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2018.02.19

午後の一杯、コーヒーの嬉しい効果【お手軽!心身調整術#6】

KenCoM公式:トレーナー・河村玲子

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オフィス街を歩けばそこここにあるコーヒーショップ。コーヒーは身近な存在ではあるものの、なんとなく身体に悪いイメージを持っている方が少なくないように思います。
確かに飲みすぎや、妊娠中など特定の方にはお勧めできませんが、適量を飲む分には嬉しい効果がたくさん見込めます。

今回はコーヒーで整うコンディションについて解説します。

身近なコーヒーに隠された素晴らしい6つの力

メリット①:カフェインによる脳の活性化

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コーヒーにはカフェインが含まれているのは皆さんもご存知ですよね。
カフェインは脳に運ばれると、「ドーパミン」や「ノルアドレナリン」という、やる気や意欲を高める物質を増やす働きがあります。
その他にもカフェインは記憶力、気分、反応速度など、脳の機能を高める作用が多数報告されています。
集中力が途切れてくる15時頃、コーヒーで一息ついてみてはいかがでしょうか?

メリット②:脂肪の燃焼を促進

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脂肪燃焼系のサプリメントにもよく使用されているカフェイン。
運動中は糖質をメインエネルギー源として使っているので、脂肪の利用割合は最大でも50%程度です。
その脂肪の利用割合を引き上げる効果が、コーヒーに含まれるカフェインにはあります。
かんたんに言うと、カフェインは脂肪を分解して血中に遊離脂肪酸として放出し、脂肪の利用と燃焼を促進する効果があるのです。

午後外回りをするなら、1時間ほど前にコーヒーを飲んでから出かけてみると、その恩恵にあずかれるのではないでしょうか。

メリット③:香りによるリラックス効果&脳の活性効果

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コーヒー屋の前を通ると漂うコーヒーの香り。コーヒー好きにとってはたまりませんね。コーヒーの香りは、豆の種類によってリラックス効果や脳の活性効果が期待できます。
ブルーマウンテンやグァテマラなどの豆の香りをかぐと、人の脳からはα波が出てリラックス状態になります。
逆に、同じコーヒーでも、ハワイコナ、ブラジルサントス豆などは、脳の活性化の方により作用すると言われています。

アメリカの研究では、コーヒーを飲むことで気分が落ち込むリスクが低くなるといった結果も。
ただ、カフェインには神経を興奮させる作用があるため、リラックスを狙うならデカフェ(※)がお勧めです。

(※)デカフェインコーヒー:一般のコーヒーからカフェインを一部抜いたもの。ノンカフェインのコーヒーも販売されています。

メリット④:糖尿病のリスク低減

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いまや男性の5人に1人が糖尿病またはその予備軍です。
2型糖尿病は血糖値を下げる「インスリン」というホルモンの効きが悪くなることによって起こります。
その2型糖尿病にかかるリスクを、コーヒー(デカフェも含む)を飲むことで低減できるとの報告があります。

コーヒーがどのように作用するのかの詳細はわかっていないものの、おそらくコーヒーに含まれる抗酸化成分やミネラルなどの総合的な働きによるものだろうといわれています。
たとえばコーヒーに含まれるマグネシウムやクロム、クロロゲン酸などはインスリンの働きを助けたり、分泌を亢進したりするのだそう。
なお、コーヒーにお砂糖をドバドバ入れてしまっては逆効果になります。コーヒーはブラックに少量の牛乳を入れるのが胃の保護のためにもおすすめです。

メリット⑤:循環器疾患のリスク低減

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健康診断で血中のコレステロールや中性脂肪の値に注意マークが出ているあなた、もしかすると血管の硬化(動脈硬化)が進んでいるかもしれません。血管の硬化が進むと、血圧が上がったり、血管が詰まったりするリスクが高まります。
コーヒーに含まれる抗酸化成分は、LDLコレステロールが増加するのを抑制します。またクロロゲン酸というポリフェノールの一種が血管の硬化を抑制する働きがあることが示唆されています。

ただし、甘いコーヒーがお好きな方は要注意。砂糖の摂り過ぎは中性脂肪の増加にもつながるので、ダイエット甘味料などを検討してもいいですね。

メリット⑥:老化対策

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老化に関する酵素で「エムトール」というたんぱく質があります。このエムトールは老化を促進する作用があります。
コーヒーに含まれるカフェインはエムトールの働きを抑制するため、老化の防止や寿命の延伸につながるとの報告があります。
あくまで栄養素的な話で、昨日飲んだら今日はしわがなくなった!とはなりませんが、最近疲れて顔が老け込んできたかもしれないという頑張り屋さんは、コーヒーの適量摂取を続けてみてはいかがでしょうか?

飲み過ぎには注意も!

様々なうれしい効果が見込めるコーヒーですが、たくさん飲めばそれだけ良いというわけではありません。
カフェインも摂りすぎれば血圧が上がったり、興奮状態が覚めにくかったり、胃の不調が起こったりします。
また、食品である以上は様々な成分が働きあっているため、カフェインやクロロゲン酸単体で摂取するのと同じ効果があるとは言い切れません。
要は適量、特別な場合を除いては、1日に3杯程度におさめておくのがよいのではないでしょうか。

■参考文献

「SUPORTS NUTRITION」 Human Kinetics  著Asker Jeukendrup Michael Gleeson P.265-270

著者プロフィール

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■河村玲子(かわむら・れいこ)
パーソナルダイエティシャントレーナー(管理栄養士×トレーナー)、ボディーメイク、健康サポートを行う管理栄養士×パーソナルトレーナー。
脱サラ後、北米に渡りダイエットビジネスの視察、トレーナー活動をした後、帰国して日本にて活動を始める。現在トレーナーとしては、ティップネス蒲田・渋谷にて月に130セッションのトレーニング指導を。管理栄養士としては『Tarzan』や『anan』のレシピ作成や監修、アスリートの栄養指導など、運動、栄養両面のプロフェッショナルとして幅広く活躍している。(株)SAWAKI GYM 栄養アドバイザー。ティップネスアスリート支援事業 管理栄養士。(株)HandY スポーツセクション 管理栄養士。