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2019.01.16

免疫力を上げて身体の不調を撃退! 医師直伝「温活のススメ」#1

KenCoM公式:ライター森下千佳

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頭痛や肩こり、肌荒れ、生理痛、慢性疲労……なんとなく具合が悪い。原因不明の体調不良は、もしかしたら体の冷えが原因かも?
知らず知らずのうちにやりがちな冷え性習慣を見直し、ちょっとしたコツで冷えを撃退しましょう!
心も身体も快調な日々を送るための秘訣を、石原新菜先生に伝授していただきました。

石原新菜(いしはら・にいな)先生

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イシハラクリニック副院長。小学校は2年生までスイスで過ごし、その後、高校卒業まで静岡県伊東市で育つ。2000年4月帝京大学医学部に入学。2006年3月卒業、同大学病院で2年間の研修医を経て、現在父、石原結實のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。クリニックでの診察の他、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。

よく聞く「冷え」ってどんなもの?

東洋医学では病気の前段階

「手足が冷える」「寒くて寝られない」というように冷えて困る程度ならば重くはありませんが、冷えによって何らかの不調、症状が身体に出てくる事を東洋医学では「冷え症」と判断します。「未病」とも呼びますが、病気の前段階のような状態です。

身体が冷えると、血管を収縮・拡張させて熱をコントロールする自律神経(じりつしんけい)が変調を起こしていたり、ホルモンバランスの乱れにより血行障害が起きて、頭痛や、めまい、生理痛、生理不順、便秘、胃の不調など、様々な体の不調を引き起こします。
冷えを放っておくと、本当に病気に進んでいく可能性を持っているのです。

自覚がない人がほとんど!現代人に増えている低体温

ちなみに冷え自体は西洋医学では一般的な病院では扱われず、明確な診療基準や治療方法もありません。ただし、体温が36度以下の状態となる低体温とよばれる状態として認識されている部分もあります。近年では低体温状態が免疫力を下げるとされ、西洋医学でも注目され始めています。

手足は冷えないけれど、低体温で身体全体が冷え、不調を起こしている方もいます。しかし、自分が低体温かどうかを知らなかったり、「調子が悪いのは低体温のせいだ」と自覚している人はほとんどいません。

人の身体では、深部体温が37度以上だと白血球が活発に動くなど体内の化学反応がスムーズに進みます。だから東洋医学では本来、体温は37度近くが良いとされています。
それより低いと体調不良になりやすくなるのです。

ところが、日本人の平均体温は60年前に比べて平均で1度近くも下がっていると言われています。医学辞典を引くと日本人の平熱は36.5度〜37.2度なのですが、現代の日本人は女性の8割、男性の6割、子供の5割が平熱の定義を満たしていない可能性があり、明らかに低体温化が進んでいて心配されています。

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冷え体質は「万病の元」冷えると体内で何が起こる?

①血行が悪くなり、血液ドロドロに

身体が低体温になると全身の血管が縮み血行が悪くなります。
血管を道路に例えるなら、血流があちこちで渋滞を起こしている状態。酸素、栄養素、免疫物質を新鮮な状態で細胞に届けることができず、老廃物が取り除かれないまま貯めることになります。

②基礎代謝が落ちて太りやすくなる 生理不順や便秘肌荒れの原因も

体温が1度下がると代謝が約12%下がると言われています。基礎代謝が落ちると、同じ食べ物を食べていても太りやすいし痩せにくい。実際にクリニックにいらっしゃる低体温の患者さんは、食べ過ぎていないのに太り過ぎを気にされている方が多いです。

また、代謝の低下は細胞や臓器の本来の働きを阻害します。例えば、お腹が冷えることで、子宮や卵巣の血流が悪化して働きが低下し、生理不順や不妊症を引き起こしたり、腸の働きが悪化して便秘を引き起こしたり。体内に老廃物を溜め込んだ結果、肌に排出されてニキビや吹き出物などの肌荒れや乾燥となって現れることもあるのです。

③免疫力が下がる

前述しましたが、免疫力の高い・低いは白血球の動きに左右されます。白血球は体温が低いと動きが遅くなり、病原菌やウイルスを捕食する力が衰えます。
また、体温が低いと病原に対する抗体を作る働きも低下してしまうと言われています。

健康を維持する最適の体温は、36.5℃よりやや上。冬になると風邪やインフルエンザにかかりやすいという人は低体温かもしれません。
「身体を冷やす事をしてはいけない」という危機感を持ってください。

あなたはどのくらい冷えている?冷えのタイプと深刻度をチェック!!

東洋医学では、冷えを主に4タイプに分けています。
自分に当てはまる項目をチェックしてみてください。丸の多いところがあなたの冷えのタイプに近いものになります。1から4に向かうほど、冷え度が重いと考えてください。

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冷えは我慢するより対処が大事!

「冷えのせいで頭痛や生理痛が重くなるなど、身体の不調があるのは普通の状態ではありません!」と強調する石原先生。
「我慢する」のではなく、きちっと対処するのが重要です。まずは、自分で出来る冷えとりで体の改善を!!
次回は、「今日からできる冷え症改善方法」をお伝えします。

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著者プロフィール

■森下千佳(もりした・ちか)
お茶の水女子大学理学部卒。2000年に東海テレビ放送に入社し、主に報道記者として事件、事故を取材制作。女性ならではの目線で取材先の言葉や見過ごされがちな出来事を引き出す事を得意とする。2009年に家族の転勤で、ニューヨークに渡り4年間移住。当時日本ではなかなか手に入らなかったオーガニックのベビー商品、コスメなどを日本に届けるベンチャー起業を立ち上げに関わる。2013年帰国し翌年に女児を出産。2016年より子宮頸がん検診の啓発活動と健康教育を手掛ける一般社団法人の理事を務める。2019年よりフリーのエディターとして、主に女性と子供の健康、子育てに関する取材、発信している。