2019.04.11
専属アロマ調香師が目指すサステナブルな製品づくりとは?
力士の貴景勝も「夜寝る前にラベンダーの香りのアロマを使っている」とイベントで発言し、幅広い世代から注目を集めているアロマテラピー。
いまだにアロマってどんなもの?という方もいらっしゃいますよね。
世界中にヘアケアサロンを展開し、植物の魅力を最大限に引き出した香りで、ヘアケアやスキンケアなどさまざまなアイテムを世に届けるアヴェダ。
今回は、そんなアヴェダ専属のアロマ調香師ガイ・ヴィンセント氏に、香りへのこだわりについて伺いました。
ガイ・ヴィンセント氏
アヴェダ専属アロマ調香師
オーストラリア生まれ。自然療法を学ぶ内に、香りや味覚に興味を持ち、自然調香師となる。アロマの調香だけでなく、化粧品、医薬品、パーソナルケアの知識にも精通。世界中を旅しながら、持続可能な形で調達できる植物や花のエッセンシャルオイルをブレンドし、新しい製品へと活かす毎日。
香りに対するこだわりと情熱的な思い
「はじめまして。私は2010年に自然調香師としてアヴェダに入社しました。
アロマを扱っている会社はたくさんありますが、アヴェダでは『アロマを使ったプロダクトを通して、人の感情とつながる』ことを大事にしています。
それは音楽や絵画のように使い手に新たな感情をつくることに似ています。
そのため、私たちは自身のことをアーティストだと考えているのです。
アヴェダでは、オーガニックのエッセンシャルオイル(精油)にこだわり、世界各地から取り寄せています」
世界中から集められたこだわりの精油
「アロマを製品で使うときは、オーガニックのエッセンシャルオイル(精油)を使うようにしています。
オーガニックというのはとても高価ですが、私たちはできるだけオーガニックを使いたいと考えています。
現在、アヴェダで使っているエッセンシャルオイルの95%以上がオーガニックです。
例えば、1kgのブルガリアローズオイルをつくるのには、140万本分のバラが必要で170万円ほどかかります」
製品を通して、持続可能な社会を目指す
「私たちは、製品の開発、製造、販売においても地球環境に負荷をかけないことをブランドの使命としています。
フェアトレードによる素材の調達、風力発電、再生容器の利用、できるだけオーガニックな栽培にこだわるなど、多岐に渡って、サステナブル(持続可能)なビジネスを展開するよう日々心がけています。
例えば、精油はオーストラリアの先住民であるアボリジニの皆さんがつくっているサンダルウッドを調達しています。
先方の文化を守り、適正な価格で購入することで経済的な支援という貢献も行っているのです」
心地よい気分に導くアロマの香り
「感情を作る香りとはどのようなものでしょうか?
例えば、シトラスグローブのアロマであれば、その香りをかいだときに柑橘の果樹園の中を歩いているのを想像してみてください。
足元の土、木にある葉や花、日が燦々と降り注ぐ様子…こういったイメージから、感情が生まれてきます。
アヴェダにはカラーコンサーブというヘアケア製品があります。
カラーリングした髪色の美しさをキープするためのものですが、アロマはさらにその製品の魅力を高め、心地よく使って頂けるようにサポートしています。
心地よさと安心感を表現するために、頭の中でたくさんの癒しを映像として想像します。
美しい公園の風景、カーテンがそよ風で揺れている様子など、そういったものを絵に描いたり、写真で撮ったりしてイメージを膨らましていきます。
このようにアロマは、気持ちを上に持っていくようなハッピーにしたり、気持ちが落ち着くようにであったり、製品によって全て異なった特徴をもたせています」
左から:カラーコンサーブシリーズ コンディショナー 200ml ¥3,000、同 シャンプー 250ml ¥2,900、同 デイリー カラー プロテクト 100ml ¥3,300、同 ストレングストリートメント 125ml ¥3,300/アヴェダ(アヴェダお客さま相談室0570-003-770)
「香りをつくるためにはたくさんの成分を使いますが、例えばチェリー アーモンドの製品のアロマには、チェリーもアーモンドも直接的には入っていません。
主要なアロマとして、オーガニックオレンジ、イランイラン、トンカビーン、ベンゾインなど38種類をブレンドしました。
フルーティさと花の甘さが混ざりあった、まさに遊び心あふれるアロマです。
カシアという植物の木の皮から抽出した香りで再現しています。お客さまにまた使いたい、と思って頂ける製品をつくるために、日々様々なアロマブレンドを探求しています」
チェリー アーモンドシリーズ ソフトニング シャンプー 250ml ¥2,200、同 コンディショナー 200ml ¥2,300/アヴェダ(アヴェダお客さま相談室0570-003-770)
環境保全企業としてのグローバルな取り組み
植物研究を通して品質にこだわった製品を生みだしながらも、サステナブルな社会に向けて企業努力を続けるアヴェダ。1978年にアメリカで誕生し、今では世界40ヶ国に展開するグローバルメーカーです。
商品の選び方として、「環境に優しい製品づくりをしている」という目線を持ってみるのも良いかもしれませんね。
※商品の価格はすべて税抜きです
(取材・文/KenCoM編集部)