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2018.03.15

カラダの可動域を広げれば歩数はもっと増やせる!ウォーキングのためのストレッチ

KenCoM公式:トレーナー・山下晃和

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歩きの効果を得るには1日8,000歩+20分の速歩が必要ですが、「8,000歩をこなすのだけでも大変」という方もいれば、「もっと歩数を増やしたいんだけど、8,000歩歩くと疲れてしまう」という方もいるはずです。
目標の歩数、またはそれ以上歩けるようになるにはどうすればいいのでしょうか。

肉体派モデル、パーソナルトレーナーとして活躍する山下晃和さんに聞いてみました。

歩く前後に行えば歩数アップから疲労回復に効果を発揮

歩きは足だけの運動ではない

皆さんは歩く時に、身体のどこを使っていますか?そう聞かれても、歩く動きは小さい頃から当たり前に行っているのですから、「足」としか答えようがないかもしれません。しかし、われわれ人間は足だけで歩く動作のすべてをまかなっているわけではないのです。

動物の中でも唯一、直立で二足歩行をしている人間の身体ですが、歩くときに主に使われる2本の足は同時に全身の動作や体重を支える役割を担っています。さらに、全身のバランスを保つべく肩関節や股関節、脊柱(背骨)などが働いているわけですが、実はこれらの部位も歩く行為と密接な関係があります。

たとえば股関節の柔軟性が不足していると、歩く時にそこにつながる太腿やふくらはぎの筋肉、膝関節や足首に大きな負荷がかかってしまいますし、脊柱の下側にある腰椎をしっかり捻りながら歩けないと、足を踏み出す時の歩幅が小さくなり、腕をしっかり振って歩くことができません。
また、関節も含めた肩周りの動きが悪いと同じように歩行時に腕を大きく振れないということもあります。つまり、それらの部位がうまく連動していないと歩幅が小さく足に負担のかかる歩き方となり、疲れやすくなってしまうのです。

これでは仕事の行き帰りにひと駅分多く歩いたり、オフィスでの移動時にエレベーターではなく階段で階を移動するのもおっくうになります。もちろん、ウォーキングの歩数や速さを稼ぐこともできません。

ダイナミックな動きが歩数アップのカギ

ウォーキング時に肩周りや股関節、腰椎などをうまく連動できれば、大きく腕を振れるので歩幅も大きくダイナミックになり、より全身を使って歩くことができます。そうすれば1歩ごとに足にかかる負担は少なくなり、自然と歩ける歩数は増えていくはずです。さらには、全身の活動量が上がるため、基礎代謝の向上も期待できます。つまり全身で歩けばダイエット効果もアップするというわけです。

ここでは、股関節の可動域を広げるストレッチと、腰椎をしっかりローテーションさせるストレッチ、あとは肩周りに効くストレッチを紹介します。

股関節の可動域を広げるストレッチ

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① まっすぐ立つ。

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② 大きく一歩前に踏み出すイメージで前後に大きく足を広げる。

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③ 前に出した足と逆側の肘を、なるべく前の方の床につく。そのまま20秒キープ。反対側も同様に。各2~3セット。

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できる人は両肘を床についてみよう。

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難しい人は手をつくだけでも良い。

【ONE POINT】

これで大腰筋や腸腰筋といった股関節の周囲筋、大腿四頭筋や大腿三頭筋などの太腿周りの筋肉が伸ばされ、ウォーキング時に大切なな股関節の可動域が広がり、歩幅も大きくなるはずです。

腰椎をローテーションさせるストレッチ

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① 床に尻をついて座り、両手を後ろにつく。両足を軽く開いて前に出し、膝を90度に立てる。

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② 次に、腰から上は動かさないよう意識しながら立てた両膝を自動車のワイパーのように左右に振る。振った側の膝の横が床につくまでやってみよう。左右に振って1回。20回×2~3セット行う。

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余裕がある場合は、両手を離して顔前に構えて行うと、バランス感覚もつけられる

【ONE POINT】

膝を左右に振るたびに腰椎や、その上の脊柱(背骨)が一緒に回っているのを感じられるはずです。
このストレッチでその感覚を掴んでおけば、歩くときも足を一歩前に出すごとに腰椎と脊柱を連動させることができます。

肩周りのストレッチ

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① 壁に対して横向きに、壁から10cm程度離れて立ち、壁側の腕をカラダの後ろに伸ばして手を壁につく。

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② 壁側の足を一歩前に出し、同時に壁側の肩を壁方向にひねって手を壁に押し付けていく。顔はずっと正面を向いたたまま。20秒行ったら反対側も同様に。各3セット。

【ONE POINT】

これで肩関節や肩甲骨の可動域が広がり、ウォーキングで大きく前後に腕を振れるようになります。
それによって腰椎もしっかりローテーションできるので、カラダをしっかりひねって歩けるようになるのです。

全身の可動域を広げて歩きの質をアップ!

これらのストレッチを歩く前にやっておけば、より全身を使った歩き方になって疲れにくくなります。また、歩行後に行えば収縮した筋肉をしっかり伸ばすことができ、疲れが残りにくくなります。
もちろん、運動する時以外でも朝晩などに習慣的にやっておけば、1日のカラダの動きがスムーズになる効果も見込めます。

明日はウォーキング効果を高める筋トレを紹介したいと思います。お楽しみに!

トレーナープロフィール

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■山下晃和(やました・あきかず)
幅広いジャンルで活躍する肉体派ファッションモデル。パーソナルトレーナー資格NASMを取得しており、トレーナーとしても活動中。世界各国を自転車で旅した経験を持ち、トラベルライターとして数多くの雑誌に寄稿している。著書に『自転車ロングツーリング入門』(実業之日本社)がある。

著者プロフィール

■黒田創(くろだ・そう)
フリーライター。2005年から雑誌『ターザン』に執筆中。ほか野球系メディアや健康系ムックの執筆などにも携わる。フルマラソン完走5回。ベストタイムは4時間20分。

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