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2019.02.14

風邪の時に何を食べる?食事から考える風邪対策のコツ

KenCoM公式:管理栄養士・圓尾和紀

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気をつけていてもうっかり引いてしまうことがある風邪。何日も仕事を休むわけにもいきませんし、一日も早く治したいものですよね。
そこで今回は、そんな風邪を引いた時に不足しがちな栄養素と、それを補うためにおすすめの食べ物をご紹介したいと思います。

風邪にかかったとき、身体の中はどうなっている?

ウイルスを排除するために免疫が働いている

風邪は主にウィルスが原因となって引き起こされる感染症で、身体はウィルスに感染すると鼻水やたん、せきなどでウィルスを体外に出そうとし、体内では免疫機能が働き、ウィルスと戦うためにのどが腫れたり発熱したりします。

とくに発熱すると食欲がなくなることがよくありますが、これは正常な反応です。基本的に風邪を引いたら十分な睡眠を取り、暖かくして安静にしていることが最優先です。とはいっても、最低限とったほうが良い栄養素もありますし、なるべく体に負担をかけない形で食事をとることでウィルスと戦う体を応援することもできるのです。

では、どんな栄養をとれば良いのかを見ていきましょう。

風邪を引いた時にとりたい栄養素とは

食事量が減るため水分補給が欠かせない

まずしっかりと補給したいのが水分です。普段は食事からも水分を補っていますが、食事量が減るとその水分もとれなくなるので、水分として補うことが重要です。その際は冷たいものは避けましょう。弱った身体に負荷がかかり、より体調が悪くなる場合があります。

ですので常温のものか、温かいものでとるようにしましょう。吐き気がある場合は一度にたくさんとっても吐いてしまうことがあるので、少しずつ分けてとるようにしましょう。カフェインは刺激になるので、お茶はノンカフェインのお茶が良いです。

糖質で身体にエネルギー補給

そしてエネルギー源としては糖質でとるようにします。糖質はエネルギー源となる三大栄養素の中でもっともエネルギーに変わりやすく、消化に負担をかけない栄養素です。その糖質をさらに消化に良い形でとるためにおかゆやうどんなどがオススメです。パンは消化しづらい脂質を含んでいるので避けたほうが無難です。短い期間でしたらそれほど具を入れないおかゆやうどんでも構いませんが、数日続く場合は卵を入れてタンパク質を補給してあげましょう。

そして食べ物を選ぶ際や料理をする際に気をつけたいのが油の摂取です。油は消化に負担をかけてしまうため、なるべく油を使っていないもの、料理法でいうと「蒸す」「茹でる」などしたものが良いです。味噌汁などの汁物、煮物など、和食のあっさりした味付けのものでとるようにしましょう。

また、ビタミンCも免疫力を高める栄養素ですので一緒に補ってあげると良いです。

風邪を引いたときにおすすめの食べ物

その1:甘酒

上でもお話させていただいた通り、風邪を引いているときはあまりしっかりした食事はかえって身体に負担をかけてしまうため、凝ったものをとる必要はありません。手軽に手に入るもので十分対応することが可能です。おすすめの食品としては、まず甘酒です。甘酒はお米を発酵させた飲み物で、別名「飲む点滴」とも呼ばれている通り、消化吸収がしやすく、糖質、さらにその糖質をエネルギーに変える際に必要なビタミンB群も含んでいます。口当たりも良いので食欲がないときでも飲みやすいです。ここに抗菌作用があり、炎症を抑えてくれる生姜のすりおろしを入れても良いですね。

その2:身体を温めるお粥やうどん

先ほどもあげたおかゆやうどんは、コンビニでもレトルトのものなどがあり手に入りやすい食べ物です。他にも味噌汁やスープなども良いですね。具材は豆腐やねぎのようなあっさりしたものを選ぶようにしましょう。

その3:野菜なら大根おろしが手軽

野菜では大根おろしや山芋をすりおろしたとろろなどもおすすめです。大根や山芋は食物酵素を豊富に含んでおり、食べたものの消化を助けてくれます。大根には免疫力を高めるビタミンCも入っていますし、もし葉付きの大根が手に入ったら葉も刻んでおかゆと一緒に煮込んで食べるとビタミンAをとることができ、粘膜を丈夫にしてくれてこれも免疫力を高めることにつながります。とろろもお粥やうどんと一緒に食べたり、味噌汁の中に入れて食べると良いですね。

その4:果物ならみかんやバナナ

他には果物もおすすめです。この時期に出回るみかんなどの柑橘類にはビタミンCが豊富ですし、水分も一緒に補うことができます。とはいえ、柑橘類は胃酸の分泌を促すため、吐き気がある場合は控える様にしましょう。バナナは食べやすく、しっかりエネルギーを補給できます。

食事から考える風邪対策

今回は風邪を引いたときにとりたい栄養素と食べ物についてご紹介しました。
風邪にかかってしまったときはこういった食べ物を活用して風邪と戦う身体を応援してあげましょう。

以下の記事では、自分や家族の体調が優れない時にオススメのレシピを紹介しています。
ぜひ参考にしてみてくださいね。

著者プロフィール

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■圓尾和紀(まるお かずき)
“日本人の身体に合った食事を提案する”フリーランスの管理栄養士。日本の伝統食の良さを現代の生活に活かす「和ごはん」の考え方を伝えている。『一日の終わりに地味だけど「ほっとする」食べ方』がワニブックスより発売中。

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