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2018.02.26

歳とともに膨らむお腹を解消してコンディションアップ!【お手軽!心身調整術#7】

KenCoM公式:トレーナー・河村玲子

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歳とともについた脂肪は、放置厳禁!

皆さんの中で学生時代より体型に自身がある!と言える方はどのくらいいらっしゃいますか?
トレーナーとしてたくさんの方を見てきましたが、ほとんどの方が「社会人になって太り始めた」「30代後半からはみるみるうちにお腹が出てきた」などとお悩みの様子。
ただ、この太った状態を放置するのは、コンディショニングの観点から見て黄色信号です。

今困っていないから……。と思っているかもしれませんが、その間に、溜め込んだ脂肪はどんどん落ちにくくなりますし、たるんでくれば老けて見えるようにも。もし肥満がきっかけで生活習慣病になれば、医療費もかかってしまいます。
若々しくいるため、不要な出費をなくすため、今回は肥満対策にフォーカスしてすすめていきましょう。

右肩下がりの基礎代謝とその対処法

体重の増減は、単純に言えば摂取するエネルギーと消費するエネルギーのバランスで決まります。

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摂取>消費の状態だと体重は増えます。
摂取=消費の状態だと体重は維持されます。
摂取<消費の状態だと、体重は減ります。

消費エネルギーには、心臓や肝臓などを機能させるのに消費されるエネルギー(基礎代謝)、運動によって消費されるエネルギー、食べ物を体で使えるようにするのに必要なエネルギー(DIT)の3つがあります。
この中で年齢とともに減っていくのは基礎代謝です。ピークの20歳頃と80歳頃を比較すると、男性の場合約400kcalも減るといわれます。
ではこの基礎代謝を含め、消費エネルギーの低下を食い止めるのにはどうしたらよいのでしょうか?

筋肉に刺激を与えて筋肉量を増やそう

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基礎代謝と運動によるエネルギー消費量は、筋肉量の影響を受けます。
筋肉の量は20~30代をピークに、加齢によって年々減少していくもの。20歳時と80歳時を比較すると、男性で約17%も減少するとの報告があります。

その理由は、男性ホルモンや成長ホルモンなどの分泌が低下したり、加齢によって新陳代謝が悪くなったりすること。また、運動不足など筋肉を使わずにいると、身体が不要な筋肉だと認識して萎縮することなどがあげられます。

そんな加齢による筋肉量の変化に抵抗するには筋トレが有効です。筋肉に適切な負荷をかけることで、男性ホルモンや成長ホルモンの分泌が促進されると、筋肉量は増えていきます。若々しさを保つことにもつながりますし、カッコいい身体づくり、コンディションアップにも最適ですよ。
1週間に2回~3回、30分ほどから始めてみましょう!

褐色脂肪細胞やベージュ細胞を刺激しよう!

脂肪にはエネルギーを溜め込む『白色脂肪細胞』と、熱を産み出してエネルギーを消費する『褐色脂肪細胞』があります。
大人になって増える脂肪のほとんどは白色脂肪細胞であり、褐色脂肪細胞は生まれたときをピークに大人になるにつれて量は減ってしまいます。
消費エネルギーが減る原因のひとつには、この褐色脂肪細胞の減少もあります。
ですが、
1.魚油に多く含まれるω3系脂肪酸をとること。
2.唐辛子や胡椒、生姜などのスパイスやハーブをとること。
3.寒い環境に身体をおくこと。
上記3点を心がけることで、褐色脂肪細胞の減少を食い止め、活性化させてエネルギーを消費しやすい状況をつくれる可能性があります。また、白色脂肪細胞なのに褐色脂肪細胞のような機能を持った、『ベージュ細胞』というものも最近の研究で見つかっています。このベージュ細胞も、上記の方法で増やせると言われているので、こちらの増加にも期待しましょう。

ここでは褐色脂肪細胞を刺激できるストレッチとトレーニングもご紹介。
デスクワーク中心の仕事をしていたり、重い鞄を持って移動していると、首や肩、肩甲骨回りの筋肉が固まってしまい、どんどん動かしづらくなってきます。その結果、褐色脂肪細胞の動きが抑制されることも。そこで今回は、褐色脂肪細胞の集まる肩甲骨周囲を中心に動かしながらほぐす、動的ストレッチとトレーニングを行っていきます。

褐色脂肪細胞を刺激するストレッチ

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① 頭の下に枕を置き、頭から骨盤が一直線になるように横向きになる。腰と膝を90度に曲げ、手は胸の前に伸ばす。

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② 肩甲骨を大きく動かしながら、上の腕をぐるりと回す。腕は、なるべく床に対して平行になるようにする。反対側も同様に行う。

褐色脂肪細胞を刺激するトレーニング

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① ペットボトルやダンベルなどの重さがあるものを持ち、両膝を腰幅に開いて膝立ちになる。尻、腹筋、背骨の横の筋肉に力を入れ、身体が床に対して垂直になるようにする。

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② 上体をまっすぐに保ったまま、股関節から尻を後方に引く。

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③ 肩甲骨を背骨に近づけるようにしながら肩を背中に近づけていく。肘は自然に曲がる角度でよい。なるべく首から肩にかけての筋肉ではなく、背中の筋肉を使うように意識する。

細かいことでも繰り返せば効果アップ

一度太ってしまった後に何も対策をしなければ、身体はドンドン太りやすい体質へと変化していきます。しかし、対策をとることでそこに逆らうことは可能です。
トレーニングやストレッチは何歳から始めても効果は必ず出ます。また褐色脂肪細胞の減少を食い止めるために、1日1回魚を食べることを心がけたり、スパイス類を少し料理に足してもいいでしょう。
もし既に肥満体型でもあきらめることはありません。思い立ったが吉日!今日から対策を始めましょう!

著者プロフィール

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■河村玲子(かわむら・れいこ)
パーソナルダイエティシャントレーナー(管理栄養士×トレーナー)、ボディーメイク、健康サポートを行う管理栄養士×パーソナルトレーナー。
脱サラ後、北米に渡りダイエットビジネスの視察、トレーナー活動をした後、帰国して日本にて活動を始める。現在トレーナーとしては、ティップネス蒲田・渋谷にて月に130セッションのトレーニング指導を。管理栄養士としては『Tarzan』や『anan』のレシピ作成や監修、アスリートの栄養指導など、運動、栄養両面のプロフェッショナルとして幅広く活躍している。(株)SAWAKI GYM 栄養アドバイザー。ティップネスアスリート支援事業 管理栄養士。(株)HandY スポーツセクション 管理栄養士。