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2018.05.04

生活の中で自然と運動量をアップする方法【教えて!保健師さん#4】

KenCoM編集部

「健康のためにジョギングしよう」
「お腹を凹ませたいから腹筋しよう」

おそらく、すべての人が人生の中で1度はこう思ったことがあるのではないでしょうか?

しかし、運動を続けることは、本当に、本当に難しいことですよね。

メタボ対象になった人であれば、「行動目標」として毎日どれぐらい運動するのかを決めたかと思います。

どうやったら完遂できるのかを、保健師の白田さんにお聞きしました。

スポーツではなく、動くことを意識する

―ダイエットのために運動をしようと思っても、中々続きません。どうすればいいのでしょうか?

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(白田さん)私も無理です。ジムに入会しても続けられる自信はありません。とはいえ、できることを一歩ずつやらなければ、何も変わらないのも事実です。

40歳を過ぎればどんどん落ちていくので、何か一つでも取り組めるといいですね。一番手軽なのはスクワット等の筋トレでしょうか。「このくらいならずっと続けられそう」というくらいからスタートすることがポイントです。やりたくないこと、辛いことは誰しも続きませんよね。

ー運動に関してはどんなアドバイスをしますか?

(白田さん)職域や個人の嗜好によって異なります。例えばデスクワーカーやドライバーといった仕事の人は、座る時間が長く、腰痛を抱えているケースがあるので、腰を動かすストレッチなど提案したりします。

また、いきなりスポーツをするのはハードルが高いので、1時間に1度は少し遠いトイレに行く、ランチは少し遠めのお店を選ぶ、ランチは少し遠目のお店を選ぶ、資料のコピーを後輩に頼まず自分で取りに行くなど、極力動くことを心がけてもらいます。

車での外回りが多い人なら、少し遠くの駐車場に車を停めて歩く量を増やすとかです。

最適な運動習慣の作り方は人それぞれ

―意識してみると動くチャンスがありますね。個人の嗜好とはどういうことでしょう?

(白田さん)学生時代に体育会系だった人は、運動すること自体に割と抵抗がなく、むしろ身体を動かすのが好きなんて言われたりします。

そういう場合は、意外と筋トレやランニングなど、少しハードなスポーツでもこなせる人もいます。

運動が苦手であれば、前述の通り、生活の中で身体を動かす量を増やすしかありません。いつもエレベーターやエスカレーターを使っているなら階段を使うとか。

もし少しでもやる気があれば、まずはスクワット10回でもできれば上出来です!

―歩いて少しでも運動量アップが始めやすいですね。歩き方にコツとかありますか?

(白田さん)速く歩くことを意識するといいですね。健康診断の問診にもあるのですが、「人より歩くのが速い」ことは、肥満と関係がありそうだという研究結果があります。

―なるほど。他にもコツはありますか?

(白田さん)食事にも共通しますが、手書きでもいいので自分の行動を記録しておくのが大切です。毎週振り返りをして、できた時は励みにする、できなかったとしても自分を許して切り替えるのが大切です。

毎日がんばれる人の方が稀です。また次の週に取り返すという気持ちで、徐々に進めていきましょう。

運動量は生活の中で無理なくアップさせる

▶︎今回のポイント
・運動が苦手なら動く時間を増やす
・座りっぱなしなら1時間に1回は軽く歩く
・エレベーターで楽をせずに階段を使う
・運動をやっていた人なら運動習慣の持続に挑戦

運動に対して抵抗がある人は、そもそも運動習慣がない人だったりします。
その場合、運動をするのに身体が慣れておらず、思わぬ怪我に繋がるため、少しずつ筋肉をつけて運動ができる身体をつくるようにしましょう。

とはいえ、基本は動く時間を増やすことが大切です。
歩数であれば1日8,000歩ぐらいを目指し、少し速く歩くことを意識するだけでも運動効果を得られますよ。

まずは週1から始めてみましょう!

次回は白田さんが考えるメタボと職場の関係についてのお話です。

参考文献

白田 千佳子(しらた・ちかこ)さん

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大学卒業後はIT企業に就職し会社員として5年間勤務。その後、聖路加看護大学に学士編入。2011年協会けんぽ千葉支部に入社し、保健師として7年間勤務。2018年4月より株式会社リンケージにて勤務。主に健保組合加入者を対象に「オンライン特定保健指導」や「オンライン禁煙プログラム」等の提供をしており、保健事業全般に携わっている。

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