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2018.12.26

「年末年始の挨拶回り」押さえておきたい勘所|「短時間で丁寧な挨拶」で1年を締めくくる

東洋経済オンライン

手短に済ますのが、年末年始の挨拶のポイントだ (写真:kou / PIXTA)

参照元:https://toyokeizai.net/articles/-/256605?utm_source=deschl&utm_medium=http&utm_campaign=link_back&utm_content=article

手短に済ますのが、年末年始の挨拶のポイントだ (写真:kou / PIXTA)

今年も年末年始の挨拶の季節がやってきた。新入社員にとっては、初めての経験だろう。もっとも、「虚礼廃止」の風潮の高まりとともに、年末年始の挨拶は縮小傾向にある。



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「昔はカレンダーをごっそり持って挨拶に行ったけど、今は厳選した相手にしか配らない」(印刷会社勤務・48歳)

「クライアントへの年末の挨拶は、わざわざ出向かず、年末最後のミーティングで済ませるという雰囲気になってきました」(PR会社・39歳)

「昔は年明け4日の午前中は社長の挨拶や乾杯、午後は挨拶というスケジュールでしたが、今は5日(2019年は7日)スタート。その代わりに初日からフルタイムで仕事。新年の挨拶はなくなりました」(サービス・50歳)

一方で、「年末の挨拶はチーム全員参加。レンタカーを借りて数日がかりで行います」(メーカー・40歳)や、「お客様の中には、挨拶に行かないと無礼なやつととる人もいる。虚礼廃止の通達が書面できているけど、僕はできる限り行きますね」(運輸・45歳)という意見もある。

年末年始の挨拶は特別

年賀状や中元・歳暮同様に、年末年始の挨拶も賛否両論だ。しかし、年末年始の挨拶は、日本企業の伝統的な行事のひとつでもある。自分が挨拶に行く、行かないかは別にして、一般教養としての基本は押さえておきたい。

「覚えておいていただきたいのは、『年末年始』には特別な意味があるということです」と話すのは人材派遣や教育事業を手がけるキャプランの教育・研修部門、Jプレゼンスアカデミー事業本部の伊東絹子チーフインストラクターだ。

挨拶は、そもそも仏教用語が語源といわれる。「挨」には押す、「拶」には迫るという意味があるので、コミュケーションの分野では、「心を開いて、心に迫る」と解釈することが多いという。

一般に挨拶は、コミュニケーションのスタートであり、「相手の心の扉をノックする」目的で使われる。

それに対して年末年始の挨拶には、年を重ねながら、長期にわたって「ご縁を結んでいく」といった意味がある。ビジネスであれば、長きにわたるパートナーとして付き合っていきたい、仕事を超えた付き合いに発展させていきたいといった願いになるだろう。

「年末年始の某コンビニの本部の受付は挨拶の業者で大行列。けっこう早めに来たつもりでも並びますね」(メーカー勤務・30歳)

「挨拶に行くと、あちらこちらでライバル社に遭遇。ライバル社が自分たちより前に並んでいると、やられた!と思って焦ります」(物流・35歳)

「うちの業界は狭いし、協業も盛んなので、ライバル社の社員もある意味、仕事仲間。年末年始の挨拶の待ち時間は、同業他社とのいい情報交換の場にもなっています」(専門商社・39歳)

特別だからこそ、まだまだ多くのビジネスパーソンが挨拶に訪れるわけだ。

「アポイントをとって実際にお会いして挨拶するのが理想的ですが、この時期は先方も忙しいので、アポなしでの訪問も一般的です」(伊東氏)

年末年始の挨拶は短時間で丁寧にが基本

いずれにしても、年末年始は先方も慌ただしいので挨拶は5分から10分で終わらせたい。アポをとる場合は、「長い時間はかけませんので」と一言添えておけば、先方も安心する。

「年末年始の挨拶にネガティブなイメージを持つ理由のトップは、仕事が中断されること。特にかける時間には注意してください。年末年始の挨拶は『短時間で丁寧に』が基本です」(伊東氏)

アポがあってもなくても訪問のマナーは同じ。ロビーに入る前に、コートを脱ぐのを忘れずに。また、特別な日なので、男性ならできればネクタイを締めて訪問したい。普段、ラフな格好の人は、ジャケットを着るといった具合に、普段よりワンランク、あるいはツーランク上のフォーマルな服装で出かけたほうがいいだろう。

会議室や応接室に通されたら、先輩や上司と一緒の場合は、一歩下がってついていき、室内に入ったら、「どうぞ」と勧められるのを待って下座に座る。

「もし、相手に手渡すノベルティーや菓子折りがある場合には、まずは下座側に置きます。相手にお渡しするものですから、床に置いてはいけません」(伊東氏)

渡す時には、袋のままではなく、袋から取り出してから渡す。その時にガサゴソ音をさせるのはマナー違反。ちなみに風呂敷なら、そもそも音がしないので便利だ。

袋や風呂敷から出したら、まず、のしの文字を自分が読める方向でテーブルの上に置き、次に、相手が字を読める方向に半転させてから渡す。仮にロビーなどで立ったまま渡す場合も、いったん紙袋から出して渡すのがマナー。袋から出せない状況であれば「袋のままで失礼いたします」と一言添えること。

年末であれば、「どうぞ、良いお年をお迎えください」といった言葉で締めくくるだろう。

「この時のポイントは、『どうぞよいお年を』と文末を省略しないこと。『どうぞ、良いお年をお迎えください。』と『句読点』まで文章としてはっきり丁寧に言うことが大切です」(伊東氏)

新年の場合も同様に、「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。」とはっきり言うことが大切なのは変わりない。

一方、「後輩を連れて新年の挨拶に行ったら、『喪中なので、僕はおめでとうと言えません』と大口取引先の前で堂々と宣言。相手を激怒させてしまった」(メーカー・37歳)という例も。

ちなみに法人には喪中はないので、一般にビジネスの世界では喪中はないと考えられている。社長が亡くなったとしても、喪中にはならないのは、その例だ。それでも、どうしても「あけましておめでとう」と言いたくない場合は、事前に先輩や上司に相談して挨拶回りから外してもらうほうがいいだろう。

アポなしで挨拶に出向けば、先方が不在のケースも多い。

そうした場合は、「突然、お伺いして申し訳ありません。いつもお世話になっております。私は○○会社の△△です。年末(もしくは新年)の挨拶に伺いました」などと要件を伝え、タオルやカレンダーなどのノベルティーがあれば、名刺と一緒に置いていく。

多くの企業は、不在時に備えて名刺ボックスを用意している。名刺ボックスに入れるために、新年なら謹賀新年とハンコを押した名刺を用意するビジネスパーソンも少なくない。

「ある大手メーカーでは、この時期になると受付に名刺ボックスを登場させ、挨拶の面会は受け付けない仕組みにしている。『ボックスに名刺を入れるためだけに来るのもなぁ』と思いながら10年通っている」(メーカー・38歳)

「一件でも多くまわりたいので、不在時を狙って名刺とノベルティーを置いてまわります。留守にしていて悪かったねと、先方から電話がかかってくることもあります」(通信・33歳)

ノベルティーや菓子折りは床に置いてはいけない

年末年始の挨拶は行くばかりではない。時には、取引先が挨拶に来ることもある。その時、自分の会社の担当者が不在の場合、どうすればいいのだろうか。

まずは、「わざわざご丁寧にありがとうございます」とお礼を伝える。同時に「◯◯に、ご挨拶をいただいた旨を申し伝えます」と、確実に担当者に伝えることを強調して、相手を安心させることが重要だ。

もし、電話などで話したことがある相手であれば、「お電話では、いつもご対応いただきありがとうございます」などと一言付け加えれば、好感度が増す。また、ノベルティーや菓子折りなどをいただいた場合は、できれば上座に置く。なければテーブルの上、カウンターの上などでも構わないが、床に置くのはNGだ。

アポを取って面会する場合は、12月の中旬くらいから始める企業が多い。もちろん、単なる挨拶ではなく忘年会や接待などを行うところもある。アポなしで回る場合は、年末は仕事納め(最終日)とその前日、新年は仕事始め当日とその翌日くらいが多いようだ。

最後に「短時間で丁寧な挨拶」のポイントをまとめた。

・挨拶は5分から10分と手短に

・普段よりワンランクフォーマルで訪問

・ノベルティー、菓子折りは床に置かない・音をたてずに袋から出す

・挨拶は句読点まではっきりと

これを参考に、年始年末の挨拶回りを乗り切ってほしい。

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竹内 三保子:カデナクリエイト

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