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2019.02.25

いつまでも怒られたことを気にしちゃいます……【ココロノセンタク#3】

KenCoM公式:臨床心理士・小室愛枝

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こんにちは。臨床心理士の小室愛枝です。
今日のテーマは、いつまでも怒られたことを気にしちゃう……どうしたらいいの?!です。人から怒られたとき、みなさんはどんなふうに思うでしょうか?

くよくよした気持ちは自分との対話で切り替える

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一口に怒られると言っても、いろいろな背景がありますね。
人生で初めて自分のためを思って「そんなんじゃだめだ!」と心を鬼にして叱って(怒って)くれた人に出会ったときは、もしかしたらなんともいえずうれしくなって、ありがとうとさえ思うかもしれません。
心から自分の成長を願って怒ってくれる上司だったら、怒られるのはまだまだ伸びしろがあると思われている証拠だからよかった!と、かえって安心することだってあるかもしれません。
怒られて腹が立っても、寝たら忘れるとか、飲みに行って愚痴を吐いたらちょっとスッキリしたとか、そんな経験をお持ちの方もたくさんいると思います。

でも、いつもいつもそんなふうにきれいなストーリーにはならないかも……

誰だってポジティブに思えたら楽ですが、わかっていてもそうもいかないのが人間ですね。
怒られたことをいつまでも気にしちゃうとき、それは『自分のココロと対話し、自分をよく知るチャンス』です。自分自身のココロの中を少しのぞいて、そっとその声を聴いてみませんか。

まずはココロと対話する

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まず、自分のココロにちょっぴり話しかけてみます。

「どうしてそんなに気になるの?」
「何がイヤだったの?」
「怒られたとき、どんなふうに感じたの?」

あなたのココロはどんなふうにお返事していますか?

「相手が自分のことを全然理解してくれない。悲しい」
「怒られる、っていうことがそもそも嫌い。できない自分が嫌い。求められたことはこなしたい」
「お前はダメ人間だ、と言われている気がした。ショックだった」

見つかった自分の気持ちを大切にする

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いろ~んなココロの声があると思います。そのどれもが素直で正直な気持ち。それをまずそのまま大切にしたいですね。

「そうか、私は悲しかったんだ」って。

「あ~自分は完璧主義なところがあるのかなぁ」って。

「あのとき自分の人格を否定された気がしてイヤだったんだ」って。

そうしたら、不思議と次の思いが出てくるかもしれません。
「大切な人に理解してもらえるように、もう一度言い方を変えて伝えてみようかな」
「全部ちゃんとやりたい。でも、自分もひとりの人間だから、ゼッタイも完璧もなくて当たり前。でもやっぱりできるだけきちんとやりたいな。今回のミスを次につなげよう」
「怒られたのは仕事のミスのことであって、自分を丸ごと否定されたわけじゃない。もしそうだったとしても、その人の自分への評価が自分の人生を根こそぎ左右するわけじゃないし、もう今頃は自分のことなんて忘れて遊びに出かけているかもしれない。自分も気にするのやめよう」
とか。

いきなりこんなふうに思えないかもしれません。それでも大丈夫です。
第1回目で書いたとおり、『スモールステップ(小さな一歩)』の積み重ねが大切です。ちょっぴりずつでいいので、ココロの声を聴く、その積み重ねができるといいですね。怒られてとてもいやな気持ちが残ってしまうときに、またこの記事を思い出していただけたらいいなぁと思います。

ココロの中はそっと歩こう

ココロの中はとてもやわらかいので、土足でドカドカっとその中を走ると傷つくことがあります。
ココロと対話するとき、ふわふわの靴下を履いてそっとココロの中を歩くようなイメージで、ちょっぴりずつ進みましょう。
もしココロとの対話がつらくなったら、それは休憩のサインです。そんなときは対話をやめて、ご飯を食べたり飲み物を飲んだりお風呂に入ったり、日常の生活をしましょうね。

■過去の記事はこちらから

著者プロフィール

■小室愛枝(こむろ・よしえ) 
臨床心理士・特別支援教育士。早稲田大学で心理学を学んだのち渡米。ボストンでカウンセリングの修士号を取得後、帰国。学生相談室・心療内科等での勤務を経て、現在は乳幼児の発達相談、小学校の巡回相談心理士、NPO法人らんふぁんぷらざ(発達に偏りを持つ子どもと家族のための支援機関)にて乳幼児から大人まで幅広い層の臨床を行っている。共翻訳著に『虐待・DV・トラウマにさらされた親子への支援――子どもー親心理療法――』(日本評論社)がある。

(文/小室愛枝)