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2019.02.28

むしろ制約があった方が習慣化しやすい!?【習慣の心理学#6】

KenCoM公式:心理学ジャーナリスト・佐々木正悟

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何かを習慣化しようとするとき、何か邪魔になるような要素がない方が良いと思う方が多いでしょう。しかし、意外なことに制約的な条件があった方が続く場合もあります。
今回はそんな奇妙な関係を見ていきましょう。

自由だとむしろ習慣化するのは難しい?

制約があるからこそ続けられる場合がある

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たとえばこの原稿ですが、さまざまな制約が課されています。
まず、私の好き勝手なテーマで選んでいるのではなく、一応健康や運動を習慣化するというテーマ的な制約があります。文字数も1万字、2万字も書いていいわけではありません。
もちろん想定される読者さんに向けて書いています。こういう制約が文章を書けなくするかというと、違います。
逆です。

テーマが限定されていて、文字数の制約もあって、読者さんも決まっているからこそ、文章が書けるのです。
いわゆる「好きなことを好きなときに好きなだけ書けるブログ」だと、ほとんどの人が続けられないのは、当然といえば当然なのです。制約がないと、続けるのは難しいものです。

運動の場合も制約がドライブになる場合も

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運動も同じです。
どんな運動をするのも、いつやるのも、どのくらいやるのも、どこでやるのも、何もかも自由だというのでは3日も続きません。
私は毎朝30分以上はウォーキングするようにしていますが、これは早朝、家族が起きる前に終わらせる必要があるからこそ、真っ暗で零下の厳冬でも続けられています。
これが、1日のうちのいつでも良くて、歩く距離も1kmでも2kmでも0.1kmでも良いのだったら、たぶん続けられないのです。

100m歩くだけでもいいのだったら、朝でなくてもいいだろうから午後に歩こうと思うでしょう。
午後になれば、夕方に歩こうと思う。
夕方になれば、夜に歩こうと考える。
夜になったら、結局、明日の朝歩いたほうが良さそうだと。

そういう風に思うのが人間というものです。これが、30分は歩かなければあまり意味がなく、午後だの夕方だのは仕事や家族とのやりとりが多くて絶対に外に居出かけたりはできない!と分かっていればイヤでも何でも早朝に歩くはずです。
そこまで厳しいことを言わずとも、お昼から雨が降ると分かっていれば、やはり午前中には歩くことができます。制約というものは行動を促してくれるのです。

環境的な制約も良いブーストになる

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またこの原稿のことになりますが、いま私は、ネットにもつながらない電車で書いているから、ネットサーフィンに逸脱することなく、原稿に集中できています。
iPhoneでテザリングすればいいようなものの、充電も切れそうでバッテリーが惜しいため、やはり大きな制約の中急いで書いています。さらに、あと5分後にはこの電車を降りなければならないという時間的にも厳しい制約にさらされています。

だからどんどん筆が進みます。間もなく書ききることができるでしょう。
みなさんもぜひ、続けたい習慣があったら、「この習慣につきまとう制約は何か?」を問うようにして下さい。制約が厳しいようなら、むしろ続きます。

制約を追加して「やめられる自由」を封じるのも手

もしも制約がそんなになく自由に選べる習慣を自由な時間にできるようだとすると、3日も続かない恐れが高いです。それほど制約というのは強い力です。
今何かを習慣化したいのに制約がないなら、「友達に続けることを宣言する」など「制約を追加」して、やめられる自由をあえて封印していくことが必要です。

■『習慣の心理学』の他記事はこちら

著者プロフィール

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■ささき・しょうご
心理学ジャーナリスト。「ライフハック」の第一人者。専門は認知心理学。1997年獨協大学を卒業後、ドコモサービスに入社。2001年米アヴィラ大学心理学科に留学。04年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。05年帰国以来、「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求し続けている。
著書にベストセラーとなった『ビジネスハックス』『スピードハックス』などのハックシリーズ(日本実業出版)のほか、『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(中経出版)、『やめられなくなる、小さな習慣』(ソーテック社)などがある。

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