2018.03.16
懐かしさ感じる谷根千さんぽ〜東大を中心に歩いてみよう!〜
今回はいつものように平坦な道だけでなく、緩やかな坂道や階段も入ったエクササイズもできるコースです。
坂道や階段を登り降りすることは、平坦な道を歩くよりも筋肉にかかる負荷が高まるため、下半身の筋力を高める効果があります。お腹周りの引き締め効果もあるので、メタボが気になる方はぜひ歩いてみましょう。
東京名物、いっぱいの坂道を味わう
ご紹介するのは、東京の散歩コースとして大人気のエリア『谷根千』。谷根千とは「谷中」「根津」「千駄木」を中心とした下町風情が残る地域のこと。
最近はテレビで多く取り上げられ、休日になるとガイドブックを持った観光客の姿をよく見かけます。このコースは距離が少し長めなので、歩きやすい靴を履いてご自分のペースで無理なく歩いてみましょう。
11:10 東大の美しい門巡りと、癒しの金魚坂!
スタート地点は東京メトロ『東大前駅』です。
1番出口を出て左へ、銀杏並木が爽やかな道「本郷通り」を歩きます。写真左に写っている赤レンガは東京大学をぐるっと囲む塀で、大学の威厳を感じさせる美しさがあります。
こちらの美しい門が『東大正門』。安田講堂に向かって銀杏並木が続いていて、これぞ東大!という風景が広がっていました。
築地本願寺の設計などで有名な伊東忠太氏のデザインだそうです。
隣は、東大にある10個の門の中で一番有名な『東大赤門』。元々は江戸時代に大名屋敷の門として使われており、現在は国の重要文化財に指定されています。人気の観光スポットで、筆者が訪れた時も写真撮影をする人が絶えませんでした。
続いては、昼食をとるため『珈琲 金魚坂』を目指します。
「東大赤門前」の信号を渡ったら再び本郷通りを3分ほど進み、右角に「みやた花店」がある道を曲って坂を下ります。
緑色の道路に大きく「スクールゾーン」と書いてあるのが目印です。
こちらは350年続いている老舗の金魚屋さんが営んでいるカフェで、お店の外にも中にも金魚がたくさん。「銀鱈の西京焼」御膳は1400円でドリンク付。ふんわり甘い鱈と優しい香りの中国茶がとても美味しく、金魚モチーフの器や箸置きが女性心をくすぐります。
「この辺りの健康スポットなら任せて!」と情報通な店員さん。お喋りが楽しくて、つい長居をしてしまいました。
住所:東京都文京区本郷5-3-15
電話:03-3815-7088
営業時間:火〜金曜11:30〜21:30、土・日・祝11:30〜20:00
定休日:月曜・第3火曜
1階が喫煙、2階が禁煙席。
クレジットカード不可
金魚坂を出たら、坂道を戻って先ほどの「みやた花店」を右折します。歩いてすぐの「本郷三丁目」の信号を左折し坂道を少し下ると、道路上に『湯島天満宮』の鳥居があります。
湯島天満宮は梅の名所で、学問の神様『菅原道真』が祀られていることで有名。境内にある「撫で牛」は自分の体調が悪いところと同じ部位を撫でると厄払いができると言われています。
境内を抜けると『湯島天神 男坂』があります。階段の石は大きさが不揃いなので、転ばないように手すりを持ってゆっくりと降りましょう。
階段を振り返って見上げると、美しい景色が見られました。
階段を降りた先にある信号を左折するとぶどうぱんの専門店があり、1袋300円のぶどうぱんラスクがおすすめです。
そのまま大通り沿いを5分ほど進むと『不忍池』に辿り着きます。
住所:東京都文京区湯島3-33-9 河原ビル1F
電話:03-3836-5406
営業時間:10:00~18:00
定休日:日曜・祭日
14:00 ゆるい坂道を登ったら、夢二美術館でレトロ気分!
せっかくなので不忍池の周りを歩きます。
桜の木がたくさん並んでいて、開花が待ち遠しい場所です。ベンチがたくさんあるので、スワンボートを眺めながらのんびり休憩しても良いでしょう。
不忍池を出る目印はミニストップが見える信号「池之端交番」。信号を渡った先にある赤い鳥居を右折します。ここからは左側に東大の校舎と赤レンガの塀を見つつ、ゆるい上り坂を10分ほど道なりに進みましょう。
坂の途中には『弥生美術館』と『竹久夢二美術館』があります。
大正ロマン好きの女性に特に人気で、着物を着たお客さんもたくさん見かけました。イラストの他、竹久夢二の生い立ちを学んだりできます。企画展示も凝っているので、じっくり見て回ると1時間ほどかかります。
弥生美術館
住所:東京都文京区弥生2-4-3
電話:03-3812-0012
営業時間:10:00〜17:00
定休日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、展示替え期間中、年末年始
竹下夢二美術館
住所:東京都文京区弥生2-4-2
電話:03-5689-0462
営業時間:10:00〜17:00
定休日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、展示替え期間中、年末年始
料金:一般900円/大・高生800円/中・小生400円
※ 2館併せて閲覧可能。
美術館を出たら右に曲がります。途中、東大の『弥生門』の付近で銀杏が描かれた雨水用の蓋を発見しました。
東大の敷地内にも面白いマンホールの蓋がたくさんあるらしいので、敷地内で蓋探しをしてみるのも楽しいかもしれません。
突き当たりまで来たら「言問通り(ことといどおり)」の坂道『弥生坂』を下り、「根津一丁目」の信号を左折します。
この弥生坂は明治時代に幕末鉄砲組の射撃練習場があったことから「鉄砲坂」とも呼ばれていたそうです。道幅が広く空が抜けているので、晴れた日は気持ち良く歩けると思います。
15:00 自然たっぷりの根津神社と、谷中銀座を探検しよう!
「根津神社入口」の信号を入ってすぐの場所に、明治45年から続く老舗『小石川金太郎飴』があります。
ここの飴は全てが手作りで、きな粉の「ゲンコツ飴」が特におすすめです。笑顔が素敵な3代目ご主人の人柄、とても癒されました。
お土産に飴を購入した後は『根津神社』に行きます。
こちらの神社はツツジや桜が有名。緑溢れる広い境内には見所がたくさんありますが、入って左側にある『乙女稲荷神社』の赤い鳥居も美しいのでぜひ見てください。
今回は上の写真の「表参道口」から入り、下の写真の「北参道口」から出ました。
神社を右に出て少し進み「千駄木二丁目」の信号を左折します。ここからは10分ほど歩きますが、この道は自転車の通行が多いため注意しながら歩きましょう。
NTTの建物の前の信号を渡ってから「文京千駄木三郵便局」の横道を右に入り、突き当たりを左へ曲がると『谷中銀座』という小さな商店街に到着します。
昔ながらのレトロなお店もありますが、どちらかというと若い観光客や外国人を意識したお店が多く、時代の流れを感じる場所でした。
美しい夕焼けで有名な『夕焼けだんだん』という階段は、夏の夕焼けがおすすめとのこと。
夕焼けだんだんを登って、まっすぐ5分ほど進むと『日暮里駅』に着きます。
日暮里駅の手前にある下り坂は「御殿坂」と言い、傾斜があるので転ばないように注意して歩きましょう。
こちらの写真は日暮里駅の前にある『下御隠殿橋』からの絶景。ここでは新幹線や電車が走り去る様子を数分ごとに見られます。この日は空が美しく、鉄道ファンや子供が写真を撮りに来ていました。
16:40 日暮里駅にゴール!
今回は1日で18000歩(谷根千だけで14000歩)越えです。
体力がないと坂道も多く、クタクタになってしまうかもしれません。その場合には途中で切り上げて、地下鉄に乗り込むのもいいでしょう。
桜の季節にこそまわってみましょう
ゆるい坂道や階段が多い谷根千散歩、予想以上に自然を感じることができました。桜の時期になったらもう一度歩きたいコースです。
みなさんも是非、懐かしさを感じる谷根千を歩いてみませんか?
著者プロフィール
■緒方りえ(おがた・りえ)
1984年群馬県生まれ。20代から看護師として活動をする傍ら、学会への論文寄稿や記事の作成なども行う。2015年独立しフリーの編集者として活動。2017年より合同会社ワリトを設立し代表社員に就任。医療系を中心に、旅行、雑貨など幅広いジャンルでフリーライター、フリー編集者として活動中。