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2019.04.13

医師が警告!「内臓脂肪」に潜む怖い病気リスク|「がん、糖尿病、高血圧…」あなたは大丈夫?

東洋経済オンライン

内臓脂肪は放っておくと、とても危険!(写真:kai/PIXTA)

参照元:https://toyokeizai.net/articles/-/275761?utm_source=deschl&utm_medium=http&utm_campaign=link_back&utm_content=article

内臓脂肪は放っておくと、とても危険!(写真:kai/PIXTA)

内科、循環器科の専門医として、数多くの患者と日々接している医学博士の池谷敏郎氏。血管、血液、心臓などの循環器系のエキスパートとして『名医のTHE太鼓判!』などテレビにも多数出演しているが、過去15キロ以上の減量に成功し、56歳でも体脂肪率10.6%を誇ることはあまり知られていない。

このたび、その減量メソッドを全公開した新刊『50歳を過ぎても体脂肪率10%の名医が教える内臓脂肪を落とす最強メソッド)』を上梓した池谷氏に「放っておくと危険な内臓脂肪5つの健康リスク」について解説してもらう。

内臓脂肪は放っておくと、とても危険!


『50歳を過ぎても体脂肪率10%の名医が教える内臓脂肪を落とす最強メソッド』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

しかし、この中年体型から脱出したいと思っても、「運動する時間が取れない」「もう年なんだから、いまさら何をしても無駄……」と、何もしないで内臓脂肪をそのままにしてしまう人も少なくないと思います。

私は長年、血管、血液、心臓などの循環器系のエキスパートとして数多くの患者さんたちと接してきました。その患者さんにも「内臓脂肪を減らしていきましょう」とお話ししても、なかなか行動に移せない方が多くいました。

「太っている」だけで、ほかに体調が悪いわけではないことも、あまり気にしていない理由の1つになっていると思いますが、内臓脂肪は、そのままにしておくのは「とても怖い」のです。

内臓脂肪は、増えていくと「健康を害する」だけでなく、「命に関わる病気」に発展してしまう可能性もあるからです。中には、一見関係なさそうな症状でも、内臓脂肪と密接に関わっているものもあります。つまり、中年体型は、多くの病気に発展する危険性を持っているのです。

では、「内臓脂肪」が増えると、どのようなリスクがあるのでしょうか。「内臓脂肪」が原因の1つとされる健康リスクは数多くありますが、ここでは、放っておくと危険な「内臓脂肪5つのリスク」を紹介します。

まず、「内臓脂肪」が高める健康リスクの1つ目が「糖尿病」「高血糖」です。

放っておくと「心臓病」や「心筋梗塞」の可能性も

【1】「インスリン」の働きが弱まり「糖尿病」「高血糖」に

生活習慣病の「糖尿病」や、食後に血糖値が過剰に上昇する「食後高血糖」は、いずれも内臓脂肪によって引き起こされる可能性があります。

「インスリン」という、すい臓から分泌され血中の糖分(血糖)を全身の細胞に取り込むように働きかけて血糖値を下げるホルモンがありますが、内臓脂肪が増えると、この物質の働きが弱くなることがわかっています。

その理由の1つは、脂肪が蓄積されて大きくなった脂肪細胞から分泌される、生理活性物質「アディポサイトカイン」です。その中の「TNF-α」「レジスチン」がインスリンの働きを阻害する原因とされています。

インスリンの働きが悪くなると、「食後高血糖」が起き、体はさらなるインスリンを分泌しようとします。しかし、過剰となったインスリンは、血糖を下げようとするため、血糖値はジェットコースターのように上下します。

その結果、倦怠感や空腹感など起こり、運動不足や過食に陥りやすくなって内臓脂肪がさらに増えていきます。このような状態が長く続くと、やがてすい臓のインスリンを分泌する能力も限界に達してしまい、「糖尿病(2型糖尿病)」へと進んでしまうのです。

【2】「アディポサイトカイン」で「高血圧」や「動脈硬化」

インスリンの過剰分泌は「高血圧」を引き起こしてしまう可能性も高いです。一見あまり関係なさそうですが、過剰なインスリンは交感神経を刺激するなどから、高血圧を引き起こしてしまうかもしれないのです。

また、肥大した脂肪細胞から分泌される生理活性物質「アディポサイトカイン」には血管を収縮させる作用もあり、血圧を上げる一因となります。

さらに「アディポサイトカイン」の一種に「PAI-1(パイワン)」という物質があります。この物質は、内臓脂肪が増えると多く分泌されることがわかっており、増えると血液の塊である血栓ができやすくなり、「動脈硬化」や、その結果生じる血管事故の原因となります。

「高血圧」は放っておくと脳卒中や心臓病などになったり、「動脈硬化」は血管に血液が詰まって心筋梗塞、脳梗塞を起こしたりします。「内臓脂肪の蓄積」から突然死につながるような病気を引き起こすかもしれないのです。

次に、「内臓脂肪」が高める健康リスクの3つ目は「がん」です。

「食欲が止まらない」ことも「内臓脂肪」が原因

【3】内臓脂肪から「がん」化を促す物質が放出される

内臓脂肪と「がん」も、直接関係していないように見えますが、実は、内臓脂肪の蓄積はがんの発症リスクを高める可能性があるのす。

国際がん研究機関(IARC)では4万人以上を対象とした研究から、「内臓脂肪ががんの発症リスクを高める」と報告しています。

それによると、大腸がん、食道がん、胃がん、肝臓がん、胆のうがん、すい臓がん、子宮がん、卵巣がん、腎臓がん、乳がんと、10種類ものがんが対象になっているそうです。

内臓脂肪はさまざまな「炎症物質」を放出して、体の中で慢性の炎症を引き起こしますが、これががんの発症や進行に関係するといわれています。

近年とくに注目されているのは、内臓脂肪から放出される「FGF2」という物質です。この物質にがん化を促す作用があることが明らかになっています。

アメリカ国立衛生研究所(NIH)は「予防可能ながんの最大因子は喫煙だが、肥満はこれを追い越そうとしている」と発表しています。がん予防のためにも、内臓脂肪には注意が必要です。

【4】「食欲」の原因は「レプチン」の感受性低下

「太ってきているのは感じるけど、食欲が止まらない……」という人は少なくないと思います。実は、「内臓脂肪が増えれば増えるほど、食欲が抑えづらくなる」という困った現実があるのです。

その原因の1つに考えられるのが「レプチン」というホルモンです。これは脂肪細胞から放出されるホルモンで、脳の満腹中枢に対して「お腹いっぱい」のサインを送って食欲を抑制します。

普通は脂肪が増えると「レプチン」の放出量も増えるため、体重を適正に保つことができます。しかし内臓脂肪が増えすぎてしまうと、この「レプチン」に対する脳の感受性が低下する可能性があるのです。

「レプチン」の感受性が低下すると、お腹いっぱいになってもサインが送りにくくなり、食欲を抑えにくくなります。その結果、どんどん食べてしまい、さらに太りやすくなっていくという悪循環に陥ってしまう危険性があるのです。

このように、食欲にも内臓脂肪は大きく関わっています。

中年のお悩みの定番ともいえる「加齢臭」ですが、驚くべきことに、この加齢臭も内臓脂肪と関係しています。

【5】脂肪を多く含む「ノネナール」が「加齢臭」の原因

加齢臭の原因となるニオイは「ノネナール」という成分です。この成分は血中の脂肪(遊離脂肪酸)が分解されてできます。皮下脂肪に比べて内臓脂肪は分解されやすいのですが、内臓脂肪が多くなると血中の脂質が増えて「ノネナール」の量も増えることになります。

また、「ノネナール」は脂肪を多く含む「汗」にも含まれます。体脂肪の多い人は汗をかきやすいですが、その分、「ノネナール」が発生しやすいともいえます。

人間は年をとるだけでも「ノネナール」が分泌されやすくなります。男女の区別もありません。実は家庭や職場で、周囲に不快な思いをさせてしまっていても自分では気づいていないかもしれません。「スメルハラスメント」などと言われないためにも、内臓脂肪を減らすようにしましょう。

私は50歳から「内臓脂肪」を減らすことができた

体の中にたっぷりたまった「内臓脂肪」は、見た目がカッコ悪くなるだけではありません。それ以上に恐ろしいのは「健康を損ねる元凶となる」ことです。エネルギー源の1つとして大切な脂肪ですが、過剰にたまると病気になるリスクを高めてしまいます。

「こんな年齢だから……」と内臓脂肪が増えても何もしないでいるのは、とても危険です。

私も50歳からはじめて内臓脂肪を減らすことができました。いまからでも遅くありません。そして、年齢は関係ありません。

「見た目」だけでなく「健康」のためにも、内臓脂肪を減らす「正しい知識とコツ」を身に付け、実践してみてください。

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池谷 敏郎 : 医学博士/池谷医院院長

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