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2019.03.14

理想の睡眠を手に入れるために!整えるべき10ヵ条【不眠症#2】

KenCoM公式ライター:森下千佳

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眠れないから辛い・・・というだけでなく、様々な病気のリスクを高める不眠。
今回は、不眠の原因を知って理想の睡眠を手に入れる10のポイントを睡眠のスペシャリスト中村真樹先生に伝授していただきました!

不眠はなぜ起こるのか、その原因と治療法にせまる

なぜ起こる?不眠の原因

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不眠の原因は主に5つあります。
睡眠時無呼吸症候群など体の病気が原因のこともあれば、熱帯夜や騒音などの就寝環境、または仕事や学校など何らかの原因で生活リズムが崩れて起こる不眠、精神的なストレスに伴うもの、うつ病など心の病に伴うもの、薬が原因の不眠などが挙げられます。

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歳をとると早く目が覚めるのはなぜ?

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起きている状態を維持させる脳の場所と、眠りを維持させる脳の場所があって、この2つがうまくスイッチングすることで、安定した眠りや起きた状態を維持しているのですが、年齢が上がるにつれこういった機能が弱ってきます。
そのために、途中で目が覚めたり、早朝に目が覚めやすくなったりするのです。

不眠の治療法

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基本的に単一的な治療は行いません。診察から不眠の原因を探り、治療方法を決めていきます。

例えば、ストレス性の不眠だった場合は一時的に睡眠薬を使ってでもリラックス状態にして寝てもらいストレスの原因究明、解消を図っていきます。
身体の病気に伴って起きている不眠は、元々の病気の治療を優先していき補助的に睡眠薬を使って眠りを維持しながら行っていくといった具合です。

“質の高い”理想の睡眠とは?

大切なのは3つの要素のバランス

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良好な睡眠の条件は「量」と「質」と「タイミング」で、どれか一つが欠けていてもバランスを崩します。

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では、どのくらい睡眠時間がとれていれば十分なのでしょうか?
下表は2015年にアメリカで発表された資料ですが、どのくらい睡眠時間をとっている人が健康度や日中のパフォーマンスが高いかを世代別に調べた研究です。
例えばアメリカ人の26歳〜64歳で、推奨睡眠時間は7〜9時間。その下の日本人の睡眠時間(平日)と比べると大幅に長いのがわかります。個人差があるので絶対ではありませんが、日本人は寝不足気味ということが言えそうです。

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では、睡眠時間が足りていればしっかり体は休めているかといえば違います。やはり質も重要で、最近の研究では最初の90分間の深い眠りが鍵だと言われています。

睡眠中は、深い眠りの「ノンレム睡眠」と浅い眠りの「レム睡眠」を一晩に4〜5回繰り返します。
ノンレム睡眠にはレベルがあり、最も深い眠りを得られる最初の1回、つまり寝入ってから最初の90分の間に深い眠り=ノンレム睡眠に達することができれば、一気に心と身体のメンテナンスが出来るため、朝起きた時に「ぐっすり寝た」という満足感を得ることができるのです。

また、実は一番大事なのが寝るタイミングになります。寝る時間はプラスマイナス1時間以上はずらさず、毎日規則正しく眠りましょう。
人の眠りは体内時計でコントロールされているので、一定の時間で寝起きすると、この時間は寝ようと体が働くので眠りの質も上がります。

理想の睡眠を手に入れる10のポイント

では、その「理想の睡眠」を手に入れるために出来る事は、どんなことがあるのか?
ここからは、今日から始めたい10個のポイントを先生の解説とともにお伝えします。

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①睡眠時間の目安は「日中の眠気で困らない」

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先ほど、日本人の平均睡眠時間は短いという話をしましたが、必要な睡眠時間には個人差があります。70歳を過ぎると平均時間は6時間未満になるし、まれに3時間睡眠で充分という体質の人もいます。
あまり平均睡眠時間にとらわれると、逆に睡眠への不安が高まるばかりなので、日中に過剰な眠気で困っていないか?パフォーマンスが良いかどうか?を目安にするのが良いと思います。

②刺激物を避け、寝る前にはリラックスできる状態を

就寝前4時間以内のコーヒー、紅茶、緑茶の摂取や、1時間前の喫煙は避けましょう。
軽い読書や、音楽、アロマやマッサージなど、人によっては効果的なので心身ともにリラックスできる状態を試してみると良いでしょう。

③床につくのは眠くなってから

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これは特にお年寄りに守って欲しいことですが、睡眠時間や就床時間にこだわらず、眠くなってから床についてください。
眠れないとどうしても早く寝床に入っていまい、イライラしてますます眠れなくなります。「寝なければ!」という強迫観念が不眠への第一歩です。
一方、若い方はこれを守ると夜更かしになってしまうので、規則正しくお布団に入ってくださいね。

④同じ時刻に毎日起床

こちらは前述の通り。同じ時間に起きないと、だんだんと起きる時間が後ろにずれていきます。
土日は布団に入り続けたいのもわかりますが、ぜひ同じ時間に起きてください。

⑤光を上手に利用

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起床時間を一定にし、午前中に日光に当たることで、体内時計がしっかりとリセットします。
また、良い睡眠に不可欠なホルモン“メラトニン”は光の影響を受けているので、夕方以降は蛍光色は避けたほうが良いと言われています。特にブルーライトを浴びるとメラトニンの合成が止まってしまうので、スマートフォンなどを寝る前に使用するのは避けましょう。

⑥規則正しい生活習慣を

食事、運動などについて規則正しい生活は睡眠にも影響します。寝る前に軽い運動をしている人の方が寝つきが良くなったという報告もあります。

⑦昼寝は15時までに30分未満

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人はしっかり睡眠をとっていても、昼過ぎの2時ぐらいには眠くなってしまうもの。
昼ご飯をとった後に10分程度椅子の上で目を閉じてウトウトするだけでも脳の疲れが取れるものです。そうすることで午後のパフォーマンスを上げ、さっさと仕事を切り上げて、夜をしっかりと楽しんで、良質な睡眠につなげてください。

⑧眠りが浅いときは遅寝・早起き

眠たくないならば、眠くなるまで待ってください。必要以上に長く床にいるとかえって眠気が浅くなります。
逆に起きる時間だけはずらさないようにして、次の日は寝不足にしましょう。
そうすると、翌日すぐに眠りに入れるケースもあります。

⑨睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと

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お酒には麻酔的な作用があるので眠くなりますし、効いている間は深い眠りやすいのですが、レム睡眠を抑える作用があり、眠りのリズムを乱すので質は悪くなると言われています。
リラックス効果はありますので酔うまで飲まず、たしなむ程度にしましょう。

⑩寝る1時間半前にお風呂に入る

人の眠りには深部体温という内臓の体温が深く関わっています。
就寝時間の1時間半前頃にお風呂に入り深部体温を上げておき、湯冷めして体温が落ちだしたタイミングを使って眠気を誘うのも効果的です。
リラックス効果も高いのでお風呂はオススメです。

取り入れやすいものから取り入れて快眠を目指そう!

不眠の記事、いかがでしたか?
もし少しでも眠りにくさを感じるならば、今回紹介した10か条を試してみてください。
すっと眠れる日が増えるかもしれませんよ。

■不眠の理由など、基本を知りたい方はこちら!

中村真樹(なかむら・まさき)先生

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青山・表参道 睡眠ストレスクリニック院長・医学博士・日本睡眠学会専門医
東北大学大学院医学系研究科修了後、東北大学病院精神科で助教、外来医長を務める。2008年睡眠総合ケアクリニック代々木に入職。2012年に同病院の院長となり、睡眠で悩むビジネスパーソンを月に300人以上診察する。2017年6月青山・表参道睡眠ストレスクリニックを開院し、院長に就任。公益財団法人神経研究所附属睡眠学センター研究員、東京医科大学睡眠学講座客員講師も務めており、臨床と研究の両面から「睡眠の問題」に取り組んでいる。

著者プロフィール

■森下千佳(もりした・ちか)
お茶の水女子大学理学部卒。2000年に東海テレビ放送に入社し、主に報道記者として事件、事故を取材制作。女性ならではの目線で取材先の言葉や見過ごされがちな出来事を引き出す事を得意とする。2009年に家族の転勤で、ニューヨークに渡り4年間移住。当時日本ではなかなか手に入らなかったオーガニックのベビー商品、コスメなどを日本に届けるベンチャー起業を立ち上げに関わる。2013年帰国し翌年に女児を出産。2016年より子宮頸がん検診の啓発活動と健康教育を手掛ける一般社団法人の理事を務める。2019年よりフリーのエディターとして、主に女性と子供の健康、子育てに関する取材、発信している。

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