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2019.04.29

初心者のための植物療法講座。はじめ方の基礎を教えます!【フィトテラピーの基本 vol.4】

KenCoM公式:メディカル フィトテラピスト・南上夕佳

風邪対策やのどの痛みなど、日々を快適にすごせるよう植物を活用する方法をメディカル フィトテラピストの南上夕佳さんに教えてもらう連載「フィトテラピーの基本」の4回目。
今回は、フィトテラピーを実践するために必要な基礎をレッスンします。

今回のテーマ「ハーブや精油の使い方」

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こんにちは!メディカルフィトテラピストの南上です。
2月にはじまったこの連載も4回目を迎えました。
ハーブティーを飲んだことがなかったり、コーディアル、チンキ、精油がどんなものなのか想像がつかなかったりする方もいらっしゃると思うので、今回は、基本であるハーブや精油の使い方をレクチャーします。

“飲む”を実践してみよう!

フィトテラピーには4つの方法があります。
①食べる
②飲む
③香る
④塗る
この中でハーブティー、コーディアル、チンキは飲む、精油は香る、塗るにあたります。

ハーブティーの種類とは?

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初心者の方には、まずは手軽に摂れるハーブティーをオススメしています。
1種類を楽しむためのハーブと、いくつかのハーブがすでにブレンドされたタイプがあります。
ティーバックタイプも売られていますが、茶葉の量が少ないので、体調やお悩みにフォーカスしたいときはシングルの茶葉タイプを用意し、いくつかブレンドして飲むと良いでしょう。

まずは、ハーブ専門店でブレンドしたものを試してみたり、お茶を飲む習慣をつけたり、いろいろ試してご自身が好きなハーブを探してみるのも良いでしょう。全国にあるお店だと、エンハーブ、生活の木、コスメキッチンなどで手に入れることができます。

ハーブティーのいれ方

ポットを使う場合は、茶葉が泳ぐくらいの大きめのポットを用意し、大さじ1杯のハーブを入れます。
沸騰させたお湯200〜250mlをポットに注ぎ、必ずフタをして蒸らします。
植物に含まれている有効成分をしっかりと抽出させるため、5〜10分蒸らし、1日2〜3杯程度飲みましょう。

ハーブティーは飲むと胃が温かくなり、腸へも働きかけ、植物の有効成分を吸収しやすくします。
またほっと一息ついたり、ハーブの香りと効能で心身をリラックスさせてくれたりします。

ハーブコーディアルとはどんなもの?

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ハーブコーディアルとは、ハーブのエキスに砂糖をいれたシロップタイプの濃縮ドリンクです。
日本ではまだあまり知られていませんが、イギリスでは古くから飲まれていて、エルダーフラワー、ブルーベリー、アップルジンジャーやラズベリー&ローズなどさまざまなフレーバーがあります。

水やお湯、炭酸で7〜10倍に割って飲むので、お子様やお年寄りなども飲みやすいのが特徴。
ハーブの味が苦手な方でもジュースのように飲むことができます。

ハーブ抽出液(チンキ)とは?

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ハーブをアルコールやグリセリンで抽出したものをフランス語でタンチュメール、英語ではチンキと呼びます。
チンキの良いところは抽出量が定量化されているので、スポイトで一定量の成分をきちんと摂取できるところです。

アダプトゲンハーブと呼ばれる精神と身体、その両方へ作用するハーブをとりたいときは、味もクセが強いものが多いので、チンキのほうが飲みやすいですし、使いわけをされている方もいらっしゃいます。

チンキは、アメリカやヨーロッパなどでは、薬局やナチュラル食材を扱うスーパーにおいてあることが多いですが、日本ではコスメキッチンをはじめ、様々なハーブ専門店やネット通販で購入できます。

自分にあった方法で続けましょう

フランスでは古くからティザンヌと呼ばれるハーブティーを活用して、植物の力で身体の不調をケアする文化が根づいています。
これは、歴史的に階層社会で誰もが医療を受けられるわけではなく、また医療自体がとても高額だったことから、人々が自分の健康について高い意識を持っていたことに由来すると言われています。
今でもフランスではエルボリストリと呼ばれるハーブ薬局で、医師からティザンヌが処方されています。

まずはハーブを飲むにしても、ハーブティー、コーディアル、チンキとさまざまな方法があるので、続けやすい方法で取り入れてみるのが良いと思います。
次回は、“香る・塗る”の実践編をお届けします!

※フィトテラピーやアロマテラピーは医療行為ではありません。疾病を治す目的でのご利用はお控えください。

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著者プロフィール

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南上夕佳(なんじょう ゆか)
AMPP マスターフィトテラピスト、ルボア フィトテラピースクール副代表
体調を崩したことをきっかけに、中目黒にある本場フランスのフィトテラピーが学べるルボア フィトテラピースクールの門を叩く。現在は、スクールでレッスンを担当しながら数々の企業とコラボレーションし、セミナーやカウンセリングを行う。フィトテラピー発想のコスメブランド“アンティームオーガニック”ではブランドインストラクターも務める。著書に「自然ぐすり生活」(ワニブックス)。

(写真/古家佑実)

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