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2018.04.13

無料?何がわかる?今さら聞けない「健康診断」基本のき

KenCoM編集部

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年に一度、みなさんが当たり前のように受けている健康診断ですが、これでどんなことがわかるのか、ご存知でしょうか?

ここでは、そんな健康診断の基本を紐解いてみようと思います。KenCoM監修医の石原藤樹先生に教えていただきました。

もともとは結核を防ぐために設立されたもの!?

-石原先生、健康診断はいつからあるものなのでしょうか?

石原先生「昭和17年、当時は死の病として恐れられていた“結核の有無を調べる”という意味合いでスタートしたのが、健康診断のはじまりだと言われています。

ツベルクリン反応や、レントゲンなどを集団検診によって行い、一年間に1,000万人以上が受診していました。

また、当時の情勢を考えると体力健診の意味合いもあったと言います。

現在のような血液検査はその後もしばらくなかったのですが、労働安全衛生法の改定があった1989年から義務化され、現在に至ります」

目的は「労働者が健康な状態で働くため」

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ー現在の形になるまではどのような変遷があったのでしょうか?

石原先生「結核の有無を調べる ⇒ 成人病を防ぐ ⇒ 生活習慣病を防ぐためと、その目的を変えながら進化してきました。

1947年に労働基準法が成立したことで、“労働者には健康な状態では働いてもらうこと”が定められたため、健康診断の実施が義務化したのです」

-だから私たちは無料で受けられるのですね。

石原先生「その通りです。人を雇用したならば健康診断を実施しなければいけないと、労働安全衛生法で定められているため、労働者は無料で受けられるのです。

費用は、健康保険組合や事業主が負担をしています。また人間ドックについては健保から補助金が出るので、希望者は負担を抑えて受けることができます」

健康診断では何を検査するの?

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―普段私たちが受診している「健康診断」では、どんな検査を行っているのでしょうか?

石原先生「定期健康診断(一般健診)のことですね。これは毎年1回、必須項目(無料)の検査を受けることができるものです」

<一般健診の必須項目>

①問診(既往症、喫煙歴、服薬歴、業務歴、自覚症状などについて聞かれます)
②身長、体重、視力、聴力、腹囲の計測
③血圧の測定(血圧の高さ・低さを調べます)
④尿検査(尿中の糖およびタンパクの有無を調べます)
⑤採血(貧血、血中脂質、血糖値、肝機能の状態を調べます)
⑥心電図検査(心臓の動きに異常がないか調べます)

※上記は医師の判断や健保により省略されるものもあります。

石原先生「また、付加健診というものもあります。これは自分で気になる病気の有無について、さらに詳しく知りたい方が追加料金で受診することができるもの。項目は多岐に渡るので、気になる方は会社の健診情報や受診機関のホームページなどで確認してみてください」

その他の注目健診はコレ!

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―定期健診のほかにもある健診。40代以降の方が受けておくべきものはありますか?

石原先生「一概にこれとは言い切れませんが、2008年からスタートした特定健康診査(メタボ健診)は覚えておきたいところです。

40~74歳の方が対象で、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の予防を目的に設置されたものです。

また、特定の数値に異常が見られた方については、生活習慣を見直す行動がとれるよう、専門家の保健指導が受けられます(特定保健指導)。慣れてしまった生活の習慣を一人で変えることは難しいですが、こうした専門家のアドバイスが直接受けられるのは貴重なことです。実際に特定の効果があるということも実証されています」

定期健診は必ず受診しよう!

健康診断は、働く人が健康に働いていくために受けられる権利です。

これによって自分の健康状態を知り、振り返ることができますよね。

いつまでも元気で働ける身体でいるために、まずは健康診断を受けに行きましょう!

(取材・文/KenCoM編集部)

監修医プロフィール

石原藤樹(いしはら・ふじき)先生
1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。2015年8月六号通り診療所を退職し、北品川藤クリニックを開設、院長に就任。著書に「誰も教えてくれなかったくすりの始め方・やめ方-ガイドラインと文献と臨床知に学ぶ-」(総合医学社)などがある。

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