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2018.08.10

もし「熱中症」になってしまったら!?医師が教える有効な対処方法

KenCoM編集部

前回の記事では、「熱中症」とは何か?どんなことが原因で、ならないための防止対策をご紹介しました。

ここでは、熱中症になってしまったらどう対処するのが正しいのか?引き続きKenCoM監修医の石原藤樹(いしはら・ふじき)先生に、具体的な対処方法について教えていただきました。

重症度別に対策法は異なる!

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石原先生「主に、脱水症状、めまい、頭痛、筋肉のけいれん(攣る)、発熱、意識を失うなど様々で、ひどい場合は命を脅かすことにもなりかねません。具体的に症状の度合い(一度~三度)とともに、対策まで含めてご紹介します」

熱中症一度

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軽症。多くの人がこちらの症状を発症する。具体的な症状は、こむら返りや立ちくらみ、めまいなど。脱水症状などによって体内の電解質(イオン)のバランスが崩れることで起きるもので、筋肉のけいれんを引き起こす。以前は熱痙攣(ねつけいれん)とも言われていたもので、自宅で対処することが可能。

熱中症一度の対策方法

涼しい場所に移動する

スポーツドリンクなどで水分補給する

足を少し高く上げて頭を下げて横になる

服は脱いで締め付けをなくす

皮膚温度が高いときは水をかける

脇や首元、鼠径部などを冷やす

石原先生「立ちくらみやめまいを感じたら、すぐに涼しい場所に移動して水分補給を行いましょう。このとき汗と一緒に体内から電解質やカリウムも出てしまっているので、それらが一緒にとれるようなスポーツドリンクも効果的です。

また、横になる場合は足を高く上げて頭を下げるようにしましょう。これによって心臓に戻る血液量を増やすことでめまいなどの回復につながります。そのときは、服の締め付けがよくないので、服を脱がせるか、締め付けのないものを着用します。

さらに、皮膚温度が高いと思ったら水をかけるのもポイントです。それによって汗と同じように、水分が皮膚上で気化するときに熱が奪われるので、熱を下げてくれる効果が期待できます。太い血管が通っている脇や首元、鼠径部を氷嚢などで冷やすのも身体の熱をなるべく早く下げるときの秘訣です」

【POINT】治ったと油断しない!

石原先生「一旦よくなっても、その日は決して無理してはいけません。よくなったからと言っていつも通りに活動してしまうと、逆に悪くなる要因になってしまいます。また、たとえ温度の高いところではなくても、長い時間外で作業をした場合に筋肉痛やめまい、吐き気があったら、これも熱中症です。ただちに上記の対策を行ってください」

熱中症二度

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めまいが悪化して疲労感が強くなり、頭痛や吐き気、下痢になる。そして体温が上がり熱を出す。体温が38度以上になると非常に悪い状態。

熱中症三度

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熱中症二度の状態が悪化して、意識レベルが低下。周りからの問いかけにも答えることができない状態。命のかかわる非常に危険な状態。

熱中症二度と三度の対策方法

ただちに病院へ!

石原先生「熱中症二度は、非常に危険な状態ですのでただちに病院に行きましょう。ただのめまいや体調不良だと思っていると、脱水や体温の上昇が続き、心肺機能にも影響を及ぼします。自分の足で来られない場合は、救急車を呼ぶことをおすすめします。また熱中症三度の方は周りの方の手助けが必要となります。もし街中でうずくまっているような状態の方を見かけた場合は、意識があるかどうか確認をしてすぐに救急車を呼びましょう」

軽い自己診断は危険!

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熱中症一度の軽症ならば問題はありませんが、めまいがして放っておいたら、一気に意識が遠いたという場合もありますので、甘い見立ては厳禁です。少しでも熱中症の症状が現れたら、まずは落ち着いて涼しいところに移動して電解質を含んだドリンクで水分補給を行いましょう。

正しい対策ができれば熱中症も怖くありませんよ!

監修医プロフィール

■石原藤樹(いしはら・ふじき)先生
1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。2015年8月六号通り診療所を退職し、北品川藤クリニックを開設、院長に就任。著書に「誰も教えてくれなかったくすりの始め方・やめ方-ガイドラインと文献と臨床知に学ぶ-」(総合医学社)などがある。
・略歴
東京医科大学地域医療指導教授/日本プライマリ・ケア連合学会会員/医師会認定産業医/医師会認定スポーツ医/日本糖尿病協会療養指導医/認知症サポート医
・発表論文
-Differential metabolic requirement for initiation and augmentation of insulin release by glucose: a study with rat pancreatic islets. Journal of Endocrinology(1994)143, 497-503
-Role of Adrenal Androgens in the Development of Arteriosclerosis as Judged by Pulse Wave Velocity and Calcification of the Aorta. Cardiology(1992)80,332-338
-Role of Dehydroepiandrosterone and Dehydroepiandrosterone Sulfate for the Maintenance of Axillary Hair in Women. Horm. Metab.Res.(1993)25,34-36

(取材・文/KenCoM編集部)

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