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2019.05.02

みんな苦手な『早寝』を習慣化するには〇〇が必要だった!【習慣の心理学#13】

KenCoM公式:心理学ジャーナリスト・佐々木正悟

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世の中の多くの方は、早起きには関心が高いのですが、こと『早寝』に関してはあまり積極的ではないようです。しかし、よく考えてみると当然の話なのですが、早寝をせずに早起きをすればそれだけ睡眠時間は削れるわけですから、あまりよろしくありません。ひいては習慣化も定着せずに終わってしまいがちです。
ただ、早く寝ろと言われても難しいものです。今回は私の実体験とともに早寝をする習慣の作り方をみていきましょう。

早寝をするためには〇〇を活用するのがよい

早寝ができないのは『損』したくないから

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拙著『やめられなくなる、小さな習慣』(ソーテック刊)をお読みいただいた方から「早寝できるようになりました!」という嬉しいコメントをいただいたことがあります。
なぜそういうことが可能になったかというと、本の中で「早寝をしてこんなにいいことがある!」と書いていたからです。そして読者の方がそれを信じてくれたからでもあります。

早寝の習慣化というのは、実はけっこう難しいものです。いろいろな理由はありますが、いちばんの問題は、「早寝が怖い」というのがあるでしょう。
人間というのは、損をしたくない動物です。
例えば最近のビジネス書でいうと、ちょっとした「大全ブーム」が起きています。
ライフハック大全とか、思考法大全とか、タスク管理大全とか、いろいろありますが、要するに「方法を試す前に、すべての方法を一覧として知りたい」という欲求があるわけです。
ある勉強法を試してみたが、実はもっといい、もっと自分に合う方法が他にあった!となると、これまでの勉強法に掛けた時間とお金がもったいない=損したと人は思ってしまいます。

でも実際には、どんな方法で勉強しても無駄になるとは言えませんし、そもそも「もっといい方法」を知ることができたのは、それまでの勉強法をやってみたからかもしれません。
損をしたくないというのはかなり感情的なもので、合理的とは言いきれません。このことは覚えておいてそれこそ損はありません。

早寝に話を戻しましょう。早寝ができないのは、怖いからと私は書きました。
なぜなら、早寝は『大損』としか思えない側面があるからです。

無駄が嫌いな現代人

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起きていれば本が読めるし、音楽も聴ける。動画だって見られます。ゲームもできる。SNSでいいね!をたくさんもらえるような気の利いた投稿を思いつくかもしれない。
この時間のないといわれる時代、寝ている場合じゃありません。
何かまだ寝落ちするほど眠くもないのに寝るというのは、お金を紙飛行機にして空に向かって投げているような気持ちすらしてきます。

損だ!

これが現代で「価値のあることがしたい」と思う人の本音でしょう。早寝というのは、この機会をざっと捨てて、無駄に寝ることと感じてしまうわけです。
ある意味ではこれほど恐ろしいことはありません。

リストを作ることで損を得に入れ替える

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そこでまず、早寝をしても「無駄にはならない」と思えるようにしましょう。
その方法として私が薦めているのが、「寝なければやれたかもしれないこと」に、寝起きの時間を使うことです。例えばいつもより1時間早く寝たら、1時間をまずそのための時間に当てるわけです。
もちろん頭で考えているだけだと忘れてしまいます。ですから、寝る前に「これから1時間でやりたいこと」のリストを作ります。

そしてすぐ床に就くのです。
目が覚めたらさっそく、前の晩に作った「これから1時間でやりたいこと」のリストをどんどん実行してみましょう。
自分を抑える必要はありません。読書だったりゲームだったりSNSだったり、とにかくやりたかったことをやります。

すごく面白いこともあるでしょうが、たいしてそう思えないこともあるでしょう。
いずれにしても早く起きて1時間、早寝をすることによって「失われたこと」をやるのですから、一切無駄にはなりません。
もしもこれが「朝早く起きてこんなことをするのは無駄だ!」と思うなら、夜寝る前にやったって無駄なことだったということです。
ですが、実際は無駄なんてことはありません。この無駄かどうかを判断できただけでも、早寝した価値はあります。

さらに、私の体感ですが、こうして夜やりたかったことを朝に回すと、効率は圧倒的に朝の方が良い傾向があります。それはもう高速と感じるくらいの違いです。たとえ読書でもゲームでもSNSでも。
そう思うと早寝をした分、必ず少しは得ができていると感じられるでしょう。

この得が早寝の習慣には欠かせません。前述の通り、人は損が嫌いで、得が大好きだからです。

ベッドに入る前が勝負

早寝しようとベッドに入った後に、ついついスマホを触ってしまうのも同じ心理です。
ベッドに入る前に「夜やりたかったこと」を書き出しスパっと寝るようにする。その切り替えをしっかりすることで、早寝の習慣はついてくるはずです。

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著者プロフィール

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■ささき・しょうご
心理学ジャーナリスト。「ライフハック」の第一人者。専門は認知心理学。1997年獨協大学を卒業後、ドコモサービスに入社。2001年米アヴィラ大学心理学科に留学。04年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。05年帰国以来、「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求し続けている。
著書にベストセラーとなった『ビジネスハックス』『スピードハックス』などのハックシリーズ(日本実業出版)のほか、『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(中経出版)、『やめられなくなる、小さな習慣』(ソーテック社)などがある。

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