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2017.12.20

たばこを止める際は体重に注意!医師が教える『健康的な禁煙』のポイント

KenCoM編集部

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『たばこは身体に悪い』。
もはや言い尽くされてきたこの言葉。喫煙者にとっては『またか』、非喫煙者にとっては『そうだ』という声が出ることでしょう。

そこで今回は、一歩議論を進め「禁煙するとどんな変化があるのか?」という点をご紹介したいと思います。
KenCoM監修医である石原先生にお話を伺ったところ、たばこを吸わないと同時に、注意しなければいけない点が見えてきました。

たばこを卒業するための3つのポイント

ヘビースモーカーの人は、1日20本以内にすることから始めてみよう

気付けばいつもたばこをくわえているような、ヘビースモーカーの人もいるかと思います。
石原先生が教えてくれたのは、ヘビースモーカーの方がいきなり禁煙を始めると、失敗するリスクが高いということです。

「喫煙習慣が長く続いていると、禁断症状が強く現れる傾向にあります。1日に40本(2箱)ほど吸っていると、禁煙補助薬を使用しても挫折してしまうことが多いですね。そのため、まずは自力で20本以内に抑えることからスタートすると、成功率が高くなります。もちろん、意志の力だけでスパッと止められる人もいるので、すべての人に当てはまるわけではありません」(石原先生)

過去に禁煙に失敗したことがあったり、成功する自信がなければ、まずは本数を減らすことから始めてみるとよさそうですね。

禁煙と同時に食事のコントロールも大切

『禁煙すると太る』という話を聞いたことがあるかもしれません。身近な経験者に聞くと、『禁煙すると食欲が増す』のだとか。
その理由は、喫煙習慣が続くことで体質が変化するからだそうです。

「個人差はありますが、禁煙すると太るのは確かなことです。医学的に理由はまだ明確化されていませんが、喫煙習慣が続くことでニコチンがホルモンに働きかけ、食欲を抑えているのではないかと考えられています。禁煙によってニコチンが摂取されなくなるので、ストッパーが外れて食欲が増します。自分の力だけで続けるのであれば、体重をこまめに測り、増えてきたと思ったら食事をコントロールするようにしましょう。禁煙外来では、体重管理に併せてアドバイスが受けられるので、より効果が期待できますよ」(石原先生)

たばこを吸わないことに加えて、食事の量に気をつけるというのは、新たな気づきになるのではないでしょうか。

禁煙による便秘に注意

禁煙を始めると、『お腹の調子が変だな。。。』という人がいるようです。
一見たばこと関係が無さそうなので見過ごされがちですが、実はこれもニコチンの作用によるものだそうです。

「こちらも研究段階ではありますが、ニコチンが腸に働きかけるといわれています。便秘気味の人からすると、一見良い効果に見えそうですが、喫煙習慣を続けたことで体質が変化してしまったということです。もちろん、これも体質によるので、禁煙すればすべての人が便秘になるわけではありません。便秘気味かもしれないと感じたら、水を飲んで便を出やすくしたり、食事から食物繊維を多く摂るようにするといいですよ。辛いようであれば、薬剤師と相談して便秘薬の服用も検討してみてください」(石原先生)

喫煙による影響を理解して健康的な禁煙を!

石原先生の話から、喫煙が体質に変化を与えることが分かってきました。単純にたばこを止めるだけでは、『健康的な禁煙』とは言えなさそうです。

「禁煙によってがんや呼吸器疾患、動脈硬化の予防効果が期待できます。しかし、禁煙後の体重増加が行き過ぎてしまうと、結果的に動脈硬化のリスク要因となってしまうので注意しましょう。ニコチンが摂取できないことで、イライラや食欲増進などを感じても、3ヵ月ほどで身体が慣れてきます。根気よく続けてくださいね」(石原先生)

(取材・文 KenCoM編集部)