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2018.11.15

悪玉?善玉?健康診断の定番「コレステロール」の正体とは

KenCoM編集部

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コレステロールと聞くと、「脂っこいものに含まれていそう」「身体に悪そうなど」割とネガティブなイメージを持ったりしませんか?
悪玉・善玉と言われることもあって、そうしたイメージを抱きがちかもしれません。※かくいう筆者自身も同じだったりします。

そこで、今回は健康診断でよく目にする「コレステロールって何だ!?」をテーマに、KenCoM監修医の石原先生にお話を伺いました。

健康診断で見ている「コレステロール」の正体

身体に不可欠な成分のひとつ

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コレステロールが多いと、血液がドロドロになる。そんなことを考える人がいるかもしれませんが、ちょっと違います。コレステロールは、人が生きる上で必要な成分のひとつで、ステロイドホルモンの原料になったり、細胞に膜をつくるための成分であったりと、無くてはならないものです。よく勘違いしがちなのですが、食事で摂取しているだけではなく、体内でつくりだしているコレステロールもあります。

それではよく耳にする「善玉コレステロール、悪玉コレステロール」とはなんなのでしょうか?

石原先生:「コレステロールは血液中ではタンパク質と結合して、リポタンパクと言われる状態で存在しています。LDLやHDLというのはリポタンパクの種類のことで、これは重さ(比重)で分けられています。LDLコレステロールというのは、LDLに含まれているコレステロールの量、という意味なのです。

よくいわれる善玉はHDLコレステロールで、体内の組織からコレステロールを回収する役目を持ちます。反対に、悪玉と呼ばれるLDLコレステロールは、体内の必要な場所にコレステロールを運んでいるのです。端的にいえば、どちらも必要な成分なんですよ」

悪玉コレステロールは本当に悪なのか?

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必要であれば、なんで悪玉なのか?と思う人もいるでしょう。
実は、LDLコレステロールの値が高い人に対して、コレステロールの値を下げる薬を使うと動脈硬化に関連する病気のリスクが下げられることがわかりました。

石原先生:「LDLコレステロールの値を下げることによって、動脈硬化が引き起こす心筋梗塞や脳卒中などの病気のリスクを下げられることがわかったため、悪玉コレステロールと呼ばれるようになりました。とはいえ、LDLコレステロールの値が高い人が、すべて動脈硬化に関連するリスクが高いわけではありません。

体質(遺伝)で数値が低い人もいれば、女性は閉経後に数値が高くなる傾向にあります。そのため、LDLコレステロールが高い方は、『動脈硬化性疾患予防ガイドライン』に準じて、他の該当項目がないかを調べて治療をするかを決めていきます」。

コレステロールの検査値と一緒に注意すべきポイント

生活習慣によってリスクが変わる

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ここまでのお話で、コレステロールは身体に必要なものであることが見えてきたのではないでしょうか?

そこで、LDLコレステロールの数値が気になる40歳以上の人は、検査値と合わせて「喫煙」「肥満」「高血圧」「耐糖能異常」がないかもチェックしてみましょう。(LDLコレステロールの目安は120mg/dL以上)

石原先生:「仮にLDLコレステロールが高くとも、すぐに病気になるというものではありません。服薬によってLDLコレステロールをコントロールすることができ、動脈硬化をはじめとする病気を予防ができます。だからといって、薬にすべて頼るのはあまりよくありません。副作用が出たり、治療のコストもかかるため、まずは生活習慣を見直すことで、数値の改善に挑んでください」。

脂質異常症はコレステロールのバランスが崩れていること

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石原先生:「前述で悪玉コレステロールの値が、動脈硬化を含む様々な病気に関連していると見られ、コレステロールの異常は、高脂血症と呼ばれていました。しかし、善玉コレステロールは低い方が動脈硬化を進めるので、脂質異常症として包括的に呼ばれるようになったのです。

コレステロールの基準値は1つの目安に過ぎませんから、数値だけに一喜一憂はしないようにしましょう」

コレステロールが気になったら、まずは生活習慣の改善を

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「今年の健康診断もコレステロールでひっかかった」という方、健診結果をそっと閉じて見なかったことにしていませんか?
医師に相談をしつつ、食事や運動といった生活習慣を見直すことを考えてみましょう。

昨今ではコレステロール対策を目的とした、特定機能性表示食品が登場していますが、薬ではないため確実に効果があると保証されているものではありません。そのため、「日々の飲み物をトクホに変えた」だけではやや心もとないものです。

治療が必要なのか、それとも体質的なものなのか。
自分の身体としっかり向き合って、健康のために次のステップに踏み出してもらえたら幸いです。

(取材・文 KenCoM編集部)

参考

監修医プロフィール

石原藤樹(いしはら・ふじき)先生
1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。2015年8月六号通り診療所を退職し、北品川藤クリニックを開設、院長に就任。著書に「誰も教えてくれなかったくすりの始め方・やめ方-ガイドラインと文献と臨床知に学ぶ-」(総合医学社)などがある。

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