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2019.04.12

時に歩きは走りに勝る!?歩行がもたらす『良い効果』とは

kencom編集部

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突然ですがみなさん、歩くなんて当たり前の動作、運動じゃないと思っていませんか?
実はそれとんでもない誤解なんです。歩きは走りに負けない良い効果をもたらす立派な運動なんです。
そんな歩きの魅力を知って、今日から歩き出しましょう!

比較してわかった!歩きと走りの健康効果

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すぐに始められる運動と言われて多くの人が思いつくのが『ランニング』ではないでしょうか?
そんなランニングと比較してウォーキングはどれだけの健康効果があるのかを検証してみました。
果たして、その結果やいかに。

VSダイエット

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歩くと走るなら、やっぱり走る方がダイエットに効きそうな気がします。ですが、続けやすいという面で考えると歩くのも捨てがたいところです。
実際にどうでしょうか?

運動強度を表すメッツという単位で比較してみると、

普通の歩行=3メッツ
ジョギング全般=7メッツ

と倍以上運動強度の差があります。これはカロリーに直しても同じです。60kgの人が1時間運動した場合、

普通の歩行=189kcal
ジョギング全般=441kcal

やはりジョギングは大きな負荷がかかる分、短い時間でもかなり高い効果を得られるようです。
ただ、一方で『歩き』は疲れにくため、長時間続けられるという利点があります。走れない分、倍の時間を散歩に使えば走るのと同じだけのカロリーを消費できますよ。

■METs(メッツ)の考え方はこちらの記事をどうぞ

VS生活習慣病対策

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ダイエットでは走りに一歩を譲った『歩き』ですが、こと生活習慣病予防では、走るよりも安全に効果を上げることができます。
下記のデータでもわかる通り、1日の歩数が増えるほどに血圧が正常値に近づいています。
これは歩きによって血管に適度な負荷がかかり、血流を改善したり血管そのものを強くできるからと言われています。

「ランニングでも血管は刺激できるじゃないか!」というのも真実ですが、ランニングの場合は心拍数が急上昇しやすいのが問題です。
血圧が高い状態などの場合で、心拍数が140を越えると、不整脈や狭心症のリスクが高まります。
この140という心拍数は、ランニングの場合、すぐにこのくらいは跳ね上がりがちです。
安全面も考慮に入れると、運動強度が比較的低い『歩き』の方が取り組みやすいでしょう。

平成12年第5時循環器疾患基礎調査の統計表,厚労省, http://www.mhlw.go.jp/toukei/kouhyo/indexkk_18_1.htmlを元に作成

平成12年第5時循環器疾患基礎調査の統計表,厚労省, http://www.mhlw.go.jp/toukei/kouhyo/indexkk_18_1.htmlを元に作成

VSケガリスク

上記の話に近いですが、ランニングに比べて『歩き』は日常動作である分、怪我のリスクが低いのも魅力的です。
今まで運動を日常的にしている人はともかく、これから始めたいと思う人にとってランニングはケガに結びつくリスクが高めです。
特に膝などの関節にはダメージがいきやすいため、日常生活にも不具合が出やすいです。

1992年にオランダで行われた調査では、ランニングによるケガの発生率は37~56%とかなり高いのが特徴。また、再発率も最大70%という結果が出ています。
カロリー消費という面ではかなり望ましいランニングですが、やはり強度は高めのスポーツであることを認識しておくことが大事でしょう。

少しずつでもいいので、歩く距離・時間をのばしてみよう

歩くと走るを比較してみましたが、最も大事なのはこれらのリスクや利点をしっかり学び、継続することです。
また、継続するためにはストレスなく続けることも大事。まずは散歩程度から始めて、少しずつ距離や時間をのばしていくと続けやすくなります。ぜひ今日から始めてみましょう!

■歩き方のフォームを学びたい方はこちらからどうぞ!

参考文献

長尾和宏『歩き方で人生が変わる』山と渓谷社刊(2017)

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