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2018.03.14

肥満と糖尿病は、癌の発症に影響を与える【KenCoM監修医・最新研究レビュー】

KenCoM監修医:石原藤樹先生

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肥満や糖尿病などの生活習慣病には、様々な健康リスクがはらんでいるのはご存知かと思いますが、なんと癌の発症にも影響を及ぼすという研究がありました。

当連載は、クリニックでの診療を行いながら、世界中の最先端の論文を研究し、さらにKenCoM監修医も務める石原藤樹先生の人気ブログ「石原藤樹のブログ」より、KenCoM読者におすすめの内容をピックアップしてご紹介させていただきます。

今回ご紹介するのは、2018年のLancet Diabetes & Endocrinology誌に掲載された、肥満と糖尿病とが癌のリスクに与える影響についての論文です。

▼石原先生のブログはこちら

1,0000万件以上のデータから癌を分析

癌の5.6%は過体重や糖尿病が影響していると推計

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BMIという指標で25を超える「過体重」と糖尿病は、いずれも癌の発症リスクとなることが、精度の高い多くの疫学データから確認されています。

過体重は2型糖尿病のリスクになりますから、この2つのリスクは互いに影響を受け合っています。

今回の研究は2012年の時点において、世界175カ国の疫学データをトータルで集計した、非常に大規模なもの。『BMIが25以上の過体重』と『糖尿病』が12種類の癌の発症に与える影響を、個別にまた複合的に検証しています。

その結果2012年に世界中で報告された、14,067,894件の新規に診断された癌のうち、5.6%に当たる792,600件は過体重もしくは糖尿病の影響によって、生じたものと推計されました。

過体重の影響と糖尿病の影響には差があり、過体重は乳癌の6.9%、子宮体癌の31.0%に影響していたのに対して、糖尿病は乳癌の2.2%、子宮体癌の10.8%の影響に留まっていました。

一方で糖尿病は肝臓癌の14.5%、膵臓癌の12.8%に影響していたのに対して、過体重の影響は肝臓癌では10.1%、膵臓癌では5.8%に留まっていました。

体重や血糖値を整えることは、癌の予防になる?

これは必ずしも、体重や血糖が減少すれば癌がそれだけ予防される、というようにも言い切れないのですが、過体重や糖尿病が、世界的に癌のリスクとして大きなものである、ということは事実で、その影響は今後より大きくなることもまた、ほぼ間違いのないことのように思います。

▼参考文献

<著者/監修医プロフィール>

■石原藤樹(いしはら・ふじき)先生
1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。2015年8月六号通り診療所を退職し、北品川藤クリニックを開設、院長に就任。著書に「誰も教えてくれなかったくすりの始め方・やめ方-ガイドラインと文献と臨床知に学ぶ-」(総合医学社)などがある。
・略歴
東京医科大学地域医療指導教授/日本プライマリ・ケア連合学会会員/医師会認定産業医/医師会認定スポーツ医/日本糖尿病協会療養指導医/認知症サポート医
・発表論文
-Differential metabolic requirement for initiation and augmentation of insulin release by glucose: a study with rat pancreatic islets. Journal of Endocrinology(1994)143, 497-503
-Role of Adrenal Androgens in the Development of Arteriosclerosis as Judged by Pulse Wave Velocity and Calcification of the Aorta. Cardiology(1992)80,332-338
-Role of Dehydroepiandrosterone and Dehydroepiandrosterone Sulfate for the Maintenance of Axillary Hair in Women. Horm. Metab.Res.(1993)25,34-36