2018.03.07
味噌の基本を知ろう !絶品味噌汁はこう作る【男の和ごはん・味噌特集#1】
日本人にとってもっとも身近な調味料の一つといえば「味噌」ですよね。でも、あまりに身近すぎて意外と味噌について詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか?
最近では腸内環境の重要性が注目され、発酵食品でもある味噌も再びその良さが見直されつつります。
今月のシリーズでは味噌をテーマにレシピをご紹介しつつ、種類や使い方、身体に嬉しい栄養についてお伝えしていきます。
味噌は”にぎやかな”味がするもの
日本の味噌の起源は、飛鳥時代に中国から伝わった「醤(ひしお)」や「くき」という古代の調味料にあります。これが日本で独自の進化を遂げ、いまの形になりました。
ちなみに「味噌」という言葉は日本独自のもので、「噌」には「にぎやかである」という意味があり、味がにぎやかであることを表現しています。当時の日本人が味噌をどれだけ美味しいと思っていたかが伝わってきますね。
最初は「なめ味噌」といって、おかずとして食べていたようですが、鎌倉時代にこちらも中国から「すり鉢」という調理器具が伝わると、「味噌をすりつぶして汁に溶く」という味噌汁の食べ方が考案されます。食卓の身近な存在ですが、実はこの国で約1000年もの長きに渡って愛され続けてきた立派な料理なのです。
日本全国にいろいろな味噌がある
ひと口に味噌といっても、そのバリエーションは多岐に渡ります。とくに地域性が色濃く表れるので、僕は地方に出かけた際にその土地の味噌を探すのを一つの楽しみにしています。
味噌は色や味、原材料などの特徴によって分け方がありますが、一番パッと見て分かりやすいのはその色による分類です。大きく分けて、白味噌、淡色味噌(茶色っぽいもの)、赤味噌の3種類です。
次週からはこの3種類の味噌の特徴とそれぞれを活用したレシピをご紹介しますので、楽しみにお待ちくださいね。
栄養学がない時代から知られる味噌の健康効果
江戸時代にはすでに「医者に金を払うより味噌屋に払え」ということわざがあったと言いますが、それほど昔から日本人は味噌の健康効果を実感していたようです。その栄養価は現代の栄養学でも高く評価されています。
特徴としては、大豆を使っているため身体のさまざまな細胞の材料となるたんぱく質が豊富なうえ、女性には嬉しいイソフラボンも含まれています。また、発酵により乳酸菌が入っているので、腸内環境を整える効果も期待できます。
味噌というと塩分が気になるという声も聞きますが、ある実験によると、味噌で塩分をとっても血圧が上がらなかったという結果も。あくまで常識的な範囲内であれば、味噌汁を飲んでも塩分が問題になることはないと考えて良いでしょう。
春キャベツとたまごの絶品味噌汁
それでは味噌汁のレシピをご紹介しましょう。具を何にするか?というと無数に組み合わせがあると思いますが、今回は簡単だけど美味しい、とっておきのオススメレシピをご紹介します!
【材料】(2人前)
・キャベツ 2枚程度
・玉ねぎ 1/4玉
・油揚げ 1/2枚
・卵 1コ
・出汁 400cc
・味噌 大さじ1.5
【作り方】
1:キャベツは食べやすい大きさにざく切りにする。玉ねぎは細く切る。油揚げは横半分に切ってから短冊切りにする。卵は溶いておく。
2:鍋に出汁を沸かし、キャベツ、玉ねぎ、油揚げを入れる。火が通ったら味噌を溶き入れる。
3:沸騰したところに、菜箸を伝わせながら卵を細く流し入れ、火を止めて予熱で火を通したら出来上がり。
今回のレシピは、母が作ってくれた味噌汁の中でも僕が特に好きだったもの。キャベツと玉ねぎから甘味が出て、油揚げと卵が入っているためしっかりごはんが食べられるおかずにもなります。野菜たっぷりでたんぱく質もとれるので、具材を多めにすれば“一汁一菜”の食事としても最適です。
味噌はもっとも一般的な淡色味噌が王道ですが、僕は関西育ちでもあるため、白味噌を少し混ぜるのが好みです。赤味噌は豆腐やしじみなどと相性が良く、独特のコクがあります。それぞれに良さがありますが、皆さんも地元の味噌に愛着をお持ちなのではないでしょうか?
そして味噌汁を格上げするのは何と言っても出汁。調味された顆粒商品は手軽な面もありますが、せめて“出汁パック”で天然の香りを加えたいところ。オーソドックスに昆布と鰹の一番出汁、二番出汁でもいいですし、いりこだしも香りが濃厚で美味しいですよ。
次回は、白味噌でつくるオススメメニューをお届けします!
参考文献
▼過去のレシピはこちら!
著者プロフィール
■圓尾和紀(まるお かずき)
“日本人の身体に合った食事を提案する”フリーランスの管理栄養士。日本の伝統食の良さを現代の生活に活かす「和ごはん」の考え方を伝えている。『一日の終わりに地味だけど「ほっとする」食べ方』がワニブックスより発売中。