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2018.08.11

つらい“夏の食あたり”にご用心!予防方法と事後対策!

KenCoM編集部

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前回の記事では、KenCoM監修医の石原藤樹(いしはら・ふじき)先生に、夏の食あたりとは何か?またその種類について教えていただきました。

今回は、その具体的な対策方法と、食あたりになってしまったらどうしたらよいのかについてです。

夏の食あたりを予防する方法

石原先生「夏の食あたりを予防するためには、主に生食を避けることが有効な手段のひとつです。すべてを避けることは難しいと思いますが、どうしても食あたりになることを避けたいような、大切なイベントの前などは特に注意したいところです」

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予防方法① 生肉・生魚に注意する!

石原先生「生肉や刺身に菌がいることが多く、その大半は加熱することによって殺菌することができますので、火をよく通したものであれば、食あたりのリスクを減らすことができます。

すべて避けることは難しいと思いますが、選べるのであれば生よりも火を通したものが取れたらベターです」

予防方法② 生野菜も注意が必要!

石原先生「食中毒になりやすい代表的な食物としては、生野菜もあげられます。これはもともと細菌が付いている場合と、まな板や包丁、手などが汚染されている場合とがあります。調理や盛り付けの際には、手や調理器具を清潔に保ち、野菜をしっかり洗うなど注意が必要です」

予防方法③ カキの生食を控える!

石原先生「食中毒になりやすい代表的な食物としては、生ガキも挙げられます。こちらは低い温度で増殖しやすいため冬に多いノロウウイルスの原因にもなるものですが、夏でも発症します。なるべく火を通したものを食べるようにしましょう」

食あたりになりやすい人の特徴

腸の免疫力が低い高齢者や子供

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石原先生「夏の食あたりは、細菌の感染とその増殖によって引き起こされます。そのため、腸の中に入り込んだ悪い菌に対抗するための免疫力が低い、高齢者や小さなお子様は、特に注意が必要です」

胃炎を患っている場合

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石原先生「胃酸によってある程度の殺菌効果はありますが、100%ではありません。また胃炎などを患うことで胃酸の出が悪くなりますので、お腹の調子が悪い時は特に生食を避けるようにしましょう」

生食や冷たいものを好んでとる人

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石原先生「食あたりは生食による細菌の感染が主な原因のひとつとお伝えしました。ですから、当然、生食を好んで食べる方は食あたりになりやすいと言えます。また、冷たいものを大量に食べることで腸内の消化機能が低下しますので、細菌への抵抗力も低くなってしまいます。冷たいビールが美味しい季節ですが、食あたりの観点からも飲み過ぎには注意しましょう」

食あたりになってしまった後の正しい対処法

常温の水をとるようにする!

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石原先生「食あたりになると、お水を飲んでもうまく吸収されずに、嘔吐や下痢などで体外に排出され、脱水症状になってしまうことも少なくありません。症状が発症して半日くらいでようやく水分がとれる状態に回復していきますので、まずは水分を少しずつとるようにしましょう。このときには冷たい水分ではなく、常温の飲み物を。常温の方が身体への吸収もよく、負担をかけないためです。下痢や嘔吐ではナトリウムやカリウムなどの電解質も失われますので、スポーツドリンクや薄めたリンゴジュースなどを利用することもおすすめです」

消化吸収のよい食事をとる!

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石原先生「症状が落ち着いてきたら、いきなり通常の食事に戻すのではなく、まずは水分を少しずつとりながら、おかゆなどの消化吸収のよいものを食べるようにします。なるべく胃腸に負担のかからないものを選ぶことで、元の状態に早く回復させることができます」

市販の薬は、ちょっと待った!

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石原先生「食あたりの場合は、市販の薬は避けたほうがよいでしょう。一見食あたりに効きそうな、整腸剤や下痢止めなどは、排出を止めてしまうので菌が腸内にとどまることになります。嘔吐や下痢は、悪い菌を外に排出するために行われているものですので、出せるものは出し切るほうがよいのです。ただし、これは食あたりになってしまった場合であって、市販の薬がすべてダメというわけではありません。用途に合わせて使い分けることをおすすめします」

症状が何日も続く場合は病院へ!

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石原先生「食あたりの症状は通常であれば1日でかなり回復しますが、それでも収まらないような場合にはすぐに病院に行き、正しい処方をしてもらいましょう。薬の処方や、ひどい場合は点滴などによって対応する場合もあります」

正しい知識と対策で「夏の食あたり」を予防!

夏の食あたりは、しっかり予防をしていても思わぬところでなってしまう場合もあります。また、なってしまったとしても落ち着いて対処するようにしましょう!

楽しい予定がたくさん詰まった夏の行楽時だからこそ、それを存分に満喫するために、しっかりした対策ができるとよいのではないでしょうか?

監修者プロフィール

■石原藤樹(いしはら・ふじき)先生
1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。2015年8月六号通り診療所を退職し、北品川藤クリニックを開設、院長に就任。著書に「誰も教えてくれなかったくすりの始め方・やめ方-ガイドラインと文献と臨床知に学ぶ-」(総合医学社)などがある。

(取材・文/KenCoM編集部)

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