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2019.05.15

眠気を覚ますだけじゃない、カフェインの意外な効能

MYCODEトピックス

カフェインの意外な効能についてご存知でしょうか?(写真:Shutterstock.com)

参照元:https://mycode.jp/topics/life/coffee/caffeine_effect.html

カフェインの意外な効能についてご存知でしょうか?(写真:Shutterstock.com)

カフェインに脂肪燃焼作用がある?

コーヒーなどに含まれるカフェインには、中枢神経の興奮・覚醒を促す作用があることは良く知られています。そのカフェインには、体脂肪を分解し、燃焼を促す効果もあることをご存知ですか?

ある研究によると、カフェイン(8mg/kg)入りのコーヒーを摂取した数時間後に血液中の脂肪量(遊離脂肪酸)が上昇し、優先的にエネルギー源として使われることが明らかになりました(※1)。よって、このタイミングでウォーキングやジョギングなどの有酸素運動(きつく感じない~すこしきつく感じる運動強度)をすると、より多くの脂肪が使われる可能性があります。

運動の増強にカフェインが一役買う?

カフェインは、脂肪の燃焼を促進するだけではなく、運動能力の増強にも関与していると考えられています。しかしながら、その作用についてはまだ解明できていない部分も大きく、さまざまな研究論文が出ています。今回は、バスケットボールのパフォーマンスとカフェインの代謝に関与する酵素であるCYP1A2の遺伝子に焦点を当てた論文を紹介します。

スペインの運動生理学研究所を始めとする研究グループは、19人のバスケットボール選手に3mg/kgでカフェインを摂取してもらい、1時間後にバスケットボールに関連する動きを測定しました。すると、いずれの選手もカフェインを摂取するとジャンプ力が向上したのですが、中でも、カフェイン代謝の速度に影響があるCYP1A2遺伝子の配列がAA型である人の方が、カフェインを摂取した際によりジャンプ力が上がることがわかりました。

しかしながら、そのほかのパフォーマンスについては大きな差は得られませんでした。カフェインの代謝速度が異なることで、運動能力の増強に大きな差が出るだろうと考えられていましたが、今回の3mg/kgの条件下では大きな差は得られませんでした。

運動に関する遺伝子型を調べてみよう

今回、大きな差は見られなかったものの、カフェインが運動能力の増強に影響を与えることは確認できました。また今回の研究で、カフェインによる運動能力の増強が見られない人がいることも明らかになり、今後は運動能力の増強の有無に焦点をあてた研究が進むことが期待されます(※2)。

今回の研究で使用されたのは3mg/kgのカフェイン。つまり体重60kgの人であれば180mgのカフェインということになります。インスタントコーヒー100mLの場合、カフェインは約60mg含まれているそうです。たくさんコーヒーを飲む必要はありますが、コーヒーを飲んで運動すれば、あなたの運動能力も少し向上するかもしれませんね。

MYCODE fumfumでは、「持久力」や「短距離選手に多い遺伝子型」など運動に関連する遺伝子型を調べることができます。気になる方はぜひ、チェックしてみてくださいね。


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監修者

認定遺伝カウンセラー 藤田和博先生

プロフィール:昭和大学藤が丘病院での先天異常、血液腫瘍の遺伝子・染色体検査の経験を生かし、現在は大東文化大学 スポーツ・健康科学部 健康科学科教授として臨床検査学教育と研究に従事。

参考文献

MYCODEトピックスでは、病気に関する情報から、ダイエット、生活習慣や健康に関する情報、そして遺伝子に関する情報など幅広い医療・健康情報をお届けします。

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