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2018.07.13

今すぐできる!栄養士が教える、気になる体臭を抑える食事術

KenCoM公式:管理栄養士・圓尾和紀

暑くなり、よく汗をかくようになると自分の体の臭いが気になってきませんか?

体臭を防ぐためにはきちんと入浴する、汗拭きシートやデオドラントスプレーを使うなどの”体の外からのケア”の他に、食べものに気をつける”体の内側からのケア”が重要です。今回は食べものでイヤ〜な体臭を防ぐ方法をご紹介します。

まずは、体臭に関わる食材を知ろう!

「肉を食べると体臭がキツくなる」って、本当?

これは本当です。

そもそも体臭の原因なのですが、かいた汗そのものは臭いがありません。しかし、これが体から分泌される代謝産物や、皮脂腺から分泌される皮脂などと混ざり、それを微生物が分解することによって臭いが発生すると言われています。

脂質を多く含む肉を食べると、皮脂腺から分泌される皮脂の量が増えて体臭につながるのです。肉だけでなく、チーズやヨーグルトなどの乳製品もとりすぎると体臭につながる可能性があります。

また、肉をとりすぎると腸内でできる代謝産物により、体臭だけでなく便の臭いもキツくなります。もし便の臭いがキツイなと感じたら、体臭もキツくなっている可能性があるので注意が必要です!

ニオイをきつくしてしまう食材は他にもある!

体臭をキツくする食べものは肉だけではありません。

たとえば、「ニンニク」や「ニラ」などを多く食べると口臭がキツくなりますよね。その原因は、それらの成分に含まれる「アリシン」という物質によるものです。しかし、この口臭は一時的なもので、アリシン自体は疲労回復効果のあるビタミンB1の作用を強めてくれる働きもあるので、TPOを考慮してうまく付き合いたい成分です。

また、「お酒」もニオイの原因になります。これはお酒に含まれるアルコールが体内で代謝される際に発生する「アセトアルデヒド」という成分が原因です。よく聞く「酒臭い」はこの物質によるもの。お酒を飲みながら焼き肉というのは、とっても美味しいのですが、体臭の観点ではあまり良い組み合わせではありません。頻度に気をつけましょう。

体臭を抑えるために必要な3カ条!

1 発酵食品を積極的にとろう!

オススメなのが発酵食品をとり、腸内環境を整えることです。

先ほど挙がった体臭をキツくする食材を多くとってしまうと、腸内環境が悪くなります。それによって体臭はもちろんですが、便も臭う原因になります。

しかし、ぬか漬けなどの漬物や納豆、味噌や醤油に酢、甘酒など、さまざまな菌を含んでいる発酵食品をとることで、善玉菌のエサとなって腸内環境を良くします。

また、こういった食材や調味料を使った和食を意識してとると、脂質の摂取量を抑えられて食物繊維も多くとれるので、ダイエットにも効果的と一石二鳥以上の効果がありますよ。

2 オリゴ糖や食物繊維を含んだものを食べよう!

オリゴ糖や食物繊維を多く含んだ食品も有効です。具体的には野菜や果物、きのこや海藻類、そしてお米や大豆などの穀物です。

最近では糖質制限の流行で穀物をとらない人が増えていますが、それによって食物繊維の摂取量を減らすと同時に、たんぱく質や脂質の摂取量が増えてしまい、体臭を助長させる原因となります。

3 体臭の原因になる食べ物は控えめに!

体臭を抑えるためには、その原因となる食べ物をとりすぎないことも大切です。肉を食べてはいけないわけではありませんが、続かないように気をつけたほうがベターです。

私も仕事柄、試作などで肉を食べることが続いたり、量を食べすぎたりすると顕著に体から出る臭いが変わるのがわかります。

たんぱく質をとるのには、何も肉だけではありません。魚や大豆製品も上手に活用しましょう!

ニオイの元は身体の中から対策

実は私も、普段の食事を日本の食事主体に変えてから体が臭わなくなったのを実感している一人です。

汗をかきやすい体質のため、以前は夏になると自分でも臭いが気になっていましたが、それが食事を変えてからというもの気にならなくなりました。食事の影響の大きさを理論以上に体で実感しています。

このように日々食べているものによって体臭は抑えることもできれば、キツくなることもあります。いくら消臭スプレーで臭いをごまかしたところで、対症療法に過ぎません。

もしも体臭が気になったり、指摘されたことのある人は、一度食生活を振り返ってみましょう。

臭いが発生する元をコントロールすることで、嫌な体臭を抑える根本的な対策を!

著者プロフィール

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■圓尾和紀(まるお かずき)
“日本人の身体に合った食事を提案する”フリーランスの管理栄養士。日本の伝統食の良さを現代の生活に活かす「和ごはん」の考え方を伝えている。『一日の終わりに地味だけど「ほっとする」食べ方』がワニブックスより発売中。

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