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2019.05.17

「なんだかモヤモヤが続く」5月病はこう解消しよう!

KenCoM公式:臨床心理士・小室愛枝

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新年度が始まって1ヵ月。ながーい連休になんだか会社や学校に行きたくない、はたまたモヤモヤが続いて集中できないなんてことはありませんか?
これは俗に『5月病』といわれるもの。しっかりした病気とは捉えられていませんが、不快な状態が続くので、早めに解消したいものです。
ここでは、臨床心理士の小室愛枝さんに、手軽にできる解消法を伺いました。

モヤモヤは気持ちの切り替えで対策しよう!

新しい環境で頑張りすぎが一因かも

こんにちは。
臨床心理士の小室愛枝です。

長かったGWが明け、そろそろ日常生活に戻りつつあるでしょうか。

5月は『5月病』という言葉もあり、心身の調子を崩しやすい時期として知られていますね。最近では不調が遅れて現れてくる人も増え『6月病』という言葉も出てきました。
新たに進学をした、就職をした、という人や、人事異動で新たな職場になった、環境が変わった、仕事が変わった……いろいろな方がいると思います。

そういった変化がなくても、新年度はなんとなくやる気が出たり、特に今年は『令和』という新しい時代を迎え、最初は意気揚々とがんばっていた方も多かったかもしれません。

でも、いざGWを過ぎると、だんだんとやる気が出なくなったり、なんだか食欲がなくなってきたり、疲れがとれなくなってきたり……
この間まであんなに意欲に満ちていたのに、すっかり気力がなくなってしまって、何をしていても楽しくない、気が乗らないな……

という状態に陥る方も少なくないかもしれません。

誰でもそうですが、最初からめいっぱい走ってがんばり続けていると、息切れを起こしやすくなります。

頑張りすぎな視線を外す簡単な方法

そうならないために(そうなりそうなときも)、頑張りすぎな気持ちや視線を、ちょっとだけ外す方法を考えてみましょう。
例えば、こんな感じはどうでしょうか?

●『まあまあ』を目指す

気持ち新たにやる気にみなぎっているときでも、最初から完璧を目指さず、7〜8割程度の出来を目指すのがよさそうです。
誰でも最初からすべてうまくできるわけではありません。ギリギリの合格点でもよいのです。まあまあを目指すために下記のようなコツを心がけてみましょう

コツ1:何かあった時には『まぁいっか』と言ってみる
コツ2:掛け声は『ぼちぼち』

● 『元気なうちに少し休む』

これは意外とむずかしいという方もいるかもしれません。やる気にみなぎっているときは神経も興奮していて、自分では疲れを感じにくいものです。でも、ココロもカラダもアタマも着実に疲れていきます。疲れる前に休みを入れましょう。疲れていないと思っても、休憩する(休む)時間がとれるといいと思います。

コツ1:1日1回、15分間(できたら30分間)じっと目を閉じる(ゆっくり呼吸しながら)
コツ2:明日でもいいことは明日やる

「こんな小さなことでいいの?」と驚かれた方もいるかもしれませんが、大丈夫ですよ。
肩の力をフッと抜くクセをつけるだけでも、自分自身を休ませられることに繋がりますから。

ほかにも、自分なりの休み方があればそれをやってみるのもいいでしょう。
ソファでゴロゴロする、ぼーっとしながら好きなお茶・コーヒーを飲む、そんなこともよさそうです。
どんなときも、焦らずゆっくりを心がけられるといいですね。

ムリをしがちなこの季節こそ、息抜きが必要です

新しいことが始まるこの時期は、ついつい力が入ってしまって、ココロもカラダも疲れやすいものです。一瞬でもいいので、少しその力を抜いてあげるようにしましょうね。

もし、眠れない、お腹もすかない、何をしていてもちっとも楽しくない、などが続くようでしたら、一度心療内科などで専門家に相談してみましょう。
何かキッカケがつかめるかもしれませんよ。

著者プロフィール

■小室愛枝(こむろ・よしえ)
臨床心理士・特別支援教育士。早稲田大学で心理学を学んだのち渡米。ボストンで心理カウンセリングの修士号を取得後、帰国。医療・教育・福祉分野での勤務を経て、現在は大学の学生相談室、乳幼児の発達相談、小学校の巡回相談心理士、NPO法人らんふぁんぷらざ(発達に偏りを持つ子どもと家族のための支援機関)にて乳幼児から大人まで幅広い層の臨床を行っている。共訳著に『虐待・DV・トラウマにさらされた親子への支援――子どもー親心理療法――』(日本評論社)、『虐待・トラウマを受けた乳幼児の心理療法――発達と愛着の回復をめざして――』(日本評論社)がある。

(文/小室愛枝)

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