2019.04.18
知って活用しよう!ランニングとウォーキングでシューズが違うわけ
せっかく歩くなら歩きやすい靴を選びたいもの。
その選択肢の筆頭に来るのがやはりウォーキングシューズでしょう。しかし、実際ウォーキングシューズを手に取ってみると、ランニングシューズなど他のスポーツシューズとほぼ変わりなく見えます。
果たしてどんな違いがあるのか? この記事では、ウォーキングシューズの企画開発を担当してきたアシックスの古川滋与さんにお話を伺いました。
ウォーキングシューズの肝は、歩く動作に基づいた歩きやすさの設計にあり!
ここに技あり!ランニングシューズとウォーキングシューズ
画像提供:株式会社アシックス
ランニングシューズとウォーキングシューズは確かにパッとした見た目で似たものが多いケースもあります。ですが、よくよく見るとかなり違うことに気づくはずです。
まず1番の違いが機能の違いによる履き心地の差。
ランニングシューズはやはりスポーツに使うだけあって、激しい動きについてこれるフィット感が重視されています。
一方でウォーキングシューズは長く歩くことを想定し、出来るだけ足を守りつつ長時間快適に履き続けられるよう、ソフトなフィット感になるよう設計されています。
機能の差が素材の違いにも
画像提供:株式会社アシックス
求められる機能の違いにより、見た目や素材の面でも違いが出てきます。
アッパー(靴の上部)で言えば、ランニングシューズは運動量が多く汗もかきやすいという競技特性があるため、通気性に優れたメッシュ素材でできている場合が多いです。また、デザインも足の動かしやすさや軽量感を重視するためスポーティなものとなりがちです。
一方のウォーキングシューズはあくまで歩くという動作の延長なので、比較的自由な素材が選べます。ランニングシューズに近いメッシュ素材だけでなく、人工皮革から天然皮革まで素材の幅も広くなっています。デザインもスポーティなものからカジュアルなものまで幅広く、選択肢も多いでしょう。
画像提供:株式会社アシックス
もう一つ注目してもらいたいのがソール部分の違い。
一般的にランニングシューズはウォーキングシューズに比べてミッドソールが柔らかくなっています。また、着地の衝撃を少しでも緩衝するために、かかと部分が柔らかく作られているのです。
いっぽう、ウォーキングシューズは地面をしっかり捉えて、歩きやすいように、歩行時に必要なクッション性を保ちながら、着地時にぐらぐらしないように安定性にも配慮した設計になっています。
この差が耐久度の差にも繋がっています。
それぞれに耐久性が高まる素材を使用していますが、ランニングの方が運動が激しいため、同じ素材を使うと一般的にはランニングシューズの方がソールのすり減りなどは早くなります。
ランニングシューズで歩くとどうなる?
では、ランニングシューズを使ってウォーキングするとどんな弊害が出るのでしょうか。
1番の弊害は「足への負担」になります。
上述の通り、ランニングシューズは激しいスポーツに使用することを想定してミッドソールを柔らかくしたり、かかとのクッション性を高めたりしています。歩くときには、ソールが柔らかすぎると着地の不安定さに繋がってしまい、余計な筋肉を使う分、足に負担がかかってしまうのです。
ウォーキングシューズで走るとどうなる?
逆にウォーキングシューズをランニングに使用すると、足の故障の原因になりかねません。
硬めのソールによってかかとへの衝撃が緩衝されにくいからです。
やはり、行う競技にあったシューズを選ぶようにした方が、足の健康は保ちやすいでしょう。
行う競技に合わせてシューズを選ぼう!
一見同じように見えても、実は構造がかなり異なるランニングシューズとウォーキングシューズ。
もしも歩きを中心に行うなら、ウォーキングシューズを選ぶのが良いでしょう。
ただ、ウォーキングシューズには素材やデザインを含め、かなりバリエーションがあります。
果たして、どう選ぶのがいいのでしょうか?
気になる方は、下記のリンクから、靴の選び方・ケア方法を学んでみてくださいね。
■ウォーキングシューズの選び方・ケア方法はこちらの記事でチェック!
監修者プロフィール
■古川滋与(ふるかわしげよ)
ウォーキングシューズの企画、マーケティング担当。現在の所属:ウォーキング統括部カテゴリー戦略部戦略チーム。