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2019.02.08

ちょっとした工夫でOK!眠るときの風邪対策

KenCoM公式:アクティブスリープ指導士ベーシック・植田くるみ

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一年の中で最も冷え込みが厳しく、インフルエンザ流行のニュースや学級閉鎖の噂を耳にするこの時期。ウィルスから身を守るために、外出中にはマスクを欠かせない!という人を多く見かけます。
では、帰宅してからの予防策はいかがでしょうか?
手洗いうがいは多くの人が実践する大鉄則ですが、日々の睡眠はどうでしょう。体調管理に睡眠が大切だということはわかっていても、意識的に風邪対策として実践している人は少ないかもしれません。

この記事では、風邪予防に着目した睡眠テクニックをご紹介したいと思います。

寝るときに行いたい有効な風邪予防

睡眠と風邪予防の深い関係

睡眠と風邪の関連は近年様々な研究がされていますが、その理由は睡眠が担っている役割に起因していると考えられます。主な働きを3つ挙げてみます。

①自律神経を整える働き

自律神経には日中活動時に主に働く「交感神経」と休息時やリラックス時に働く「副交感神経」があり、このバランスを保つことが私たちの健康には大切です。適切な睡眠は自律神経のリズムを整えてくれる働きがあります。乱れると様々な不調を招きやすくなり、風邪などの病気のリスクが高まってしまいます。

②記憶の整理・ストレスの解消

ストレスが様々な病気の原因となることは既知の事実でしょう。
ノンレム睡眠のリズムが整っていると良い睡眠状態とされ、ストレスを蓄積させない上ではとても重要です。

③疲労の回復

日中に溜まった疲労を回復させる効果があります。逆に寝不足になるほど風邪などの感染症にかかるリスクは高まると言えます。

睡眠中は風邪に罹りやすい?!

ただ悩ましいことに、十分な睡眠が風邪予防に重要な一方で、就寝中はウィルスに対する抵抗力が弱まる無防備な時間でもあるんです。

「あれ、喉がイガイガしてる?」「なんかだるいなぁ…」など起床時に体調の悪化を感じることがありますよね?
特に気温が下がり空気が乾燥する冬はウィルスが空気中に浮遊しやすく、粘膜の防御力、抵抗力が下がる就寝中は注意が必要なんです。
では、具体的にどう対策したらいいのでしょうか。

ウィルス対策は保湿が鉄則!盲点はハウスダスト

①カラカラの寝室は要注意!湿度は50%以上を保つのが理想

風邪予防の観点では就寝中に加湿器を使うのがオススメ。空気が乾燥しているとウィルスが空気中に浮遊しやすくなるとされており、湿度50%以上を目安に加湿するといいでしょう。
加湿器を持っていないという人は、ベッドサイドに水を入れたコップを置いたり、洗濯ものや濡れたタオルを寝室に1枚干すだけでも効果があるので試してみてください。

※湿度を上げすぎは結露の原因となり、カビの発生につながりますので注意!

②喉や鼻など顔回りのうるおいキープでウィルスの侵入をブロック

よくアナウンサーや声優、歌手など声を仕事にするプロは、マスクを着けたまま寝る人が多いと聞きます。マスクは呼気に含まれる水分で喉や鼻の湿度を高く保つことができるため、ウィルスの侵入を防ぐのに一定の効果があるようです。
特に保湿しやすいガーゼタイプのマスクがオススメ。睡眠中に無意識に口で呼吸してしまう人でも、口腔内の乾燥を防げます。

ただし、「マスクは寝苦しくて苦手」と感じる方は、寝つきが悪くなったり眠りが浅くなったりと睡眠の質を下げる原因になることもあるため無理は禁物。最近は顔周り専用の小型保湿機もあるので、利用してみるのもよいかもしれません。

③寝具や部屋の空気は清潔に!空気清浄機や布団乾燥機の活用が◎

ダニや埃、ウィルスなどで寝具や部屋の空気が汚れていると睡眠中も身体に余計な負担をかけてしまい、結果、風邪ウィルスに対応する余力がなくなってしまうことも。湿度管理とあわせて空気清浄や寝具のクリーニングを心がけましょう。
こまめな掃除機がけや洗濯も大切ですが、空気清浄機や布団乾燥機は強い味方。完全にとはいかないまでも、ダニや埃、ウィルスの除去が期待できます。上手に活用することをオススメします。

④首周りやお腹を温めて体を冷やさない

ただでさえ体温が下がる睡眠時。体が冷えていると免疫細胞の働きが弱まるため、ウィルスにとってはうれしい状態を作ってしまいます。特に首周り(首・手首・足首)を温めると効果的に冷えを撃退できます。寝具としてネックウォーマーやレッグウォーマー、腹巻を揃えてみるのもよいですね。

良質な睡眠でウィルスを撃退できる身体づくりを!

できるだけウィルスと接触しない工夫も大切ですが、風邪に負けない身体、つまり免疫力を高めることはそれ以上に重要です。睡眠の質や量が不足すると、免疫力が著しく低下してしまうことは、様々な研究からも分かってきており、できるだけ良質な睡眠を取ることはその大原則ともいえます。
睡眠の量や質を高めることを日々意識し、ウィルスを撃退できる体づくりを心がけましょう!

■風邪を引いた後ならこちらをどうぞ!

著者プロフィール

■植田くるみ(うえだ・くるみ)
アクティブスリープ指導士ベーシック。睡眠に興味を持ち、企業に勤めながら研究を続ける専門家。睡眠効率の向上から、毎日のパフォーマンスをアップすることを目指すアクティブスリープを実践するだけでなく、普及にも務める。企業向けに提案した快眠法のティップスには定評がある。

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