メニュー

2018.06.08

20代が「投資を始めるとき」の4つの鉄則|まずつみたてNISAとiDeCoについて学ぼう

東洋経済オンライン

10年で1000万円の資産をつくることは、無理な目標ではありません(写真:EKAKI/PIXTA)

参照元:https://toyokeizai.net/articles/-/223652?utm_source=deschl&utm_medium=http&utm_campaign=link_back&utm_content=article

10年で1000万円の資産をつくることは、無理な目標ではありません(写真:EKAKI/PIXTA)

次の項目に2つ以上当てはまる人はおカネを貯められないタイプかもしれません。

1. 家計簿や家計簿アプリを使っていない。または挫折した

2. スマホや生命保険を安いものに変えようと考えたことがあるが、やっていない

3. 一攫千金を目指すタイプだ

4. 月々の支出を把握しているとは言えない

当てはまってしまった方でも、40の鉄則を守れば「貯金体質」になることは可能だとフィナンシャルプランナーの横山光昭氏は説きます。本稿では、横山氏が上梓した『めざせ1000万円! 20代からの貯金と投資の鉄則』から一部を抜粋し、着実におカネを得られる方法を紹介します。

鉄則:銀行・証券会社が勧める投資信託は買わない

銀行や証券会社の窓口では、手数料の高いものを熱心に勧めます。

投資信託という商品は、投資信託運用会社が作ります。それを売っているのが、銀行や証券会社です。つまり銀行や証券会社は、投資信託の販売代理店なのです。

販売代理店としては、少しでも自分たちの利益になる商品を売りたがります。

手数料には販売手数料と運用管理手数料があります。これらの手数料は、販売代理店である銀行や証券会社の利益になります(運用管理手数料は運用会社、信託銀行にも分割して支払われます)。ゆえに、窓口では特に販売手数料が高い投資信託を熱心に勧めます。

私はネット証券で投資信託を買うことを勧めていますが、それにはこういった背景があります。SBI証券や楽天証券などのネット証券では、手数料を極力安くした商品を、豊富に扱っています。

ポイント:手数料が高くなればなるほど、投資するうまみは少なくなる。

鉄則:個別株・FX・外貨貯金などには手を出さない

世の中には、個別株(投資信託ではなく、個別の企業の株)・FX・外貨預金・先物取引・不動産投資など、いろいろな投資の対象があります。

初心者の皆さんはこれらには手を出さないでください。ばくちのようなものです。

投資信託も価格は上下します。そのため投資信託は複数の資産や、複数の株式に投資するなどしてリスクを分散しています。

リスクとは、価格が上がったり下がったりする振れ幅のことを言います。振れ幅が大きければ大きいほど、ばくちの要素が強くなります。世間で「儲かる」といわれている上記のような商品は、振れ幅が大きなものばかり。手を出してはいけません。

ポイント:大きくもうかると言われる投資の対象は、大きく損をする可能性も高い。価格の振れ幅が大きい投資には、手を出さないこと。

鉄則:つみたてNISA(ニーサ)を活用する

NISA(少額投資非課税制度)という国が作った制度があります。

2014年から始まっている通常のNISAと、2018年の1月から新たにスタートした「つみたてNISA」という、2つの種類があります。ともに「税の優遇措置」が受けられる投資の制度です。

税の優遇処置とはどういうことかと言うと、通常、投資で利益を得た場合、利益に対して20.315%(以下、20%と表記します)の税金を払わなくてはなりません。仮に100万円の利益が出たら、そこから20万円の税金を払います。実際に手に入るのは、80万円です。

ところが、このNISAという制度を活用して投資した場合、100万円の利益が出ても税金を払う必要はなく、まるまる100万円が手に入るのです(ただしNISA口座で譲渡損が出ても、ほかの口座の譲渡益や利子、配当と通算できないという面もあります)。

なぜこのような制度を、税金を取る立場の国が作ったのでしょうか。それは、現在の日本では、多くの人が貯金ばかりをしていて投資をしないからです。

安全な投資をすれば、将来の自分の資産が増えて有利になります。ところが、投資に対して怖いイメージがあるため、多くの人がなかなか貯金から離れようとしません。それならば、投資によって得られる利益に税金をかけないで、まるまる利益を得られるようにして、国民の意識を貯金から投資に向けさせようとしているのです。

このような理由でNISAという制度が始まりました。ただ、通常のNISAは使い勝手が悪く、私はかつて出版した本で批判的に取り上げたことがあります(通常のNISAについては金融庁のホームページなどでご確認ください)。

通常のNISAよりも、今後は「つみたてNISA」が主流になると思いますので、ここからは、つみたてNISAに関して説明をしていきます。

つみたてNISAは、投資信託を購入する際に活用できるもので、1年間の投資金額の上限が40万円まで利用できます。

どういうことかと言うと、あなたが2018年の1年間に40万円の投資信託を購入して、それが将来140万円になったとします。40万円がもとの投資額で、100万円が利益です。通常であれば100万円の利益に20%の税金がかかります。ところが、つみたてNISAの口座を利用して40万円までの投資額で生まれた利益は、それがいくらになろうと非課税です。税金がかかりません。

また非課税が適用される期間は20年間です。つまり、2018年に投資したものが順調に利益を生んでいった場合、2037年までであれば、いつそれを売却して利益を得ても、税金はかからないのです。同様に、2019年に投資したものは、2038年まで非課税です。2020年に投資したものは、2039年まで非課税です。

今のところ、2037年が最後の投資の年とされており、2037年に投資したものは、2056年まで非課税です。年間40万円×20年間ですから、合計で800万円分までの投資金額の枠から生まれる利益が非課税となります。

たとえば10年にわたってインデックスファンドに投資をして利益を増やすことを考えると、つみたてNISAの口座で1年間に40万円まで目いっぱいの投資をして、増えた利益をそのまま受け取るのが最もお得となります。

もちろん、年間の投資金額の上限が40万円という意味ですから、それよりも少額の投資でもまったく構いません。40万円を月額にすると、3万3000円程度になります。

月額3万3000円よりも多くの金額を投資する場合は、iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)や、通常の口座でインデックスファンドを購入すればいいわけです。通常の口座で生まれた利益には20%の税金が課せられます。

通常の口座は、ネット証券につくればよいでしょう。また、ネット証券のホームページから、つみたてNISAの口座開設の手続きができます。

まずは低い積立金額から

つみたてNISAの口座ができたら、低い積立金額で投資信託の商品を買ってみましょう。

投資信託を購入するには、まず証券口座に入金する必要があります。

ネット銀行に貯金があれば、投資信託を購入するためのおカネを、ネット証券に移動させます。この場合、ネット銀行とネット証券が同系列であるとスムーズに手続きが進みます。

入金できたら、ネット証券の中にあるつみたてNISAの口座を使って、投資信託を購入します。そのためには、まず、つみたてNISA口座に、購入する投資信託の商品名(銘柄)を設定します。次にそれをいくらで、どのような間隔、たとえば毎日、毎週、毎月などで購入していくかを設定します。これらの手続きを済ませたら、登録画面を確認して、購入します。

ネット証券のホームページに、つみたてNISAの口座で投資信託を購入する詳しい方法が出ていますので、ご参照ください。

なお、つみたてNISAの口座で買える投資信託の商品には制限があります。金融庁が「つみたてNISA適格ファンド」という認定を出した投資信託しか購入することができません。

次のような感じで、まずは月に1万円を分散して投資してはどうでしょうか。投資金額はもっと低くても構いません。

① 国内株式(TOPIX)   :3000円/月
② 先進国株式インデックス :7000円/月

もしくは、こんな感じです。
① 国内株式(TOPIX)   :3000円/月
② 先進国株式インデックス :5000円/月
③ 新興国株式インデックス :2000円/月

最初は月の積立金額を低くして、投資に慣れましょう。そのうち、毎月の積立金額を増やしていけばよいと思います。

ポイント:つみたてNISAは、若い人が長期の積み立て投資でおカネをつくる際の、絶好の受け皿。ぜひ活用しよう。

鉄則:iDeCo(個人型確定拠出年金)について学ぶ

つみたてNISAと並んで、もうひとつ知っておいていただきたい税の優遇制度があります。iDeCoです。正式名称を個人型確定拠出年金と言います。

月々の掛け金が所得控除の対象になる

年金(公的年金)は、会社員であれば誰でもほぼ自動的に入っています。iDeCoは、それとは別に自分でおカネを積み立て、商品(投資信託や保険、定期預金など)を選んで、老後の年金用として長期にわたって運用するものです。つみたてNISAと同様に、iDeCoも運用して得られた利益に税金がかかりません。さらにiDeCoのすごいところは、月々の掛け金(拠出金)が所得控除の対象となることです。

どういうことかと言うと、毎月の給料から企業年金に加入していない会社員の拠出上限金額である2万3000円をiDeCoに拠出した場合、その掛け金が全額所得控除の対象になります。2万3000円×12カ月で、年間27万6000円分の給与所得が所得税と住民税の対象から外れます。

これは、非常に大まかに言うと1年間で5万円程度の節税につながります(27万6000円分の所得控除が受けられるので、住民税が10%で所得税が10%だとすると、税率の合計は20%。そうなると、27万6000円×20%=5万5200円分が節税となります。詳しくは「iDeCoナビ」のホームページをご確認ください)。

またiDeCoに積み立てたおカネを老後の年金用として受け取るときにも、「公的年金等控除」などの所得控除が受けられます。具体的には、一時金の場合は「退職所得控除」、年金として受け取る場合は「公的年金等控除」が受けられます。

つみたてNISAは金融庁が認定した投資信託のみが投資の対象でした。

一方、iDeCoは投資信託だけでなく、保険や定期預金などの元本確保型の商品におカネを積み立てることもできます。

2017年1月から法律が変わり、一部の例外を除いて、ほとんどの会社員、公務員、主婦がiDeCoに加入できるようになりました。

一部の例外とは、60歳以上、海外に住んでいる、国民年金を払っていない、企業型確定拠出年金をしておりマッチング拠出をしているとか、規約で認められていない、などの場合です。

また、月々のiDeCoへの掛け金の上限は、その人が勤めている会社が加入する企業年金の種類により、1万2000円・2万円・2万3000円と変わります。

もしiDeCoに興味があれば、自分はiDeCoに加入できるのかどうか、できるとしたら月の掛け金の上限はいくらなのかを、勤務先の総務部などに聞いてみるといいでしょう。iDeCoの照会資料は、ネット証券のホームページから請求できます。

今後の積み立て投資の受け皿として、つみたてNISAと併せてiDeCoも活用することを検討するとよいと思います。非課税の効果は、つみたてNISAよりもiDeCoのほうが大きいです。

iDeCoは60歳まで引き出せない点に注意

ただしiDeCoには、若い世代の皆さんにとっていくつか使いづらい点があります。まずiDeCoは年金(老後の蓄え)用として拠出していくものですので、原則として60歳になるまでおカネを引き出すことができません。その点、つみたてNISAはいつでもおカネを引き出すことができます。


『めざせ1000万円! 20代からの貯金と投資の鉄則』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

またiDeCoは、いったん始めたら60歳まで原則としてやめることができません。途中で解約することが原則としてできないのです。仮に毎月の投資金額を払うのが厳しくなってきた場合、掛け金を月額5000円まで下げることはできます。支払いが本当に厳しい場合は、積立金額をゼロ円にすることもできます。ただしその場合も手数料は取られてしまいます。つまり自由度が低いのです。

一方、つみたてNISAは、おカネが必要になったときに下ろすことができますし、解約もいつでもできます。自由度が高いのです。

10年で1000万円の資産をつくることを目標にしていて、1000万円を何かに使う予定があれば、当面の運用の受け皿はつみたてNISAがよいと思います。10年後に大きなおカネを使う具体的なプランがなく、1000万円の資産をつくること自体が目標であれば、つみたてNISAとiDeCoの両方でおカネを積み立てていくのもいいと思います。

あなたの目標に応じて、つみたてNISAとiDeCoをどう使いこなすかを、検討するとよいでしょう。

ポイント:人生プランに応じて、つみたてNISAとiDeCoを使いこなそう。

記事画像

横山 光昭:家計再生コンサルタント

【あわせて読みたい】 ※外部サイトに遷移します