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2019.05.06

『怒り』と上手に付き合う方法を身につけよう!【ココロノセンタク#11】

KenCoM公式:臨床心理士・小室愛枝

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こんにちは。
臨床心理士の小室愛枝です。

新たな年度が始まり新緑のまぶしいなか、気分の爽やかな方もいれば、そうでない方もいると思います。
今日は『怒り』をテーマに一緒に考えていきましょう。

怒りは無理に抑えず、上手くつきあおう

まず怒りをなくすのは諦めよう

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『怒り』

一般的にはあまりいいイメージのない言葉でしょうか。でも『喜怒哀楽』のひとつにあるように、人の大切な感情の一部で、怒りの気持ちを抱くこと自体は自然なことです。
ただ、『怒りが強すぎて他のことに手がつかなくなる』、『自分の怒りを人にぶつけてしまう』というように、『怒りに振り回される』ようになると、自分も苦しくなります。怒りをぶつけた相手ともぎくしゃくしてしまいますね。
少しでも自分で怒りを消化したり、怒りに振り回されすぎないようにコントロールできたりすると、楽になれるかなぁと思います。
なんていうことは、みなさんアタマではよくわかっていますよね。じゃあどうしたらいいのか!?ということを考えてみましょう。

まず、『怒りの気持ちをなくす』のはあきらめましょう。怒りは自然な感情ですから、『怒るのはよくない!』と思うと、気持ちそのものの行き場がなくなって、それはそれでまた別の苦しみが生まれるかもしれません。
『怒らない』のではなく、『上手に怒りと付き合う』方法を目指したいと思います。怒っていても、それに振り回されなければいいのです。

まずは落ち着くことを最優先に

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そのためにできることのひとつは、まず、『落ち着く』ことです。落ち着くための方法はいくつかあります。『アタマを冷やす』とは昔からよく言ったもので、冷たい水を飲む、冷たい水で顔を洗う、顔がむずかしいときは手を洗う。そんなふうに『冷やす』と少し落ち着く効果があります。

また、副交感神経(これが優位だと気持ちがリラックスします)を働かせるために、以下の方法もおすすめです。

【深呼吸】

ゆ~っくり吐きながら、呼吸を意識して深呼吸をしてみましょう。3~5回くらい深呼吸を繰り返すといいと思います。

【数字を逆からカウント】

20から逆に、20, 19, 18……と0になるまで数えます。これも、ゆっくり行いましょう。

【手の運動】

手をぎゅ~っと握ってから(両手それぞれでグーをする)、パッと放し、手のひらにじ~んわりとした感覚があることを意識します。

自分のココロと対話するチャンスにも

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また、自分を理解するチャンスにもなりますので、自分のココロと対話するのもいいでしょう。『怒りの奥には悲しみがある』と言われています。どうして自分は怒っているのかな、何が悲しいのかな……自分のココロを『そっと』のぞいてみるのもいいかもしれません。

でも、自分のココロにもし鍵がかかっていて、のぞいてみようと思ってもうまく扉が開けられなかったら、無理はせず、そのままにしておきましょう。
鍵を壊して無理やりココロの中をのぞこうとすると、ココロが痛い思いをして傷ついてしまうかもしれませんので、『そっと』進めてみましょうね。

消えない怒りは、『クラウド保存』しておくのもいいかなと思います。手のひらにいっぱいに怒りをためて、ぎゅーっと握りしめて、パッと空に放ちます。
怒りを自分のココロの中にためるとすぐに怒りでいっぱいになってしまうかもしれませんが、空は広いから大丈夫。すぐに消えない怒りは、ちょっと空(雲)に保存しておきませんか?

専門家を頼るのも一つの手

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どうしても怒りが強すぎて、あれこれ全部試してもまったく何ひとつ改善されない場合もあります。
そんなときには、精神科・心療内科医や臨床心理士などの専門家のところに相談に行き、一緒に『怒りと上手に付き合う』方法を練習していくのもひとつの方法かなと思います。

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著者プロフィール

臨床心理士・特別支援教育士。早稲田大学で心理学を学んだのち渡米。ボストンで心理カウンセリングの修士号を取得後、帰国。医療・教育・福祉分野での勤務を経て、現在は大学の学生相談室、乳幼児の発達相談、小学校の巡回相談心理士、NPO法人らんふぁんぷらざ(発達に偏りを持つ子どもと家族のための支援機関)にて乳幼児から大人まで幅広い層の臨床を行っている。共訳著に『虐待・DV・トラウマにさらされた親子への支援――子どもー親心理療法――』(日本評論社)、『虐待・トラウマを受けた乳幼児の心理療法――発達と愛着の回復をめざして――』(日本評論社)がある。

(文/小室愛枝)