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2019.02.27

スマホの見過ぎが不調の原因に?【頭痛・肩こりを招くストレートネック#1】

KenCoM公式ライター:黒田 創

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電車やバスの中はもちろん、ランチやカフェタイムなど、気が付くとスマホを取り出してネットやSNSをチェックしたり、メールを打ったりゲームをしたり……。このようにスマホは現代人にとって欠かせないツールですが、常に画面を見ているような状況が続くと、それが原因で頭痛や肩こり、首の痛みにつながってしまう恐れも。「もしかしたらそれは頸椎症のひとつ、ストレートネックかもしれません」そう話すのは、整形外科医でカイロプラクターの竹谷内医院院長・竹谷内康修先生。今回は先生に、ストレートネックについて伺いました。

竹谷内康修(たけやち・やすのぶ)先生

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整形外科医、カイロプラクター。東京慈恵会医科大学卒業後、福島県立医科大学整形外科へ入局。その後米国のナショナル健康科学大学でカイロプラクティックを学ぶ。東京・日本橋に開院した竹谷内医院はカイロプラクティックを主体とした手技療法専門のクリニックで、肩こり、首の痛み、頭痛、腰痛、関節痛などの治療に取り組んでいる。

ストレートネックとは?

ストレートネックはその呼び名の通り「まっすぐな首(頸椎)」という意味です。「まっすぐならば問題ないのでは?」と思われるかもしれませんが、背骨は本来横から見ると緩やかにS字形にカーブしていて、背骨の上部にある頸椎はやや前に弯曲しているのが正しい状態です。(下画像でいう黄色部分が脊椎)

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このカーブは生理的弯曲と呼ばれ、荷重を分散しながら頭の重量や胴体を支えたり、身体を動かすときの背骨の負荷を和らげています。言うなれば車のサスペンション(衝撃緩和装置)のような役割を果たしているのです。

しかしこの頸椎のカーブがなくなると自然と頸椎が身体の前に伸びる形となり、正常な状態と比較して、常に頭が前に出た位置になってしまう。これがストレートネックです。その状態で上に重くのしかかる頭を支えようとすれば、首や肩の筋肉に大きな負担がかかり、肩こりや首の痛み、頭痛といった症状につながってしまうのです。首の角度が、真っ直ぐな状態から20~30度くらい前に固定化されてしまっている人は、ストレートネックと言って間違いないでしょう。

ストレートネックが起こる原因とメカニズム

スマホの見すぎが原因?

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皆さんはスマホを見るときにどのような姿勢になっているか、意識したことはあるでしょうか。立っているにせよ座っているにせよ、ほとんどの方は、頭を下げたりのぞき込むように頭を前に出した姿勢で画面を眺めています。人類は他の動物とは異なり二本足で立ち、頭を支えている生き物ですが、それはあくまで本来の頸椎のカーブがあって成り立つもの。実は「頭が前に出た状態」というのは私たちが想像する以上に大変なことなのです。

成人の頭の重さはだいたい4.5kg。これはボウリングの球とほぼ同じですが、ボウリング球は前腕を垂直に立てるようにして持ち、身体に引き寄せることで長時間持つ事が可能です。しかしボールを持ったまま腕を前に伸ばすとどうでしょう。重すぎてその高さでは持っていられず、すぐに腕が下がってしまいますよね?ストレートネックは、これに近い状態が頸椎で起こっているのです。

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頭が首の真上に保たれた正しい姿勢だと、首にかかる頭の重みは4.5~5.4kgですが、首の角度が30度ほど前に傾くだけでその重みはいきなり約18kgに跳ね上がります。さらに角度が60度になると、なんと約27kgにも。つまり本来の頭の重みの5~6倍の負荷になってしまうのです。そうなると首の筋肉は絶えず緊張しながら頭を支えねばならず、自然と凝りが発生します。その凝りはやがて肩や背中へも広がり、痛みを伴ったり、ひどい場合には背骨の1つひとつ(椎骨)が変形する事態を招いてしまうのです。

患者数・予備軍数は年々増加中

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皆さんがスマホやタブレット、パソコンの画面を長時間見続けるのは、常にこのように首を前に傾けている姿勢でいるということ。ひと昔前であれば、仕事でパソコンを使っていてもそれ以外の時間は新聞を読んだりイヤホンで音楽を聴くなどしていた方が多く、その時間だけは首に大きな負荷はかかりにくかったと思われますが、昨今は電車内を見てもほとんどの方が首を前に傾けてスマホ画面を眺めているような状況。そうした方は四六時中頸椎に強い負荷がかかっていると推察されます。もちろん他にも原因は考えられるとはいえ、現代のスマホ社会がストレートネック患者および予備軍を増やしているのは間違いありません。

スマホと共存しつつストレートネックを防ごう

とはいえ、仕事をするうえでパソコンの作業は欠かすことができませんし、何かと便利なスマホを手放すわけにもいきません。ならば、パソコンやスマホなどを見るときの姿勢や持ち方など、ストレートネックにならないような付き合い方が大事になってくるのではないでしょうか。次回は自分がストレートネックかどうかのチェック方法などについて詳しく触れたいと思います。

著者プロフィール

■黒田創(くろだ・そう)
フリーライター。2005年から雑誌『ターザン』に執筆。ほか野球系メディアや健康系ムックの執筆などにも携わる。フルマラソン完走5回。ベストタイムは4時間20分。

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