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2018.06.26

男だらけの組織で「異物」として生きる知恵|「紅一点の孤独」にどう向き合うか

東洋経済オンライン

周りが男性ばかりでなんだか疎外感を感じてしまうとき、自分にできることとは?(写真:psisa/iStock)

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周りが男性ばかりでなんだか疎外感を感じてしまうとき、自分にできることとは?(写真:psisa/iStock)

結婚・出産で大きく変化する女子の人生は、右にも左にも選択肢だらけ。20代はもちろん、30代になっても迷いは増すばかり。いったいどの道を選べば幸せに近づけるのか? 元リクルート“最強の母”堂薗稚子さんがお答えします。

※お悩み相談はこちらのアドレス(onnaーsodan@toyokeizai.co.jp)まで

【ご相談】

私が勤める会社は、女性管理職比率がとても低いです。管理職になって1年ちょっとですが、全国から管理職が集まる会議に出席すると、女性はほんの数人で、若手の女性は私一人。会議の合間や終了後などに、男性管理職同士で雑談や情報交換をしたり、食事に行ったりしているようなのですが、私はもちろん女性にはまったく声がかかりません。かといって女性同士で話すわけでもなく、話したいわけでもなく、孤独感があります。

同じ立場の若手男性管理職は、場になじんでいて、その様子を気にしないようにしていても、どうしても気になってしまいます。仕事上の人間関係の中で得られる情報もありますし、経験豊かな先輩管理職から学びたいこともたくさんあるのに、女性というだけで、仲間にも入れてもらえないなんて……と悔しくなります。どうすれば、男性管理職たちの輪にもうすこし近づけるでしょうか。アドバイスいただきたいです。

女性側の自意識過剰?

組織で働く女性に話を聞くと、男性比率の高い職場での振る舞いに迷う、という声を耳にすることがあります。特に管理職以上のポジションでは、日本は、まだまだ女性が少ないのが実態。あなたと同じように感じている女性管理職も多いかもしれませんね。


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私も企業に勤めていた頃、課長クラスまでは女性が一定以上いたのに、それ以上になると女性が激減するということを体験しています。年齢が高めの男性管理職に混じって会議に参加して、なんとなく居心地が悪い、悪目立ちしている気がする、そのような気持ちはよくわかるつもりです。

自意識過剰と言われてしまえばそれまでですが、国会などで女性議員に感じてしまう「色物感」のようなもの、外見から言動までひととおり観察されるような視線、男性同士の結束した仲間感やそこでの疎外感、そういった空気は実際にあるのではないかと、私は思います。もちろん、「仲間になんか入らなくて結構」と言う人もいるでしょう。でも、そこまで言い切れない寂しさを感じる人もきっといるのではないでしょうか。

私自身も、ある程度の時間を経て、この居心地の悪さが気にならなくなった後、実際に男性管理職にこの実感について話してみたことがあります。その時、ある人は「そんなこと感じていたの? オレたち、なんとなく人見知りしていただけだよ」と驚いた様子で言いました。なんだよ、人見知りって、と思いつつ、男性陣に悪意はまったくないのだなと感じたことを覚えています。

男性ばかりの組織において女性は「異物」

まずは、この「悪意はない可能性が高い」ということを私たちは知るべきでしょう。一方で、警戒されているのは確実です。それは、男性ばかりの組織、集団にとって、私たち女性は「異物」だから。同類ではない女性に対して、「どう接するべきか」決めかねているということです。

それでは、打ち解けるために、同類にならなければいけないか、というとそんなことはない。「どう接するべきか」をじっくりと観察してもらったうえで決めてもらえばいいだけです。

ハラスメントリスクが高まる中、「紅一点」的な女性への接し方を間違えれば、セクハラ問題に発展すると慎重になる男性もいるでしょう。「自分たちのポジションをおびやかす存在になるかもしれない」と思う男性だっているかもしれません。

理由はそれぞれですが、彼らは、その女性がどのような言動をする人か、周囲が彼女とどう接するかを見極めてから、自分の出方を決めるはずです。だから、うっかりじろじろ観察してしまい、その視線を女性たちが感じてしまうのです。そして、こちらも気づかないふりをして、この様子を観察して出方を考えています。双方で「遠巻きに様子見」しているのが実態だと思います。

だとすれば、こんなときは、無理に仲間入りしようとしないこと。また、「それならいい」とばかりに頑なな態度を取らないこと。このふたつが重要なのではないでしょうか。

たとえば、上司が部下と連れ立って「喫煙ルーム」に行き、情報交換したり物事を決めたりしているのが腹立たしい、と言う人がいます。冷静に考えれば、喫煙場所で大事なことを決断したり、重要な情報をやり取りしたりすることは、ほとんどないはずです。飲みにケーション的なものもそうです。さまつな情報交換によって親密なコミュニケーションはうまれる可能性はもちろんあるでしょうが。つまり、それらに加わっても、仲間意識と親密さが増すだけのことだと思えば、あなたが神経をすり減らすほどのこともないのです。

女性同士で会話するときに、別に男性に聞かれたくない話をしているわけでなくても、無理に割って入ってくる男性がいたら、少し違和感を感じるでしょう。それと同じことです。逆に反感を持たれたところで、それも困りますよね。そう考えれば、男性が多い集団に無理に割って入ることも、「仲間外れ」と過剰に反応することも、あまり得策ではないとわかるはずです。

私も、「オトコの中にオンナがひとり」といった集団に属していたときは、ゴルフも飲み会や雑談も、「オトコ同士の楽しみだな」と思えば、「いってらっしゃい」と送り出すスタンス、席を外すくらいの気持ちでいました。寂しがったって、完全同化して仲間になるなんて現実的に不可能です。

ちやほやされるのも、誘われないのも、女性が男性仲間にとっての「異物」だから。紅一点というのはそういうことだと思うのです。

いい仕事をすることで仕事仲間と認識されよう

まずは、仕事仲間として認識されるように、普通に、共にいい仕事をするのがいちばんです。仕事上での「異物」にならなければ、自然とコミュニケーションも生まれることでしょう。

仕事以外でも、もっと親しく語り合える関係性を築きたい、ということであれば、あなたにとって、場になじんでいるように見える若手の男性管理職に、「私が混ざってもいい機会があったら声をかけてほしい」とお願いしてみてはどうでしょう。「楽しそうだから」「もっと皆さんと話したい」と率直に話してみたら、気にかけて声もかけてくれるかもしれません。

どちらにしても、「紅一点」というだけで特別な存在になってしまうのは、ある意味、当然のことです。

そもそもこの状態を作っているのは、今いる男性管理職ではなく、これまでの社会です。悪気なく、なんとなく好奇の目で女性管理職を眺めてしまう男性管理職を責めても、何も生まれません。騒いだりすねたりすれば、余計に距離を置かれ、逆効果になるだけでしょう。

ともかくも、ちゃんと良い仕事をし、仕事へのアドバイスを求めたり学んだりして、あなた自身が管理職として成長し、「唯一の若手女性管理職」といった認識を変えていくことです。うじゃうじゃ女性管理職がいる状態になれば、また違った人間関係も生まれてくることでしょう。発展途上の中での紅一点は、悩ましいことや苦しいことも多いかもしれませんが、貴重な経験と考えて、「仕事上で学びたい」という本来の目的に照らした言動に徹することがいちばんなのではないでしょうか。

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堂薗 稚子:ACT3代表取締役

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