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2019.02.07

記録することには意味がある!圧倒的な効用とは【習慣の心理学#4】

KenCoM公式:心理学ジャーナリスト・佐々木正悟

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習慣化を行う際に有効なのが記録です。こう書くと習慣と記録に一体どんな関係があるのかと疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
そこで今回のテーマは「習慣化に記録がもたらす圧倒的な効果」としたいと思います。

正確な記録は習慣づくりの武器になる

ダイエット記録から見る記録の有用性

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私の知っているある人は、ブログでランニングによるダイエット記録をずっと続けています。
その記録のすごさに圧倒されつつ、やはり記録化と技術というものが習慣で結果を出すために欠かせないのだと、確信できてきました。

走る技術。
記録をつける技術。
そしてダイエットを続けていく技術。これらは記録することによって形作られてきたものだからです。

その人は約280日にわたり、最初110kg以上あった体重を、90kgを切りそうなところまで絞ることに成功しています。
運動している時間は、だいたい毎日1時間。これは決して「小さな習慣」ではなく「ストイックな習慣」ですが、さすがに理想的な減量になっていると思います。すべての日の記録をブログで公開していらっしゃるので、極めてじりじりと進む減量トレンドだということを、目で見て確認できるのです。

つくづくすごいと思うのは、順調に体重が減り続けているわけでもないのに、こんなにストイックなことがやれてしまうという点。

まずデータからわかるのは最初の1ヵ月間、つまり30日間ではほとんど1kgくらいしか減っていないという事実です。走ったのに増えている日も結構あります。
110kgを切ってもまた戻ってしまうことも頻繁にあります。100㎏を行ったり来たりといった日々も記録されていました。
それでも毎日1時間ずつくらいは走り続けているのです。

90kgを切りそうになっている現状を知っていれば、そういう習慣の継続も可能でしょうが、30日間走ったのに大して体重が減らなかったりすれば、何度も「こんな方法やめてしまおう!」と思ったのではないでしょうか。

記録を通した『発見』が習慣化を促す

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ここに記録の大事さが出ています。
データを追っていくと、だんだんと記録が詳細になっていくのがよくわかります。最初は、走った距離と体重のデータだけだったのが、途中から「飲み会」とか「中距離走」とか「旅行」といった記載が入ってきました。
それらを参照していくと、飲み会の後には体重が増えたり、増えないまでも減りにくいことや、何もしないと体重は変動しないということが、緩やかながら因果関係で見えてくるのです。

この因果関係が見えることが、人を習慣継続へ促していくのでしょう。

同じ記録をとるといっても、より細かく、詳しく、正確につけていくことが大事なのは、これがあるからです。
彼がブログ上で積み重ねてきた記録を見ると、習慣に挫折しやすい最初こそ、記録だけでも正確にとることが必要だとわかります。

記録をとって初めて見えてくることはたくさんあります。単に走れば体重が減るということだけならば記録しなくてもわかります。しかし、どのくらい走ればどのくらい体重減につながるのかといったことは、個人差もあって記録してみるまではわかりません。そういう「記録してみないと発見できないこと」を発見することが、習慣化の力強いモチベーションに点火するキッカケとなるのです。

詳細な記録を残すようにしてみよう

習慣化にあたっては記録を残しましょう。それもなるべく、気がついたことは何でもかんでも記録するくらいの姿勢で始めてみましょう。
本当に役に立つのは何かが、最初のうちはなかなかわからないからです。記録を積み重ねていくうちに、自分にとって何が役立っているのかが見えてくるでしょう。

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著者プロフィール

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■ささき・しょうご
心理学ジャーナリスト。「ライフハック」の第一人者。専門は認知心理学。1997年獨協大学を卒業後、ドコモサービスに入社。2001年米アヴィラ大学心理学科に留学。04年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。05年帰国以来、「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求し続けている。
著書にベストセラーとなった『ビジネスハックス』『スピードハックス』などのハックシリーズ(日本実業出版)のほか、『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(中経出版)、『やめられなくなる、小さな習慣』(ソーテック社)などがある。

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