運動することで測定します。

また、最近の心拍/脈拍を測定できるスポーツ機器には、VO2MAXを推測して出してくれる機能があります。
これらをすでにお持ちなら、ぜひご自身の最大酸素摂取量を確認してから運動を始めましょう。

また、最大酸素摂取量が推定できなくても、心拍数から推定することも可能です。
下記表から推測してみるといいでしょう。

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何も使わず測るなら、RPEを活用しよう!

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軽い運動をしたいだけなのに、測りに行ったり、新しく物を買うのはいやだ! とお思いの方も多いと思います。
そこで活用したいのが、自覚的運動強度(Rating of Perceived exertion = RPE)を活用する方法です。
これは、自分にとって物足りない運動を6〜7点、非常にきつい運動を19点とした時に、行なっている運動がどれくらいかを主観的に判断するための基準になります。
この指標のいいところは、評価した数字を10倍すると、ほぼ心拍数と同じになるという点です。

この採点基準で、だいたい13〜14点くらいと思えるレベルの速歩が最大酸素摂取量の70%程度になります。
これは、速歩中に隣の人に2〜3言話しながら歩ける程度の運動量です。そう考えると、よりイメージがつけやすいのではないでしょうか?

自分の感覚を生かしつつ、効果的に運動しよう!

ちょっとハードルが高い速歩ですが、歩活期間を通して行なってみれば、ダイエットでも仕事効率の上昇でも効果を多少実感できるところまでいけるはずです。
お金もかかりませんし、ぜひ今日から取り組んでみましょう!

■速歩やインターバル速歩のやり方はこちらから

参考文献

伊藤朗著『図説・運動生理学入門』医歯薬出版,1990

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