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2018.09.07

これなら続く!医師が薦める歩きの習慣化方法

KenCoM編集部

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寿命や健康寿命を伸ばしてくれる可能性を秘めた「歩く」こと。
効果的に歩くには、いくつかコツがあるようです。
今回も東京大学医学部附属病院の稲島司先生にわかりやすく解説いただきました。

■歩きの健康的なメリットはこちらでチェック

「歩く」の健康効果を得るためには「速さ」が大事

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歩く健康効果はたくさんありますが、これらの効果を得るために必要なことがあります。それが「速度」です。

実は、同じ距離を歩くにしても、速歩きをした方が健康効果を高めることができるのです。
その速度ですが、一般的に時速5〜6km程度と言われています。
これは東京に住んでいる方ならさして速いスピードではありませんが、地方の方だと少し速く感じる程度のスピードです。
いわゆる「せかせか歩いている」程度と覚えておくといいでしょう。

ちなみに歩数としては8000歩程度で構いません。むしろ歩数よりも速度を重視することが大事となります。

努力は不要!我慢0で続ける方法

また、速く歩くのも大事ですが、定期的に続けないと、なかなか効果も出てきません。

とはいえ、「毎日速く歩く時間を作る」というのを目標に定めるのはハードルが高い話です。実は私が治療の中で患者さんに進めていないのは「歩く量を増やすこと」と「食事の量を減らすこと」です。どちらも人間に我慢を強いるため、長く続かないケースが多いのです。
そこで取り入れて欲しいのが、いつもの動きに加えることと、仕組みを作って習慣化することです。

①いつもの動きに加える

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まずやって欲しいのが普段の歩きを速歩きに変えることです。新たに歩く機会を増やしたり、時間を長く取る必要はありません。普段通りの生活で出てくる動きを少し変えるだけでいいのです。
ちなみに前述した通り時速5~6kmで歩くのがいいのですが、これを意識しすぎる必要もありません。歩いているときに、隣の人よりもほんの少しだけ速く歩くことを意識するだけでいいのです。

これだけでかなり歩きの質を変えることができます。更にいえば、速く歩くことで時間的余裕も体力的余裕もできてくるので、歩く距離が伸びてきやすくもなります。

②仕組みを(無意識で)作る

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次にやって欲しいのが仕組み化になります。と言っても難しいことではありません。小さい歩数計を購入していつも持ち歩くだけです。KenCoMアプリなら歩数計がついていますので、いつも持ち歩く形でも構いません。
人間という生き物は不思議なもので、何もしなくても測るだけで、その結果を自分の中でフィードバックするようにできています。ふと歩数計を見たときに7000歩程度だったら、つい8000歩、10000歩とキリのいい数字を目指したくなります。

歩きとは違いますが、ダイエットに関して同様の結果が出ている論文があります(※1)。
アメリカで行われたこの研究によると、ダイエットに有効な方法は毎日体重を測ることだというのです。これは特に記録をすることが前提になっていません。ただ測るだけの結果です。
ですが、体重が増えたら、その原因を考え取り除こうとする無意識の動きが生まれるようなのです。

これと同じように、歩数を測って何気なく見ていると、いつの間にか歩数を増やす仕組みを、頭が勝手に作ってくれるようになります。

無理せずに続けることが成功への第一歩

目標を決めて達成しようと頑張ったり、わざわざ記録を残そうとするとそれは心の負担になります。結果挫折してしまうことがあると失敗体験として頭の中に残ってしまい、また始めるまで時間がかかってしまうことの方が多いのです。
それに比べて、自分の生活の中に負担にならない程度に物事を足していけば、小さな達成感を得ながら身につけることができます。

キーワードは
無理をしない。
いつもの動きに加える。
頭に勝手に仕組みを作ってもらう。

これだけです。
これだけ気をつけながら、歩くことを始めてみてください。半年、1年後にはその効果を体感できているはずですよ。

稲島司(いなじま・つかさ)先生

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東京大学医学部附属病院 地域医療連携部助教 医学博士

【プロフィール】
2003年東京医科大学医学部を卒業。2008年東京大学大学院医学系研究科を修了。循環器内科の専門診療のほか、外来診療を中心に生活習慣病の予防・改善に携わる。東京大学医学部附属病院では地域医療連携部の専任医師として地域医療機関や介護・福祉施設との連携を推進。論文を中心とした医学エビデンスを紹介しながらの説得力のある講演や著作は人気を博している。内科認定医。循環器専門医。認定産業医、認定健康スポーツ医。
著作に『世界の研究者が警鐘を鳴らす 「健康に良い」はウソだらけ 科学的根拠(エビデンス)が解き明かす真実』(新星出版社刊)、『血管を強くする歩き方: パワーハウス筋が健康を決める』(木津 直昭との共著・東洋経済新報社刊)などがある

参考文献

(取材・文・撮影/KenCoM編集部)