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2019.05.23

「新元号」の効果が続くうちに新しい事を始めよう!【習慣の心理学#16】

KenCoM公式:心理学ジャーナリスト・佐々木正悟

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新元号である「令和」が始まってはや1ヵ月が経ちます。そんなこと習慣化に関係ないじゃないかとお思いかもしれませんが、そんなことはありません。
早速その効果について、一緒に考えていきましょう。

出来事をキッカケに「小さい習慣」を始めてみよう

気持ちが改まる瞬間は物事を始めやすい

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平成最後の日に、この原稿を書いています。記事として公開されるころには、令和でしょう。
このようなときには、よほど意識を強くしていない限り、むしろ何かしらの心理的影響をこうむるものです。せっかくなのでポジティブに活用しましょう。

簡単な話です。「小さな習慣」をこのタイミングでものにしてしまうのです。気持ちも新たに、といいますが、気持ちが改まるには、ある程度環境が新しくなる必要があります。
新年や新学期に人々が期待を寄せるのは、ごく自然なことなのです。

新元号というのは、新年や新年度に比べても滅多に訪れるものではないため、新鮮さもひとしおですし、この機を逃して次に期待するというのも難しいでしょう。
(新年の誓いが失敗する理由のひとつに、300日ばかり待てばまたやってくるという気持ちがあると思っています)

ただ、新しい習慣と言っても「小さな」習慣でなければたぶん難しいでしょう。
習慣化というのは、本来的に難しいのです。なぜなら、そもそも私たちは習慣のかたまりですし、毎日同じことの繰り返しで生きていて、しかもその繰り返しには十分な合理性があるからです。
ようするに、すでに環境にマッチしてしまっているのです。現在の環境に適合する様々な習慣をすでに確立してしまっているのです。
それを気持ちを新たにしたくらいで改めるのは、難しい話だと直感的に理解できるでしょう。

でも、元号が変わります。つまり今までと何もかも同じではありませんから、何かを変えることは可能です。環境が実際に変わるからです。

ポイントは小さく始めること

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元号が変わると言っても、収入が変わるわけでも能力が高まるわけでもないので、大きく何かを変えるわけにはいかないでしょう。でも小さくなら変えられます。
たとえばこれを機に、5分早く起きるとか、10分早く寝るといったことなら恐らくできます。

あらゆるタイミングを捉え、徹底的に5分前行動を心がけるといったことも、恐らくできます。
たいしたことに思えないでしょうが、そもそも小さな習慣なのです。それに、いつもいつも5分前行動ができているということは、それほどたいしたことではないと思うでしょうが、周囲に与える印象としては小さくありません。

少なくとも、いつも約束の時間に5分遅れるのと、いつも5分前に着くのとではまるで違います。
でも、実際に変えるのは、わずか10分行動を早くするだけのことです。

わずか10分早く行動することですら、実は決して簡単ではないでしょう。でも「令和」になったばかりなら、そのくらいの気持ちになれるものです。

恩恵を受けられるのは短い!だから工夫しよう

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ただ、この種の心理的効果は、そんなに長く続くものではありません。一年も続くことはないでしょう。ですから、この機を逃さず新鮮なうちに、習慣化を確立してしまう必要があります。
そこで活用しやすいのがスマホやアプリなどのツールです。あなたにとって必要なツールを活用しましょう。

最も簡単なのは、スマホのカレンダーに予定を欠かさず入力し、開始予定を全部5分前にしてしまうというものでしょう。
最近のスマホには勝手にお知らせを飛ばしてくれる機能がついていますから、いつの間にか習慣化しやすいはずです。

あるいは、Apple Watchなどをお持ちであれば、時刻を5分前にあわせることもできます。このインターネット時代に、正確ではない時刻を表示できるという機能はなかなか貴重ですから、5分でなくても、活用してみて損はないです。

せっかくのキッカケを生かして習慣化を試みる

繰り返しになりますが、元号が変わるということはなかなか経験できないほどよいキッカケです。
これを機に、ほんの少しのことでいいので習慣化を試みてはどうでしょうか。
いえ、むしろ「小さい習慣」の方がより習慣化しやすいのは、もうこの読者の方々でしたらご理解いただけているでしょう。
ぜひ、この機会を生かして、ご自身の変化につなげてみてください。

■『習慣の心理学』の他記事はこちら

著者プロフィール

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■ささき・しょうご
心理学ジャーナリスト。「ライフハック」の第一人者。専門は認知心理学。1997年獨協大学を卒業後、ドコモサービスに入社。2001年米アヴィラ大学心理学科に留学。04年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。05年帰国以来、「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求し続けている。
著書にベストセラーとなった『ビジネスハックス』『スピードハックス』などのハックシリーズ(日本実業出版)のほか、『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(中経出版)、『やめられなくなる、小さな習慣』(ソーテック社)などがある。

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