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2019.02.08

知ってるようで知らない病気『風邪』って何?

KenCoM編集部

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12〜2月は厳冬期と言われ、乾燥や寒さが強く風邪をひきやすいと言われています。ところで、日常的にかかることも多い風邪ですが、そもそもどんな病気だかご存知ですか?
今回はKenCoM記事の監修をしてくださっている石原藤樹先生に、風邪についての基礎知識を伺いました。寒さが厳しい2月をこれで乗り切りましょう!

意外に知らない『風邪』のこと、大公開!

風邪ってどんな病気?

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まず最初に、あまり知られていないことですが、風邪にはそこまで厳密な定義がありません。
一般的には、発熱、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、まれに胃腸の不調などの症状が出て、無理をしなければ3 日くらいでピークがきて、その後に治るもののことを風邪と呼んでいます。
そもそも風邪という言葉も、東洋医学の『風邪(ふうじゃ)』と言われるものからきている古くからある概念を示したものなんです。
風に乗って悪いものが体に入ってくると言うイメージなのですが、現代の考え方と意外にも合っているのが面白いところですね。

風邪をひく原因は主にウィルス

風邪をひく原因は主にウィルス感染です。最もポピュラーなのはライノウィルスですが、それ以外にも200種類以上のウィルスが風邪の諸症状を引き起こすと言われています。

ウィルスによってせきが強く出たり、発熱がしやすかったりと差はありますが、概ね自分自身の免疫力で1週間程度で回復はしてきます。
また、細菌によって引き起こされるケースもあります。その場合にも症状は一般的な風邪と変わりません。

ちなみに風邪というと急性上気道炎を指すことが多いですが、同じウィルスでも感染した場所によって胃腸炎を起こすこともあります。
また、上述のように同じような症状を出すウィルスも多く、一概にどのウィルスが感染したから風邪であるとは言いにくいのです。
そのため、治ってみたら風邪だったと判断されることが多くなります。

予防するには手洗いうがいが一番

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風邪対策で有効なのは身体の表面や、口や鼻などの粘膜にウィルスがくっつかないようにすることです。
風邪の多くは飛沫感染(せきやくしゃみによって飛んだウィルスが感染する)と接触感染(手などが触れ合う際にウィルスが感染する)によってうつります。
その場合有効なのが、水で洗い流すことです。

こまめに手洗いやうがいをするのがいいでしょう。
その際に、特に殺菌作用のあるような薬などは使わなくても構いません。主眼となるのは洗い流すことですので。
お茶でうがいすると効果的とも言われますが、水とそこまで変わるものではありません。ご自身の気分を変える意味で使ってみる、程度に考えてください。

栄養をしっかり摂り、睡眠などで休息を取っておくのも大事。免疫力ができるだけ低下しないようにしましょう。

どんな時に病院に行くべき?

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最近は「風邪くらいで病院に行くな!」と言われるケースもありますが、こちらはケースバイケース。症状が辛いと感じている時には、少しでも緩和するために病院にかかるのは悪いことではありません。
長引いた場合にも注意が必要です。通常の風邪の場合、発熱は2〜3日で治るものです。また、辛くて食事が取れない状態が続いていたり、せきが悪化して呼吸がしにくいような状態になっていたら、風邪ではないことも考えられます。
例えば食中毒は胃腸性の風邪に症状が似ています。下痢がいつまでも続いたり、嘔吐が続くようなケースもあります。

また、風邪で弱った身体に、他の病気が続発したケースも考えられます。特にお年寄りや子供は免疫力が弱いので、肺炎や扁桃炎などにかかる場合もあります。
最初の症状ではわかりませんから、数日経っていつもと違うぞ、と感じたら病院に行くようにしましょう。

その際には、一度電話をしてから病院にかかるようにするといいでしょう。
受け入れ態勢が整っているというのも大事ですが、すでに風邪やインフルエンザにかかっている方が多い空間に行くと、2次感染の恐れもあります。できるだけリスクを下げるようにした方が良いでしょう。

治すには安静が一番

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風邪は自身の免疫力によって治ります。そのため免疫力が低下しないように心がけるのが治療の基本です。
無理をしないで、安静にしましょう。だるくて起きられない時には寝ていても良いのです。

とはいえ、仕事をしているとなかなか難しいかもしれません。その場合にも、治るまでの期間を無理せずに待つようにしましょう。無理をすると免疫力を下げてこじらせる原因になります。

別に下痢をしていなくてもお腹の中は弱っている場合がありますので、食事はなるべく消化の良いものにするのが良いです。
食べたくない時には無理に食べなくても良いですが、脱水症状にはなりやすいので水分だけはよくとるようにしましょう。
固形物が厳しい時にはジュースのようなものを使ってカロリーを摂るのも有効です。

風邪の症状が出ている時には、体力を消耗する運動も免疫力低下につながるため避けることが望ましいです。
同じ理由からお風呂も控えめに。お風呂は運動に近いので脱水症状になりやすく、免疫力を下げる可能性があります。
清潔にする意味なら、シャワーをさっと浴びる程度にしておきましょう。

熱が辛い場合には、薬で下げても構いません。他の諸症状に関しても同様です。
ただし、薬を飲んだからといって早く治るわけではありません。あくまで緩和されるだけということを理解しておきましょう。

風邪を知って、賢く対策しよう

風邪が流行るこの季節だからこそ知っておきたいことが満載でしたね。
ちなみに、「風邪の特効薬を作れたらノーベル賞」と昔はよく言われましたが、それはもはや古い認識だそう。
風邪にかかる原因や仕組みがわかってきている部分も大きいのだとか。

皆さんもこの冬、風邪に気をつけてお過ごしくださいね。

監修医プロフィール

■石原藤樹(いしはら・ふじき)先生
1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。2015年8月六号通り診療所を退職し、北品川藤クリニックを開設、院長に就任。著書に「誰も教えてくれなかったくすりの始め方・やめ方-ガイドラインと文献と臨床知に学ぶ-」(総合医学社)などがある。

(取材・文/KenCoM編集部)