2019.01.10
健康に気を使う医者は自動販売機で何を選ぶ?【ドクターズチョイス#1】
「普段食や運動に気をつけているつもりでもなかなか健康にならない」なんて悩み、お持ちではないですか?
それ、もしかしたら、選び方を間違っているのかもしれません。
本連載では、科学的根拠を元に健康的な生活を提案している東京大学附属病院の稲島司先生に、どういう選択をすれば健康的な生活になれるのか、判断基準を教えてもらいます。
第1回目は「ドリンク」の選び方です。
Q:あなたは今喉が渇いています。そんな時、どのドリンクを選びますか?
A:一番いいのはもちろん「水」です
喉が乾いた。喉を潤したい。そんな時に自動販売機の前に立つシーンは多いでしょう。大抵の人は、そこで商品の魅力で選んでしまいがちです。
例えばCMをやっていたり、新商品マークが付いていたりすると、ついつい惹かれますよね。ですが、健康を考えた選択をする際には、それは誤りです。
まず最初に選ぶべきは「水」になります。
飲料に味がつくと、添加物や糖分といった人間が普段避けているものを入れてしまうからです。
次点ならストレートティー、ブラックコーヒーを
一方で、どうしても味のついたものが飲みたい時もあります。
そんな時におすすめなのがコーヒーです。コーヒーは適量であれば糖尿病のリスクを下げてくれることがわかっています(※1)。
さらに最近では認知症や肝臓がんのリスクも下げると言われています(※2,3)。
ただし、コーヒーフレッシュや砂糖など 喉を潤すのに余計なものが入っていると、その他のリスクを高める可能性もあります。できるだけブラックを選ぶようにしましょう。
もう一つの選択肢で有力なのがお茶です。これも添加物なしの緑茶やストレートティーなどを選びましょう。
お茶に関しては東アジアが中心のためエビデンスが少ないのですが、胃がんを減らす可能性があるという研究結果も出始めています。
自動販売機に近づく時には呪文を唱えながら!
もちろん、ジュースを飲みたいなら飲むのも悪くありません。ですが、単に喉が渇いた時に、ジュースなどを買ってしまうのが問題なのです。
人は目的意識を持たずに何か行動すると、魅力的なものに惹かれてしまう傾向があります。だからこそ、喉が渇いているだけでドリンクを買いたいと思った時には、この呪文を唱えましょう。
「水、お茶、ブラックコーヒー」と!
参考文献
著者プロフィール
■稲島司(いなじま・つかさ)先生
東京大学医学部附属病院 地域医療連携部助教 医学博士
2003年東京医科大学医学部を卒業。2008年東京大学大学院医学系研究科を修了。循環器内科の専門診療のほか、外来診療を中心に生活習慣病の予防・改善に携わる。東京大学医学部附属病院では地域医療連携部の専任医師として地域医療機関や介護・福祉施設との連携を推進。論文を中心とした医学エビデンスを紹介しながらの説得力のある講演や著作は人気を博している。内科認定医。循環器専門医。認定産業医、認定健康スポーツ医。
著作に『世界の研究者が警鐘を鳴らす 「健康に良い」はウソだらけ 科学的根拠(エビデンス)が解き明かす真実』(新星出版社刊)、『血管を強くする歩き方: パワーハウス筋が健康を決める』(木津 直昭との共著・東洋経済新報社刊)などがある