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2018.03.29

どうして痔になるの?原因はこれだ!〜知って得するおしりの話①〜

KenCoM公式ライター:緒方りえ

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なかなか人には話しづらいデリケートな部分の悩み、痔。トイレに入ってティッシュに血が付いていたり、便秘でいきんだ時にハッとさせられた人もいるでしょう。自分は痔なのか、痔になってしまったらどうすれば良いのか、もう恥ずかしくて誰にも相談できない!そんな痔の悩みを持つ読者も多いかもしれません。

そこで今回は、杏林大学医学部付属病院の消化器・一般外科助教授である竹内弘久先生に、痔とうまく付き合うためのコツを伺いました。

竹内 弘久(たけうち・ひろひさ)先生

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1997年杏林大学医学部卒業。2015年医学研究科博士号学位取得。杏林大学医学部付属病院において診療を行うとともに、同病院外科教室(消化器・一般)において研究に従事。現在は杏林大学医学部助教を務める。日本外科学会専門医、日本外科学会指導医。

痔になりやすいのはどんな人?

日常に潜むNG行動をチェック!

まずは自分の生活習慣を見つめ直し、いくつの項目が当てはまるか確認してみましょう。

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いかがでしたか?
これらのチェック項目は、日常的に繰り返すことで痔になりやすいと言われているNG行動です。自分では生活習慣が乱れていることになかなか気づけないかもしれませんが、いつの間にかおしりに負担がかかっていることが多いのです。
今気づけたNG行動を行わないように心がけて、痔の予防と改善をはかりましょう。

意外と知らない痔の種類!

痔になりやすい生活習慣を続けていると、おしりへの負担は増すばかり。日本人の3人に1人は痔になっているといわれていますが、実際にはさらに、無自覚の人や恥ずかしくて通院できていない人も相当数いると予想されます。
では、痔とはどんな病気なのでしょうか。痔の種類と症状についてご説明します。

痔核

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① 一般的な呼び方:イボ痔
② 状態:肛門を閉じる時にクッションの役割をしている部分がうっ血(血液が滞る)して膨らんだ状態。
③ 症状:後ほど説明します。
④ 原因:辛い食べ物などの刺激物を好んで食べたり、便秘や下痢の刺激によりクッション部分に負担がかかります。座りっぱなしや、キツイ下着などによる肛門周囲の血行不良も原因になります。

裂肛

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① 一般的な呼び方:切れ痔
② 状態:肛門の皮膚が切れたり裂けたりした状態。
③ 症状:排便をする時に、強い痛みと少量の出血(ティッシュにつく程度)があります。軽度ならば自然治癒しますが、症状が進むと「慢性潰瘍性裂肛」になってしまい、肛門に狭窄が起こってしまうこともあります。
④ 原因:硬い便をむりやり出そうとしたり、下痢で勢いよく便が通過することによって傷つきます。

痔ろう

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① 一般的な呼び方:あな痔
② 状態:肛門の内側にバイ菌が入ることで膿(うみ)が溜まった状態を「肛門周囲膿瘍」と言い、それがさらに進行して肛門の内側と外側がトンネルのようにつながってしまった状態。症状が進むとトンネルが複雑化します。また、放置するとがん化することもあります。
③ 症状:肛門内が化膿してしまいズキズキとした痛みが続き、高熱も出ます。薬では治らないので手術が適用となります。
④ 原因:下痢をしていると「肛門陰窩(こうもんいんか)」という部分に大腸菌などのバイ菌が入り込みやすくなり、そこから炎症することで膿が溜まります。炎症性腸疾患(クローン病)が原因のことも。

男女ともに患者数が最も多いのは『痔核』

さらに詳しく説明しますと、3つの分類のうち悩んで居る人がダントツで多いのは痔核であるといわれています。痔核は、大きく分けて以下の2つに分類します。いずれも、早い段階で生活習慣の見直しをすると改善が期待されます。

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痔を放置して痛みや出血がひどくなると、社会生活に支障が出てしまうことは容易に想像できます。痔の症状があったら放置せず、少しでも自分が楽になれるように早めに行動することが大切です。もし市販薬で対処してもなかなか症状が治らない場合は、病院を受診してみると良いでしょう。

痔かな?と思ったら、早めの対処!

『痔核』と『裂肛』の対策で一番大切なのは、生活習慣をしっかりと見直してNG行動を取らないように心がけること。体調を整えることで、長年苦しんだ痔の悩みから解放される人も少なくありません。そして、『痔ろう』は必ず手術が必要になります。何か心配な症状がある場合は勇気を出して病院を受診することをおすすめします。

次回は、なかなか人に聞きづらい診察・検査・手術の疑問にお答えします。

■続きはこちらから!

著者プロフィール

■緒方りえ(おがた・りえ)
1984年群馬県生まれ。20代から看護師として活動をする傍ら、学会への論文寄稿や記事の作成なども行う。2015年独立しフリーの編集者として活動。2017年より合同会社ワリトを設立し代表社員に就任。医療系を中心に、旅行、雑貨など幅広いジャンルでフリーライター、フリー編集者として活動中。

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